英検1級道場-29回目の1級2次試験に合格しました イルチブレイヨガの修練で集中力、記憶力増強!
2021-2 英検1級2次試験に挑戦した受講生から、2次試験の様子をつづった文章が届きました。
投稿してくださった方の了解を得て、実際に受ける方の参考になるよう、掲載します。
今回は残念ながら不合格に終わりました。
前回のコラムでDさんとして紹介しています。
最も期待が高かった方です。
下記の記事を参照ください。
https://mbp-japan.com/chiba/eiken/column/5099637/
改めて本人からの報告を眺めてみると、下記のような組み立てをすれば、評価は違ったのではないかと思われます。
①現代社会において宗教の役割はあると考える
②日本に限定し、自分の仕事と関連することを語るという自分のポジションを明確にする
③日本の学校の現状では宗教観がうすいことを説明する(日本全体としての傾向)
④日本では宗教施設が豊かな観光資源となっていて、教育的意義と文化交流、経済効果という点で、宗教の役割はある。
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英検1級2次試験実況
■試験に向けての準備
・100本程度のトピックの論旨、観点の整理。
これは日本語でもいい。
・100本のスピーチ練習。
暗記はしなかった。即興で2分間で話せるかを中心に練習した。
適切な表現を調べたいときは、翻訳サイトDeepL翻訳を使っていた。
・オンライン英会話で、「自分はこのようなトピックで2分間スピーチをする練習をしている、自分の意見を述べるので、その後質問をして欲しい、反対者の立場で意見を述べてもいい」とリクエストしてレッスンをスタートしていた。25分のレッスンで1−2本を扱った。ただし、この試験に対応している講師はなかなかいないので、希望するレッスンの主旨を説明する、理解してもらう必要がある。それでも相手に話す、意見を述べる、という点では、ある程度の練習にはなる。
・ディクテーションで英語力そのものを高めて行く。
ディクテーションは、時間のかかる方法なので、2次対策と同時展開は少々厳しい。しかし、なんとか週に1本でも行なっておくべきだと考えていた。基礎力を高めつつ、試験対策という形を取りたいと考えていた。また英文の内容が英検トピックと関係するものも多くある。
■受験日 2022年11月23日
■会場 横浜桐蔭大学法学部(田園都市線青葉台駅よりバス13分程度)
■試験に伴う所要時間
受付開始前待ち15分 (到着時刻次第)
受付後の控室30分 (混雑状況次第)
試験室前直前待ち30分 (0分—10分の場合もあり得る)
試験本番10分 (全員同じ条件)
■自宅にて
メールで届いている健康チェックフォームに必要事項入力。体温測定もやっておくとよい。その写真も撮っておくとより信頼してもらえる材料ともなる。
スマホで、スクリーンショットを撮っておく。会場で見せることなる。
多少、自宅で練習をしておくことも大切だと思う。
2−3本プレゼン自主練習。また、オンライン英会話ですぐ相手をしてくれるインストラクターを見つけて、15分程度会話してもらうのも一案。
ここでは、英検トピックまでやる必要はないかと思う。それより会話のやり取りをすることで「英語脳」を一度作っておくとよいかと考えた。自主練習だけだと自分の言いたいことだけを言うことになるが、人との会話だと、質問に答える、それに応じて会話を作り出すことになり、頭をより回転させることになる。目覚まし効果と「英語脳作り」としていい方法かと思う。
といっても、当日の朝は、何かと慌ただしいのが普通。通常の出勤支度より30分多くとっておくことになる。
■持ち物
受験票、筆記用具などの必需品はもちろん、その他で何を用意すべきか。
・飲み物(ペットボトル1本)
水分補給やうがいにも使える。
・飴、口と喉を潤しておこう。
・行きの車内で耳慣らしするための音源 とデバイス。
・ノート、参考書(最低限でいい、必ず復習レベルのもの)
・控室、試験室前で待つ時間が長いことを想定して、暑さ、寒さ対策。
特に、試験室前はただの廊下に椅子を並べてあるだけなので、冬場は足元が寒い。膝掛けがあるとかも。逆に夏は、扇子がいいかと。
・ビニール袋。試験会場についても、受付開始まで建物外で待つことを強いられることもある。適当な座る場所がない場合もビニール袋1枚あれば、大抵の場所に腰を下ろせる。
・予備のマスク
現在、マスク着用で試験をするので、念のため予備を持っていた方がいい。
■会場到着
集合時刻が午前10時15分という指定であったので、9時15分到着を目指したところ、ほぼ同時刻に到着。受付で、10時15分集合指定の方は、9時30分より受け開始という案内を受けた。校舎外でプレゼン練習(ブツブツと声に出す)を数本練習したのち、受付へ。
受付のさらに前に、健康チェックの方がおり、自宅で撮影したスマホのスクリーンショットを見せ、健康確認する。
■受付
受験票、免許証などを見せる。携帯電話の電源を目の前で切るように言われ、その後、専用の袋に入れ、首からかけておく。会場を出るまでそのまま。
ちなみに、集合時間帯によってこの袋の紐の色が違う。
■受付から控室へ
受付で控室の場所を指示される。大教室の控室に入ると、ソーシャルディスタンスで座る位置を指定される。ここで約30分待つ。
待ち時間に、評価シートに受験番号や生年月日など必要事項を記入。2枚同じ内容を記入。2枚で5−8分程度で終わる。このシートは、試験室前で試験直前に回収される。それまで自分で保持。
その後は、ノートを見直す、目を閉じて休むなど、各々の方法で過ごすことになる。トイレはこのタイミングで行っておく。トイレに行くときは、携帯を入れた袋に名前をマジックで書いて、指定の場所においておく。トイレから戻ったらまた受け取る。自分の番が来ると係の人が呼んでくれて、試験室前まで案内される。
■控室から試験室前へ
試験室前に3つ椅子がある。3番目に座る事になる可能性が高い。試験時間一人10分と考えると、最低20分待つ事になる。しかし、途中に試験官の10分休憩が入る場合がある。そのため私も合計30分程度待った。試験官が休憩で部屋から出てくるので、その際に試験官がどんな方かを見るチャンスとなる。たまに、試験官ともう一人のタイムキーパーの日本人が言葉を交わす。何か打ち合わせをする。試験官のことを知る唯一のチャンス。
前の方が終了し、自分の番がくると係の日本人のスタッフの方が、受験票と評価シートを回収する。「20秒ぐらい待ってください」と言われた。すぐこの2つの書類の確認作業が完了すると、ドアを開けてくださり、入室となった。
以下英語でのやりとり。
・おはようございます。
・どうぞお入りください。
・カバンを椅子に置いていいですか?
・いいです。おかけください。
■試験開始
試験官ネイティブ1名男性、日本人女性1名。先のスタッフの方がタイムキーパーとして、近くに座っている。
試験官が自分の名前を言う、その後に、私の名前を言うように指示される。
■一般会話で導入
・「ご自分のことを話してください」日本人。
小学校の教師として30年以上働いています。
理科を中心に教えていましたが、昨今は小学校でも英語学習が盛んになり、英語学習にも関与しています。仕事量が増えました。(笑)ネイティブと子供たちを授業でアシストしています。よって、私も英語力向上を目指して学習中です。そのようなわけで英検受験を決意し、今ここにおります。
・「普段の休日はどのように過ごしていますか」ネイティブ試験官。
フィットネスジムによく行きます。子供たちは大変エネルギッシュなので、負けないように体力づくりを行っています。ウオーキング、ランニング、筋トレなどいろいろやりながらリフレッシュにもなっています。
「トピックカードを表にして1分間で選んでスピーチをしてください。」
大きめのカードで、字もわりと大きく見やすいが、1分で5つのトピックを全て読み理解するのは至難の技。
一番上のトピックをしっかり見て、これで行けそうだと思ったら、他は見ない、もしくは、軽く見ても、1番上より話しやすそうなキーワードが目に飛び込んで来なければ、それ以上見ない。深読みしない。少しでも、1つのトピックに集中して時間を使って論理構成を組み立てたいと考えた。
Do the religion play a role in modern society?
を選んだ。
翻訳サイトDeep L によれば、「現代社会において、宗教は役割を果たしているのでしょうか?」 となる。
■このトピックを選んだ理由と論理構成
1分間の私の頭の中の思考過程を再現。
最初のトピックを見た。「宗教、現代社会、役割」、日頃考えていることあり、自分の守備範囲内で語れるものがありそう。最重要候補、でも次のトピックを見る、
話せそうなキーワードがある、しかし、トピックの文が長い、読みたくない。
他のトピックは、全く語れそうもないものもある。
よし、一番上の「宗教」で行こうと考えた。
↓
難しい世界的な宗教議論にはしない。可能な限り、自分の守備範囲で関わっている宗教の事実を話す。世界の宗教的な話題にしない。日本の宗教だけでも十分その役割があるはずである。自己紹介で教師で30年以上働いていると言っているのだから、教育現場の話をしても違和感はあまりないだろう。実体験と関連させられることはないかを探る。
ボデイは、以下2つにしよう。
↓
・生徒たちは、日本の基本2大宗教、神道と仏教の違いを知らない、初詣でどちらへ行ったかも覚えていない、意識していない。これが現実。日本人としての仏教と神道の基礎知識を教える必要ある、日本文化と歴史の教育として重要な教材としての役割がある。
・日本の寺、神社の多くは世界遺産にも登録され、保存状態もよくたくさんの外国人観光客を魅了し、評価されている。そしてその宗教を、興味を持って学ぼうとさえしている。宗教が日本との文化交流を果たし、その観光客は、関連する買い物もすればホテルにも泊まる、レストランにも行く、経済効果を上げる事につながっている。
すなわち、教育的意義と文化交流、経済効果という点で、宗教の役割はある。
という思考過程が漠然と頭に浮かんだが、これを全て2分で綺麗にスピーチするほどの力は私にはない。
また、試験官が期待する「宗教の役割」と合致するかわからない。
しかし、自分の守備範囲を守る、話を広げすぎない、実体験という観点からは、構成はまずまずできているかと考えた。とにかく話せることを話すしかない、沈黙を作らないためにも、自分の知識と英語力内でできることをやるしかない。
似たようなトピックの練習はしてあった。
「日本に現在でもお寺は必要か。」「寺の保存に投資する価値があるか」
ここでも上記の同じような「論拠」が成り立つ可能性がある。
ここの判断は間違っていはないとは思う。論理構成もなんとか筋をつくれる。
あとは英文が出てくるかである。この時間内で、英文に直している時間などあるわけない、ここは話しながらひらめくしかない。
上記2つの根拠をもとにスピーチ。
こんなに上手に正確に話せてはいない。特に2つ目の根拠の部分は、2分の持ち時間がなくなっているのがわかったのでだいぶ焦って話していたようである。
今思えば、「日本の宗教によって、外国人観光客とのよい交流関係を築いている」という部分がほとんど言えていないような気がする。「経済効果」に主眼を置いた話になったと記憶している。宗教の役割=経済効果 だけだと稚拙感がある。もっと文化交流、より良い国際関係構築の役割を話した方がいい。残念。後からだといろいろ思いが巡る。
I believe that religion plays a role in modern society.
I have two reasons why, such as becoming important educational materials and improving the economy and making good relationships.
Firstly, I often ask my students, ``Did you go to temples or shrines during the new year holidays called Hatsumode? However, most students cannot answer because they cannot tell what is the difference between temples and shrines. Also, they don’t know that Shintoism and Buddhism are basic religions in Japan. Japanese young people should know the basic knowledge of this culture and tradition. This means that religions become important educational lesson materials especially for history and culture. Because of this, religions have an important role.
Secondly, Japan has a lot of temples and shrines. Some of them are designated as World Heritage Sites that attract international tourists. These sites are well preserved and highly evaluated from other countries. These tourists show interest in these assets. Not only that, they try to learn Shintoism and Buddhism. This will make good friendships between Japan and other countries. Also, these tourists go shopping, stay in hotels, which results in boosting the economy.
Improving education and stimulating the economy, religion plays a role in modern society.
Thank you.
Q Why do you need to teach religion to young students? (日本人試験官)
We often go to temples or shrines if we have some prayers such as keep in good health condition, longevity, and pass the examination. Religion is linked to our daily life. We can say that our life is supported by religion. I sometimes tell students like this.
Q What do Japanese people think about different religions such as Christianity? (ネイティブ試験官)
Japanese people accept all religions. They recognize positive aspect of all religions.
Q Religious groups often involve with conflicts, terrorism, how do you solve the problems? (ネイティブ試験官)
Usually, religions are not connected to conflicts. All religions are good philosophies and principles. First, we should accept these positive aspects and have a communication with different religious groups to learn. If we found the differences of principles, we need to talk about accepting these unacceptable points without causing conflicts.
Q Do Japanese religious groups have conflict? (ネイティブ試験官)
Actually, 28 years ago, one of the religious group members detonated chemical bombs on the train in Tokyo, but it was a very rare case. After that there is almost no conflict, violent crime among them. Japan has many new groups that are usually small, they have good principles and good followers.
ぴったり10分で終了し、Thank you very much. Have a nice day.
スタッフにも「ありがとうございました。」
退出後は、控室に戻ることはなくそのまま建物の出口方向へと指示される。
出口付近で、携帯ケースの回収袋があるので自分でそこに入れる。
あとは、バスに乗るなどして帰路に着く。
■受験後
結果に関わらず、自分が話すことは話せた、沈黙は作らなかった。
一方で、自分の話に説得力があるか、期待する内容であるかはわからなかった。
■結果と今後の課題
今回は、合格へは至らなかった。
「プレゼンの流れはある程度できている」と、自分では考えていた。
一方で、最初のプレゼン2分間で、自分の考えは述べたが、十分意図が伝わっていないものと考えられる。
いきなり教育現場の話が出てきている。自己紹介のスピーチで、自分は教育現場で働いていることを述べて入るが、それはプレゼンの共通基盤へとはうまく繋がっていない。
プレゼンの冒頭で、「日本には2つの大きな宗教がある」「仏教と神道を例に挙げて述べる」
「教育現場での宗教の現状をお伝えしたい」などの、話の前提、定義、共通認識づくりのフレーズが必要であったと考える。テーマをしっかり解釈して、基盤作りも必要である。それがコミュニケーションであろう。
「伝える」=「自分の日頃の思いを主張する」ではない。
QAコーナーで最初の日本人試験官からの質問からも、伝わっていないから発する質問と考えることができる。
→今後の対策
練習の時から伝える意識を持って練習する。録音して客観的に聞いてみる。
QAについては、最初に結論を言ってから説明した方がいいかと感じた。
こうして原稿にして見直すと、遠回しに回答している感じがする。期待する答えに即答していないのではないだろうか。
文法のミスも多々あったであろう。書いているときは気づくミスも、必死のスピーチの最中には気づかないことも多い。つまりはこれは会話力が本物でない。
→会話量そのものを増やすことも必要。録音してミスを見つけ、修正したものを練習する。オンライン英会話をも使い、ネイティブに聞いてもらい、伝わっているか、ミスはないかをチェックしてもらう。
ディクテーション、シャドーイングなども併せて行い、正しい表現をより多くインプット、アウトプットし、英語力そのものを磨いて行く。
■全体的に振り返る
最難関の試験であることは間違いない。
わずか10分間の中に、英語を中心にして多種多様な能力が試される。
試験官もまた多様である。しかし、どんな状況であっても本当に力があれば乗り越えられるはずである。そう言った意味でまだまだ研鑽を積んでいきたいし、その必要があると考えている。
私は、これまで英検1級合格、つまりは2次試験合格経験がある。
しかし、それにあまり満足していない。なぜなら、その時は、参考書の模範例をかなり暗記し、それを巧みに使ってスピーチができた。
これは参考書のライターの文が評価され、ライターの方が合格したこととも解釈できる。それでもいいので、一度は合格したかった気持ちもあったと思う。こうした模範は参考にする、真似することも学びの過程で必要かと思う。
しかし、最終的には自分の英語、自分の社会的体験を用いて、自分が作ったスピーチが通用するかを試したい。それで合格をしたいと考えている。現在は、参考書は全く使わず、そのトピックに対して自分の考えを構築して、どれだけ通じるかの挑戦を続けている。現在は、それがまだ未完成、発展途上である。
そうした中で、いろいろな表現を覚え、仕事上の会話においては少しずつ前進していると考えている。試験合格と、業務向上の「二兎を追い、二兎を得る」ことを目指している。