英検1級道場-苦節24年、英検1級1次試験 1勝71敗 2次試験0勝1敗 秋の合格を目指す
英検1級道場の元受講者で、このコラムの体験記にも何度も投稿してくださっている方から、うれしいニュースが届きました
飽くなき挑戦を続ける姿勢が立派です
ご本人の承諾を得て、下記を紹介します
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1 挑戦を続けよう
英検協会から奨励賞(1級合格3回とスコアを評価)を2024年9月に受賞し、大きな励みをいただいた。しかし、英語学習への挑戦は続いている。
まだ、自分の英語力に満足できない。勉強するほどに勉強していないところも見えてくる。それを克服したい、という気持ちにもなってくる。
2023年12月に3回目の1級合格をした時点で感じていたことがある。それは、英語学習を継続しつつも、英検とは少し違った角度からの取り組みも考えたい、ということである。
2 新制度FTM資格
そう考えていたおり、新制度FTM資格というものに出会った。
FTM=Foreign Language-Speaking Tour Managerの略、 つまり外国語を話す旅行添乗員(旅行ガイド)である。
国家資格の通訳案内士試験をベースにしてはいるが、この新制度は、通訳案内士試験より質の高い試験を目指し、またより高いスキルを身につけた民間ガイドを独自に養成する事を目的に創設された。
資格取得には各自のレベル、既に持っている資格により、必要な講座や試験を受け、認定要件を満たし、積み上げていくようなイメージで、資格認定に近づいていく。
また、1級をトップとしていくつかの級があるので、徐々にレベルを上げていくことも可能である。(詳細は、FTM資格で検索されるとよい)
3 プレゼンテーション審査
幸い、私の場合、いくつかの講座を修了し、必要な試験を受けて、FTM1級認定をいただくことができた。今回、その中で受験した「プレゼンテーション審査」というものをここで紹介したい。
認定までの要件として、英検1級保持は語学の要件に認定される。よって、筆記試験は免除扱いされた。そして、最後の難関(と思われる)が、このプレゼン審査である。
日本の観光地、文化、歴史に関することが出題トピックとなる。そして、1つのトピックに対して、5分間のプレゼンテーションを行い、約5分の質疑応答(インタラクション)がなされる。
1回約10分の面接であり、これを3本行う。30分の面接試験ということである。なお、3本とも違う試験官であり、トピックも変わる。
1回目の(受験)審査会では、プレゼン3本の合計が51.8点(この制度の独自算出)というスコアをいただいた。FTM1級認定は52点であるが、僅かに届いていなかった。さらに3ヶ月間練習を積んで、2回目のプレゼン審査に備えた。
このプレゼンでは、知識偏重型に文化的な情報を並べるのではなく、ホスピタリティーやコミュニケーションを含めたガイディング力が問われている。
つまり、「お客さんを楽しませるガイド」「楽しく情報を与えるガイド」としてのスキルがあるかが、1つの重要観点となる。文法や発音といった観点もあるが、英検1級とほぼ同等のレベルなら問題ないと思われる。
私が、プレゼンを行ったトピックに「箱根ジオパーク」(神奈川県の有名観光地)というものがある。
箱根の観光資源、火山、地形地質及びジオパークの知識をまず固める。その上で、英語にする。さらに、コミュニケーション、インタラクション、ユーモアをプレゼンに含めてみた。
「みなさん、昨晩の温泉はいかがでしたか? ホテルのお食事を楽しみましたか」などと切り出し、「今日は、箱根芦ノ湖の観光船に乗船します」とガイドになりきってスピーチを始めた。
「この遊覧船は、ご覧の通り海賊船です。海賊というと宝物ですが、この船には宝物はありません。この箱根の景色が宝物です。海賊でも盗めません。安心してゆっくりご覧になってください」
「箱根は50万年間も活動している火山です。ある人は、It’s time to retire. 」と言っています。「でも引退されると、温泉がなくなってしまうかもしれませんね。」
「今、私たちは、箱根火山のカルデラ内にいます。箱根火山のど真ん中から、別の火山、日本一の富士山を見ています。火山の中から別の火山、しかも富士山が見みられるVIPシートにいるのです。でも特別料金はいりません」
「ご覧の通り周りにたくさんの山がありますが、ここ箱根にはいくつ山があるかご存じですか?以外と知られていません。
数えてみましょう。One Two Three・・・
一説によるとおよそ50あります。だから、火山博物館と呼ぶ方もあります。こうしたわけで、ジオパーク(地質公園)に指定されているわけです。」
このプレゼンでの試験官が、とても喜んで下さったようで、お客さん役になってくださり、笑顔でリアクションをしてくださった。インタラクティブなプレゼン、ガイディングができた。お陰でとても話しやすく、本当にガイドしている気分で、あっという間に5分がすぎた。
同様の展開で、他の試験官のもとでは、「精進料理」、「秋葉原」というトピックのプレゼンテーションを行うこととなった。
果たして、このようなコミュニケーション型プレゼン(ガイディング)が、どのように評価されるか、興味があった。
結果として、プレゼン審査3本合計で、55.5点をいただき、1級認定のライン(52点)をクリアすることができた。(第1回目受験よりス3.7ポイントアップ。)
「お客さんを楽しませる、インタラクティブに、そしてできればジョークを交える」ことが大切のようだ。私にとっては、やさしいことでない。たくさんシナリオを書いては修正して、他の人に聞いてもらったり、AIに試してみたりするなど、いろいろ工夫はしてみた。
いずれにせよ、これまで学んできた英会話とは違ったタイプの話題を、違ったスタイルで話すことができて、できる会話の幅も広がったと思っている。
4 英検1級は重要なベース
このようなプレゼンを組み立てる、そしてあまり緊張せずにスピーチができたのは、英検1級の勉強によるものだと思っている。
スピーチのスクリプトを書くのは文法力と英作文力、相応しい単語を見つけるのは単語運用力、そして本番でのスピーチとインタラクションは2次面接試験の経験がベースにある。
特に、10分の面接3本は、英検より長く過酷とも言える。また英検とは違い、他の受講生が聞いている前でスピーチする。他の受験生をガイド中のお客さんと考えて話すことになる。
5 見通し、目標
このような挑戦を10ヶ月にわたって行い、認定に至った。では、この資格をどう活かす か。以下は、今後の私の構想(夢も含む)を考えてみたい。
学校で英語教育に携わり、国際交流のプログラムを作る仕事もしている。
昨今、インバウンドにおける教育ツーリズムというものもある。
インバウンドと生徒の交流は、学生は日本にいながらにして国際交流が体験できる。
これまで国際交流というと、交換留学、短期留学、海外修学旅行などが、一般的であった。つまりは限定された期間と生徒しか経験できなかった。
今後はもっと多様な国際交流の方法が生まれてくるはずである。
実際に、私が勤務する学園と提携しているオーストラリアの学校の生徒、教育関係者が、昨今、私の学校に訪問し、国際交流をし、そして、日本観光を楽しんでいる。両国の生徒、スタッフはWin-Win の関係にある。こうした交流はさらに拡大する方向にある。
学校とインバウンドを結びつけ、教育効果と経済効果の両方を生み出せるだろう、と考えている。
多くの若い生徒たちが多くの国の人々と良好な関係を築くことは、長い目で見れば、日本が平和的に発展していく基礎になるはずである。また同時に、英語教育の発展にも当然つながるだろう。
私はこの両者のパイプを構築するためにも、英検1級、FTM資格は大変有効であると考えている。
そして、国際理解、国際教育交流へとつながる英語教育を視野に、私自身の勉強も続けたい。
シニアになった今も、先輩シニアがたくさん頑張っていらっしゃるのを拝見し、私もその先輩たちに負けないように励んでいきたい。
英語科教員
留学カウンセラー
岡田篤
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下記は、上記の筆者がこれまで投稿くださった体験記です。
こちらも、是非ご覧ください。
勇気が出ます!
https://mbp-japan.com/chiba/eiken/column/5173210/←英検から奨励賞
https://mbp-japan.com/chiba/eiken/column/5150091/←英検1級3回目の合格
https://mbp-japan.com/chiba/eiken/column/5116412/←英検1級2回目の合格