過去のトラウマを乗り越える方法
思っていること・考え・感情を他者に伝えようとしても上手く伝えられないこと、ありますよね。
どういうときに伝えられないか、伝える必要性とメリット、役割とはなんでしょうか。
≪どうして伝えられないのか≫
自分なりの考えや思ったことがあるのに、何故か人に話せない時。
理由がいくつか考えられます。
一つは、自分の考えに自信がない時。
こんなことをわざわざ言わなくてもいいんじゃないかな、と、他の人の意見よりも価値が無いものと思って引っ込めてしまいます。
二つ目は、反論や反感が怖い。
自分が意見を言う、ということは、その場で出た意見とは違うことを思いついたから、という場合があります。
皆が同じ意見であるはずはないのに、違う意見を言うことはすなわち他の人の意見に「物申している」と考えてしまいます。
それによる他者からの反感や反論が怖くて言えない、ということがあります。
三つ目は、言葉が思い浮かばない。
他の人の意見を聞いて自分なりに考えたり感じたことがあっても、それにぴったりくる言葉を思いつけないと話すことは難しいです。
更に、思いついた言葉を、相手に誤解されないような文章を組み立てようとすると、考えている間に時間が経ってしまって機を逸してしまいます。
≪話したい? 話さなければいけない?≫
思ったこと・考え・感情を「話したい」と思っているのか、「何か言わなければいけない」と思っているのか、によっても変わってきます。
話したい、伝えたい、という欲求があると、「話す」という行為よりも「相手の理解度」が目的になるので、色んな伝達方法を思いつきます。
言葉だけではなく、例え話を持ち出したり、身振り手振りや、過去の事例、図を描いてみたりなど。
「話さなければいけない」場面は、一つは仕事中ですね。
立場によっては発言や発案が求められます。
「思っていることを話せない」人も、仕事では問題なく話せたりします。
では、仕事以外の場で「何か話さなければ」と思っているときはどうすればいいでしょうか。
私は、話さなくていいと思います。
意思表示をするだけなら、他の人の意見に同意するだけでも可能です。
「話したい」「理解されたい」「受け入れてもらいたい」考えや感情が無いなら、無理に話す必要もないのではないでしょうか。
≪うまく話す、とは?≫
「上手く」話そうというのは、どういう状態を指しているのか、にもよります。
すらすらと流暢に淀みなくスピーチすることでしょうか。
思っていることを全部話しつくすことでしょうか。
それとも聞いている人に理解されることでしょうか。
同意してもらい、同じ意見の人を見つけることでしょうか。
自分が想定する「うまく話す」状態はどんなものか、を、イメージしておく必要があるでしょう。
≪思いを話さないままだとどうなる?≫
緊張したり自信が持てなかったり適切な表現が思いつかないことで、思ったことや考えを話せないことが長く続くと、どんなことが起きるでしょうか。
一つは、何を考えて感じているのかを周囲に理解してもらえません。
意見を持っていない人、またはその場やテーマに関心が無い人、と捉えられることもあります。
もう一つは、本心と周囲の理解のズレです。
本当はこう思っている、考えている、というものがあるのに、何かの理由で話せないまま過ごしてしまうと、「この人は~~という考えの人だ」と違う理解のされ方をします。
そこにはズレが生じているので、ズレたままコミュニケーションを続けることでストレスが生じてしまいます。
その場に合わせることが出来ない、または無理やり合わせようとして、メンタルバランスが損なわれます。
≪思っていることを話す意味≫
人が、自分の気持ちや考えを誰かに言葉で伝えたいと思うのは何故でしょうか。
コミュニケーションをとるためです。
何故コミュニケーションを取ろうとするのか。
自分がその場の「構成員」であることを認識したいためです。
その場の構成員であるためには、それに見合う役割を果たしたいと考えます。
その役割の一つが「発言」です。
その発言内容によって、他の人は自分がどんな人で、どんな役割を果たす人なのかを認識します。
何を話すか、は、アイデンティティ証明の一つともいえるのです。
ですから、「上手く」「格好良く」「褒められるために」話そうとする必要はありません。
自分はどんな考えを持っていて、どんなテーマに興味があって、何が必要だと思っているか。
それを理解してもらうためにはどうすればいいのか、を考えてみましょう。
≪話すときは「Iメッセージ」≫
自分に自信が持てないときは、「自分の意見だ」と表明しづらくなります。
どうしても発言しなくてはいけない場合を除いて、自信が持てないなら無理に話さなくていいのではないでしょうか。
自信の有無を上回るのが「欲求」です。伝えたい、話したい、という気持ちが湧いてきたら、それに従いましょう。
そして話すときは「Iメッセージ」で伝えましょう。
「私は~が良いと思う」のように、主語を「私」にする話し方です。
「普通は~」「大抵は~」のような、主語を世間一般にすり替えた話し方だと、発言者の責任は問われないかもしれませんが、発言に重みがほとんどありません。参考意見としてスルーされます。
けれど発言者の心の中では「私の意見」ですから、スルーされればさらに自信を失いかねません。
はじめは小さなことからでいいので、「私は」で発言する習慣を身につけましょう。
≪まとめ≫
思っていることを話せない悩みの裏には、自信の無さと所属欲求の葛藤があります。
「上手に話さなければ」と思い過ぎると、「上手さ」にばかり意識が寄ってしまって、本当の思いをそのまま理解してもらうことから遠ざかります。
話さなければ、よりも、「話したい気持ち」を育てましょう。
≪オンラインカウンセリング 惠然庵≫
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