会議効率化:ソフトスキルとは?:今理解したい3つの視点
このコラムは、ビジネスパーソンの方々を対象に書いています。
コロナ禍でVUCA(Volatality、Uncertainty、Complexity、Ambiguityの頭文字)が加速しているように感じます。不安定さ、不確実性、複雑性、不明確さが増しているように感じています。このような環境下で、従業員体験(Employee Experience、EXやEEと略されることがある)を向上させることが大切になっています。
コロナ禍で転職というか会社を変えるビジネスパーソンも増えました。従業員体験を向上させることは、必要な(退職して欲しくない)従業員をつなぎ止めるためにも必要になってきています。
このコラムは、米国 XPLANE社 が2021年3月下旬に開催したウェビナー "Activating Employee Experience" を参照して、従業員体験を向上することの大切さを確認し、従業員体験を向上させるためのワークショップで使えるフレームワークをご紹介し、ワークショップのファシリテーション事例を考察します。
下記の3つの章で構成します。15分程度で読める量です。
私は、ファシリテーションを核としたコンサルティング・サービスを営んでいる個人事業主です。屋号を BTFコンサルティングといいます。BTF は Business Transformation with Facilitation の頭文字をとりました。トランスフォーマーという映画をご存知の方がいらっしゃると思います。クルマがロボットに変身したり、ロボットがクルマに変身したりする映画です。トランスフォーメーション(transformation)とは変身させることです。ビジネス・トランスフォーメーションとはビジネスを変身させてしまうことです。ビジネス変革とも言われています。「ファシリテーションを活用してビジネス変革を実現して欲しい、そのためのお手伝いをしたい」と考え、この屋号にしました。
ファシリテーション。Facilitation という名詞です。「人と人が議論し合意形成をする。この活動が容易にできるように支援し、うまく合意形成できるようにする。」これを実現するためにはどうしたら良いのかという課題を科学的に考え、試行錯誤を繰り返しながら作りあげられた手法、これがファシリテーションです。ファシリテーションをする人をファシリテーター(facilitator)と言います。
1. 従業員体験を向上することの大切さ
コロナ禍の中、ジョブ型になり成果主義に移行する流れがあります。
私のコラム 『働き方:40代50代の方へ:今後直面するスキルギャップへの対応策を考える』 では、下記4つの能力が求められていると書きました。
- 問題を分析し、課題を洗い出し、解決する能力
- 自部門だけでなく、各部門から集まった専門家たちをチームビルディングし、チームで協働する能力
- テクノロジーを活用する能力
- チームとして、メンバーの自己管理能力(回復力、ストレス耐性、柔軟性)を向上させる能力
上記の能力を持っている人を会社に引き留めたい、他社に引き抜かれたくない、このように考える会社が多いようです。
上記の能力を備えている人は大切にされる、ということだと思います。多くの国でこうした動きが強まっています。
ひとりのビジネスパーソンとしては、上記の能力を身につければ、会社に大切にされる、他社からも来て欲しいと言われる、ということではないか、と私は考えます。
このコラムで参照する XPLAINE社のウェビナーでは、XPLAINE社が ADVANCED CONCEPTS AND TECHNOLOGIES INTERNATIONAL社(以降ACT I社) の従業員体験を向上させた事例を説明しています。
ACT I社は他社との競争に勝つために、優秀な人に働き続けてもらうために、従業員体験を向上させる取り組みを始めたそうです。そのパートナーとして選んだのがXPLANE社だったそうです。ベンチマークとして、『働きがいのある会社(Great Place To Work)』 を選んだそうです。
ACT I社のCEOのMichael Niggleのコメントを原文のまま下に添付します。
"Employee Satisfaction remains our top measure of success at ACT I. We know that if we deliver for our people, they will deliver for our customers. In the competitive markets we operate, it was important that we identified ways to both recruit and retain top talent. XPLANE helped drive and measure our success in Employee Experiences - and helped us understand and build out an employee program that led to meaningful results in recruitment and retention. Today, we are Great Place to Work-Certified(TM) and continuing to leverage the insights and expertise from XPLANE to enhance ACT I employees' experiences."
このコラムでは多数の画像を貼り付けます。画像はタップやクリックした後ピンチアウトすることで拡大できます。
2. ワークショップで使えるフレームワークのご紹介
この章では、XPLANE社の BAASE モデルという手法をフレームワークとともにご紹介します。
BAASE モデルは下記の5つのステップで構成されます。
BAASE は、Baseline、Analyze、Activate、Strategize、Executeの頭文字です。
- ステップ1:どこを改善すべきかを特定し、それを基準(Baseline)とする
- ステップ2:基準と現状のギャップを分析し(Analyze)、改善すべき点を優先順位付けする
- ステップ3:従業員体験を向上させる取り組みに従業員が活発に取り組む(Activate)ようにする
- ステップ4:従業員体験を向上させる戦略(Strategize)を従業員と共創する
- ステップ5:実施し(Execute)、評価し、洗練する
では、簡単に各々のステップを見ていきましょう。
いくつか参照情報として画像を添付します。このコラムでは、詳細を理解することではなく、どんなことをしたのか雰囲気を掴むことを目的としますので、英語のまま載せます。
なお、画像はタップやクリックで拡大します。
ステップ1:基準を理解する
ACT I社では独自の社内での従業員満足度の調査を実施していたそうです。
自社と働きがいのある会社(Great Place To Work)のベストな会社と比較してどこを改善すべきかを特定するというアプローチをとったそうです。
下図のオレンジ色でハイライトされているところが改善の余地があるところです。
ステップ2:基準からのギャップを分析し、改善すべき点を優先順位付けする
このステップでは、3つのフレームワークを活用して、従業員体験を見える化し、分析します。
- 従業員体験ジャーニーマップ(Employee Experience Journey Map)
- 誰が何を理解し何をするのか(Who/Do)
- 共感マップ(Empathy Map)
従業員ジャーニーマップ
下図が従業員ジャーニーマップの例です。ビジネスパーソンとしての生涯を旅(ジャーニー)と見立てて、旅を見える化するために使うフレームワークです。横軸にビジネスパーソンとしての人生を書きます。縦軸にビジネスパーソンとして体験したことを書きます。
従業員体験ジャーニーマップ(Employee Experience Journey Map)の見方を簡単に説明します。
横軸に、下記のビジネスパーソンとしての人生を書いています。
- 入社前の採用期間
- 新人研修期間
- 仕事に必要な知識やスキルを獲得するトレーニング期間
- 仕事をしている期間
- 褒賞を受けた時
- 職務や役職が変わった時
- 休職期間
- 退職
縦軸に、下記のビジネスパーソンとして体験したことについて書いています。
- 接点(節目節目での出来事)
- 感情(幸せ、普通、悲しい)
- 必要だったこと(例えば、感情が「悲しい」かった時に何が必要だったのか(解決方法を書くのではなく、必要だった物・ことを書く))
- 洞察(必要だったことから導かれる洞察を書く)
- 機会(例えば、洞察から導かれる「何をすれば・何があれば悲しまずに済んだのか」を書く)
誰が何を理解し何をするのか
- まず、従業員体験向上の取り組みをする上で、誰が関わるべきかを洗い出します。例えば、意思決定をする人、何かを実施する人、連絡を受け取る人、などです。
- そして、各々の人がその役割をする上で理解すべきことを洗い出します。
- 次に、各々が理解したという前提で、各々の人が何をするべきかを書き出します。
フレームワークが埋まったら、何が一番重要なのか、誰が真っ先に行動すべきなのか、二番は何か、優先順位を付けます。
共感マップ
共感マップは、あるペルソナを決めて、そのペルソナについて下記の観点から見える化するフレームワークです。
- 考える・感じる:何を考えているのか?どう感じているのか?
- 見る:何を見ているのか?
- 聞く:何を聞いているのか?
- 言う・行動する:何を発言するのか?何を行動するのか?
- 苦痛:どんな苦痛があるのか?
- 獲得:何が獲得できるのか?
詳しくは、『会社の会議:ファシリテーションでどう変わる?:共感マップ(考える・感じる)』 などでわかりやすく説明しています。
ステップ1で改善すべき領域が見えているのですから、ステップ2は改善すべき領域を重点的に分析し、優先順位を付けるべきでしょう。
ステップ3:従業員体験を向上させる取り組みに従業員が活発に取り組むようにする
活発に取り組むようにするためは下記の2つのことが必要です。
- 組織全体が従業員体験を向上させる取り組みのビジョンと戦略を達成するよう調整する
- 従業員が施策を共創し実施するということに積極的に参画する
このステップで活用するフレームワークは下記3つです。
- 活性化曲線(Activation Curve)
- 活性化計画(Activation Roadmap)
- 活性化のための要素(Activation Building Blocks)
活性化曲線
従業員体験を向上させる取り組みを実施する上で、ステップ2で洗い出した利害関係者について、どのように進捗したのか、今どの段階にいるのか、を見える化する曲線です。
活性化計画
活性化曲線は各利害関係者について見える化したものです。活性化計画は、今後◯◯ヶ月の間で誰にどんなコミュニケーションをするのか、下記の3つの観点から見える化するためのフレームワークです。
- 認知(Awareness)
- トレーニング(Training)
- 施策の展開と展開後のサポート(Go Live & Support)
一つひとつのアイコンに対して、具体的に何をするのかを記述しておくことは大切でしょう。
また。吹き出しでチェックポイントで確認することを書いています。
活性化のための要素
これはフレームワークというよりも部品と言う方が正しいかもしれません。活性化計画で使えるアイコン集です。
ステップ4:従業員体験を向上させる戦略を従業員と共創する
今までのステップでわかってきた改善すべきホットスポットに焦点を当てたワークショップを開きます。
「私たちはどのように改善できるのか」をブレストします。
- まず、短期的な成果があがる比較的に簡単な施策(Quick Hits)と、長期的な成果を上げるための施策(Initiative)を区別します。
- 次に、施策の優先順位付けをします。
- そして、次のステップ(施策実施計画や施策のパイロット実施など)を議論します。
このステップでご紹介するものは下記の3点です。
- ワークショップのアジェンダ例
- 8つの次元フレームワーク
- 施策追跡シート(Initiative Tracker)
ワークショップのアジェンダ例
8つの次元(切り口)フレームワーク
下記8つの次元(切り口)について、現在の状態を5段階評価します。
- 組織構造(Structure)
- 人財(Talent)
- システム、ツール(Systems, Tools)
- 文化、価値(Culture, Values)
- プロセス(Process)
- ビジョン、ミッション、戦略(Vision, mission, strategy)
- 知識、スキル、心構え(Knowledge, skills, Attitude)
- 行動(Behaviors)
将来の状態を考え、何を変えるのかを各次元の四角の中に記入します。
施策追跡シート
1つの施策につき1枚作ります。
下記の7つの観点で施策を見える化します。
- 状態(Situation):施策が何に対処し、何を解決し、何を変えるのかを記入します。
- ミッション(Mission):施策が達成すべき目標を記入します。
- 戦略と行動計画(Strategy & Action Plan):どのように目標に到達するのか行動計画を記入します。
- リーダーシップ(Leadership):施策の責任者と、施策を実施するチームメンバーを記入します。
- リスク(Risk):予想されるリスクと、どのようにリスクを軽減する計画なのかを記入します。
- 資源(Resources):どんな資源(人・モノ・金など)が必要なのかを記入します。
- 進み具合(Status):施策の進み具合を記入します。どんな支援・サポートが必要なのかも記入します。
ステップ5:実施し、評価し、洗練する
施策を実施し、進み具合を評価し、振り返り、施策実施のやり方を洗練します。
このステップで活用するものは下記の3点です。
- 施策ダッシュボード(Initiative Dashboard)
- 施策追跡シート(Initiative Tracker)
- ガバナンスモデル(Governance Model)
施策ダッシュボード
施策追跡シート
ダッシュボードが全体を見える化するのに対し、追跡シートは各々の施策について見える化します。
施策追跡シートはステップ4で説明しましたので、ここでは説明を割愛します。
ガバナンスモデル
施策の実施状況を管理監督するものです。
以上、BAASEモデルについて簡単に説明しました。BAASEモデルで大切なことは「やり続ける」ことです。
ACT I社の事例では、2018年から2019年で1回BAASEを回しました。
1回目を評価し、振り返り、より良いやり方で、2019年から2020年で2回目を回しました。
そして、2020年から2021年で3回目を回し、目標に到達したそうです。
3. ワークショップのファシリテーション事例に対する考察
2章では、ACT I社がXPLANE社と共同して従業員体験を向上させる施策を、BAASEの5つのステップを踏みながら実施した事例を見てきました。
添付した画像からお分かりいただけるとおり、各ワークショップではフレームワークを活用して議論を進めています。ワークショップではフレームワークを埋めるという作業を行います。書き込まれたフレームワークがワークショップの成果物となります。ほとんどのフレームワークはXPLANE社が作ったものです。
人が互いにコミュニケーションし始めたのは約3万年前だそうです。言葉を使い始めたのは3700年前だそうです。つまり人類のコミュニケーションの歴史のほとんどの時代は言葉がなかった、ということです。言い換えると、ビジュアルな情報でコミュニケーションを取っていた時代がとても長かった、ということです。
(参照:"Do Visuals Really Trump Text?")
頭脳の感覚神経の75%は視覚に使われているそうです。
画像は言葉よりも記憶に残るそうです。前の段落の人類のコミュニケーションの歴史を考えると、ヒトの脳がそのように進化しているということに頷けます。
3日後に覚えている確率は、文字と画像の場合は65%、文字のみの場合は10%だそうです。言葉のみはどうなのでしょう。書かれていなかったのでわかりません。多分よほどインパクトの強い言葉でなければ忘れ去られてしまうのでしょう。
(参照:"What Is Visual Thinking?")
これらの科学的知見から導き出されることは、ビジュアルな表現をもっと取り入れた方が良いだろうということです。
XPLANE社がワークショップでフレームワークを活用して、ビジュアルな表現を用いて議論を見える化している理由には、こうした背景があるのだろうと思います。
今回は従業員体験を向上する施策について見てきました。今回ご紹介したフレームワークは他のテーマのワークショップにも使えそうですね。
フレームワークはこのまま使えば良いというものでもありません。カスタマイズが必要になることが多いです。
例えば共感マップ。ペルソナを飲食店のお客様とするならば、料理を楽しむ時に鼻で匂いを嗅ぐ、ということも必要でしょう。さらに、口と一般化するのではなく、歯での噛みごたえや、舌で味わう味覚、など詳細化する必要もあるでしょう。
ACT I社の従業員体験を向上する取り組みのように、「何か既存のものを変える」という取り組みに対しては否定的だったり懐疑的だったりする意見や態度をとる人たちがいます。ある意味正直な声と言えるかもしれません。変わることに抵抗を示す人は多いです。
XPLANE社のウェビナーでは、リーダーシップチームと言っていましたが、施策を引っ張っていく上層部の人たちの決意と情熱が必須でしょう。さらに施策を実施するチームメンバーにもリーダーシップは求められます。
リーダーシップとは、職場のチームで目標に向かって協働し、目標を達成することを成し遂げる力です。目標を達成するよう働きかける力とも言えます。
リーダーとは、役割や職責であり、具体的には主任、課長、部長などです。
リーダーシップは、リーダーの職責を担う人だけに求められる能力ではなく、チームの目標を達成するために活動している従業員一人ひとりに必要な力といえます。
既存の何かを変える、言い換えると変えることに挑戦するためにはリーダーシップが必須です。
1つのキーワードは「信頼」だと思います。ACT I社の事例では、BAASEを3回まわしました。適宜進み具合を確認し、振り返り、より良いやり方に洗練するというサイクルを回し続けています。これは小さな成功体験を積み重ねていくアプローチであると言うことができます。初めは小さな成功体験であっても、いくつか積み重ね続けることで、雪だるま式に信頼を醸成することができる、と私は考えます。
ファシリテーターの役割をワークショップや会議を設計し、意見を引き出し、かみ合わせ、まとめる、ということに限定してしまうと、今回の事例のようなXPLANE社のような役割はこなせません。
私は、ファシリテーターの役割について、もう少し拡大解釈して、今回のXPLANE社が果たした役割のようなところまで拡大すべきだ、と考えている者です。それができるようになるために、初めは単体の会議やワークショップのファシリテーションから始めるべきだと思います。単体の会議やワークショップのファシリテーションができるようになると、少しずつ幅を広げていくことが求められると思いますし、自らもそのように行動すると思います。
例えば、会議やワークショップの進め方や参加者人選に関して、誰かに説明したりする場面も増えてくることでしょう。
スキルの観点では、ファシリテーションだけでなく、ソフトスキルに広げていくことが必要になってくると考えます。
ソフトスキルとは、ファシリテーション、コミュニケーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、チームビルディングなど対人系のスキルです。
1章の冒頭に、会社に引き留めたい、他社に行って欲しくない人の能力として、下記の4つをあげました。
- 問題を分析し、課題を洗い出し、解決する能力
- 自部門だけでなく、各部門から集まった専門家たちをチームビルディングし、チームで協働する能力
- テクノロジーを活用する能力
- チームとして、メンバーの自己管理能力(回復力、ストレス耐性、柔軟性)を向上させる能力
ソフトスキルをリアルな仕事の場で研鑽することは、上記の能力を身につけることにつながる、と私は考えます。
なお、コラム冒頭に添付した画像は対面形式で実施しているワークショップの様子です。コロナ禍でオンラインでのワークショップが必要になっている会社は多いと思います。
会議室で対面で開催するワークショップの場合、このコラムの事例で紹介したようにブレインストーミングをしてアイデア出しをする場合が多いでしょう。オンラインのワークショップであれば、もっと効率の良いワークショップ運営ができる可能性があります。
人はフワフワした固まっていない考えを持って会議に参加することが多いです。ブレインストーミングは、その時はハイな気持ちになって「やった感」を感じることができます。一方、ワークショップが終わってから「もっと良い考えがあったな」と思い返すことがあります。
私は無料のランチョンセミナーを開催しています。参加者の方の中には、そのように感じた体験をお持ちの方々もいらっしゃいます。
打ち手はあるのか。
ひとりで「考える」時間を持つことは大切です。
『会社の会議:オンライン会議のファシリテーション:デジタル技術を活用するマインドセット』 に書いたように、リアルタイムで時間的に同期を取って協働する場面と、時間的に同期せずに(非同期で)協働する場面を「設計」することは大切です。ワークショップや会議は事前の設計で成功するか否かが決まります。
何を言っているかというと、オンラインはアイデアを同期せずに出すことが可能なのです。事前に miro や MURAL などのクラウド上のホワイトボードにアイデアを貼り付けることが可能です。パワーポイントやGoogleスライドなどのツールもオンラインで各自がアイデアを書き込むことが可能です。例えて言うならば、社内に一定期間自分たちのチーム専用のプロジェクトルームやウォールームを持つことができて、いつでもホワイトボードやフリップチャートやスライドにアイデアを貼り付けることができるような感じです。
こうすることで、リアルタイムで時間的に同期を取ってオンラインのワークショップで時間を共有して議論する前に、ひとりで沈思黙考することができます。自分の考えを整理し洗練させることができます。実は、自分の考えを持って会議に参加することで、議論の質が上がり、会議時間の短縮につながることが多いのです。
同期と非同期の力を活用することができるようになったチームは、協働の質が大きく上がることでしょう。
少し前の段落で「オンラインのワークショップは効率的な運営ができる可能性がある」と書きました。その可能性を上げるためには、それができるファシリテーターが必要です。誰でもできるというものではありません。(誰でもできる程度のことであれば苦労しません。言い換えると、ACT I社はXPLANE社にお金を払う必要はないのです。ACI I社自身でワークショップをデザインし実施すれば良いのですから。)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。