プラス思考で行こう!解決志向の実践ガイド
自律神経ケアについてのコラム、最終回は「心との関係」についてみていきたいと思います。
心の持ち方、ものの見方が自律神経にどのように影響するのでしょうか。
また、自律神経を整えるためにはどのようなものの見方(認知)を持てばいいのでしょうか。
1.自律神経とは(復習)
自律神経についておさらいしましょう。
怒りや緊張を感じると、体が「臨戦態勢」に入ります。血管が収縮し、心臓の鼓動が早まり、体が熱くなって汗をかきます。呼吸は浅く早くなります。
交感神経が優位になり、脳内ではノルアドレナリンやアドレナリンの分泌が促され、状況に対して「逃げるか戦うか」の選択を迫ります。
瞬間的なものであれば自分を危険から守るために大変有効な働きですが、これが長く続くと、副交感神経の働きが弱まり、体も心も休息出来ません。
血管が収縮し続けると血流が悪くなり、呼吸が浅いことで体内をめぐる酸素量が減ります。腸内環境が乱れ、セロトニンが分泌されず、結果としてメンタルが不安定になってしまいます。
逆に一日中緊張することもなく感情が動くような場面もないまま平穏な環境でだけ生活し続けると、交感神経が働きづらくなり、日中でも集中力が出なかったり、倦怠感が強くなって、効率的に活動することが出来なくなります。
刺激が多すぎるのも無さすぎるのも、自律神経のバランスのためには良くありません。
そして自律神経は、バランスが取れていることが重要なのです。
2.認知が自律神経に影響するとき
認知とは、
「人間などが外界にある対象を知覚した上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程のこと」(wikipedia)
です。
例えば「火」を見た時に火事を連想して恐怖を覚えるか、暖炉などを想像して体が温まる感覚がするか、などです。
人によって千差万別です。
良し悪しというよりも、認知の仕方が極端だと、本人の心のバランスが崩れたり、対人関係で問題を感じやすくなり社会生活がスムーズにいかなくなったりして、デメリットが出てきてしまいます。
認知は感情と密接な関係があります。
火を見て「怖い」と思えば、その人にとって火は「自分を害する要素」で、その場から逃げようとするでしょう。
怖い、と思うのが感情で、自分にとって害だ、と解釈することが「認知」です。
自律神経に直接影響するのは感情です。しかし感情は瞬間的に感じてしまうものなので、変えることはほぼ困難です。
感情から繋がって現れる認知は、やり方を身につけることで変えることが出来ます。
認知の形を変えることで、最初の感情が緩和され、自律神経のバランスが元へ戻っていくことが期待できます。
3.認知を形を変える「リフレーミング」
惠然庵のコラムでも何度も出てきている「リフレーミング」ですが、ここでまたおさらいしましょう。
「リフレーミングとは、ある枠組み(フレーム)で捉えられている物事を枠組みをはずして、違う枠組みで見ること」
です。
「Re-frame-ing」ですから、「frame(枠)」を違うもので「Re(再び)」「ing(行う)」ということですね。
先ほどの「火」の例を使ってみましょう。
「火」は怖い、自分にとって害になるものだ、と認知しています。
しかしほとんどの火は、大きくならなければ人間がコントロールできます。
ライターやマッチの火、ガスコンロやキャンプの焚き火などは、スイッチがあったり、消化するための道具や方法とセットになった状態で使います。
怖いのは想定外に大きくなったり、燃え広がった時です。
ならば、その想定外の状態にならないように管理するスキルを身につければ、自分にとって害になる場面は少なくなります。
むしろ火の怖さを知っているからこそ、火の管理を厳重にしよう、と、気を付けることが出来ます。
そして管理した状態で使う火は、調理、暖房、浄化(神社のお焚き上げなど)、家族や仲間との団欒の場、など、色んな場面で役に立ってくれます。
このように「害になるもの」から「ちゃんと管理して使えば役に立つもの」と認知を変えることで、「怖い」という当初の感情が緩和されます。
怖い=恐怖が緩和されれば、血管の収縮がゆるんで、呼吸がゆっくり深くなり、体中の緊張がほどけます。ゆったりとした姿勢で椅子に座ってお茶を飲んだりすれば、副交感神経が少しずつ活発化します。
同じように、自分を張状態に追い込む要素をピックアップして、「リフレーミング」してみましょう。
4.<練習>リフレーミング
リフレーミング=違う枠組みから物事を見直す、を、練習してみましょう。
1)知らない人がたくさんいる場所が苦手だ
2)予定通り物事が進まないとイライラする
3)あんなに頑張ったのに試験に合格出来なかった
正解も不正解もありません。
思い付いたことは全部正解です。
リフレーミングで大事なのは、「AかBどちらかでなければならない」という固い思考から自由になることです。
「AでもBでもいい」と、思考を柔軟にすることが目的です。
思い付いたことがあれば、SNSやお問い合わせなどで教えてくださいね。
5.<自律神経ケア>まとめ
①自律神経のケアは、水分・呼吸・ストレッチ(運動)
②交感神経と副交感神経は、どちらかが大事、と言うことではなく、双方のバランスが取れていることが必要
③メンタルからのケアのカギは「認知」。認知はリフレーミングで広げていく。
最初にも書いたように、自律神経はこちらが「動かそう」として動いたり止まったりする神経ではありません。
直接コントロールすることは出来ませんが、間接的に影響を与えることでケアすることが出来ます。
そして自律神経が整っていることは、毎日の活動にも、体の健康にも、メンタルヘルスにも役立ちます。
自分のライフスタイルに合わせて、無理がない範囲で取り組んでいきましょう。
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