夫婦力とは ー3つの要素ー

西岡惠美子

西岡惠美子

テーマ:自己啓発

夫婦力とは ー3つの要素ー
夫婦って不思議な関係だと思いませんか?
何十年も他人として生きてきたのに、結婚すると法律上は親等すら数えない一心同体扱いです。
それほど近い相手である夫・妻と、長く安定して向き合い続けるために、どんな要素が必要なのでしょうか。

1.自己開示

自己開示とは

自分に関するプライベートな情報を相手に話すこと。自分の生い立ちや趣味を話題にする、過去の失敗を打ち明ける、自分の思いや意見を正直に話す……など(STUDY HACKER)

です。

夫婦なのですから、今更かもしれませんが、大人になってから知り合って家族になった相手と一緒にいるなかで、それまでは意識していなかった自分の特性、避けてきたこと、強味などに気づくことがあります。
生まれた時から一緒だった親やきょうだいからは得られなかった気づきです。

しかし気が付いたからといってそれをそのまま夫・妻に伝えられるか、というと難しいです。
自分の生き方・信念・コンプレックスの根幹に関わる要素だったりするからです。

とはいえ、ずっと言わないままにしているのもデメリットが大きいです。
自分ではわかっているけど相手には伝わっていない情報があることで、不満、不安、不平等感、ズレ、すれ違い、理解不足にもつながりかねないからです。

2.心理的安全性

心理的安全性とは

組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことです。(リクルートマネジメントソリューションズ)

本来は組織論の用語ですが、当然ながら夫婦にも当てはまる概念だと思います。

何か思ったこと・考え付いたことをそのまま口に出来る場は、意外と少ないものです。それは大人になるほど減っていきます。自分と違う考えの人がいること、自分の意見が全ての人に肯定されるわけではないことを経験上知っているからです。

かといって、必要なことをその場の反応を恐れて黙っていると、言っていれば回避できたかもしれないリスクに襲われる可能性もあります。

その時責められるべきは、言わなかった人ではありません。言えなかった風土と、それを作り上げたその場のメンバー全員です。

心理的安全性がない夫婦は、自分たちの家庭にとって必要な提案を思った通り言えません。
自己開示出来ないのです。

3.相手への尊敬

尊敬、というより、「リスペクト」と言うほうが近いかもしれません。
相手を尊重することです。

自己開示するとき、自分の意見を話せばいいとはいえ、聞く側にとっての脅威となるような内容をそのまま言うことは、「心理的安全性」を損なう要素にもなります。

自分の欲求や願望はお互いそれぞれ持っています。
それを剝き身のままぶつけ合うなら、1対1の対決の場になってしまいます。それは心理的安全性とは反対の状況です。

自分はこうしたいと思っている

相手は○○したいと思っているだろう/どう思っているのだろうか?


と、自分の願望「相手」というフィルターろ過してみましょう。
自分一人で考えて結論まで出す必要はありません。
ろ過する方法「相談」です。

4.夫婦力を上げるポイント3選

「自己開示」「心理的安全性」「相手へのリスペクト」の3要素を実現するために押さえておきたいポイントが3つあります。

1つ目は「アイメッセージ」です。
他人から言われてカチンとくる言い方の一つが、
「あなたは○○だから駄目なんだ」「普通は○○するものだ」
と、発言者の考えのほうが一般的で正しくて、言われている側が特殊で間違っているかのようなものです。

これは言い合っているのが個人同士でも、概念としては多対一です。相手のため、自分の思っていることを伝えるための発言だったとしても、言われた側は聞き入れられません。感じるのは反発だけです。

「私は○○だと思った」「私は○○が良いと思う」

と、「私は」を主語にした言い方で伝えましょう。

2つ目は「リフレーミング」です。
リフレーミングとは、白いものを黒いと考えること、ではありません。
白でも黒でもOK、あなたの意見も私の意見もOKだよね、と受け入れ合うことです。

夫婦は常に一緒に生活しています。元は他人同士だった二人が長時間長期間一緒にいれば衝突や諍いが起こらないはずがありません。
しかしその衝突を常に「どちらが勝つか」「どちらが間違っているか」で決着をつけることに意味はありませんし、負けたとされる側に遺恨が残るだけです。

アイメッセージでそれぞれの考えを俎上にのせた上で「どっちもアリだよね」と受け入れましょう。

3つ目は「妥協点を探す」ことです。
どちらか一方が正しいわけではない。でもお互いの意見は一致していない。その上で一つの結論を出さなければいけない。
だとしたら、お互いの意見の妥協点、合意点、一致する点を探しましょう。

例えば新しい車を買おう、となったとき。
夫は小回りの利くスポーツタイプの車が欲しい。
妻は子供たちを乗せるときに乗り降りが楽な車が欲しい。
二台買う余裕も駐車場もないから、一台しか買えない。

片方が「じゃ、私はなんでもいいや」と言えるなら意見を引っ込めるのもアリですが、そうでないなら、二人が納得できる車を納得できるまで時間をかけて相談しましょう。
仕事ではないのですから、締切はありません。二人が合意出来た時がタイミングです。

5.夫婦力とは?

まとめとしては、

  • 夫婦力に必要な要素は、自己開示・心理的安全性・相手へのリスペクトである
  • 3要素を実現するためには、アイメッセージで伝え、お互いどっちもアリと受け入れ合った上で妥協点を探す


ことが重要です。

夫婦力とは、何十年という長い期間を見据えて、自分も相手もどちらも尊重し続ける力、のことではないでしょうか。

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