5Sチェックシートのあり方
生産技術の業務の中に公害防止管理者としての振動対策があります。振動対策にもいろいろありますが、ここでは特に、工場、事業場に設置されている設備の公害防止(振動)対策を主体とします。
公害防止のための 振動対策(Pollution Prevention Measures Vibration Countermeasures)として、振動規制法では、機械プレスや圧縮機など、著しい振動を発生する施設であって政令で定める施設を設置する工場・事業場が規制対象となると規定されております。
上記の法的根拠はともかく、設備を扱う作業者、工場内の他の従業員、近隣の住民等が不快と感じることの無いように処置をすることが重要なので、ここでは技術的な側面から振動対策の基本について述べることを念頭に置きます。
当生産技術コンサルタントの実務経験としては、各種プレス機やバレル研磨機などの振動発振設備や、耐久試験装置等での対策がほとんどですが、基本的な対策手順は同一なので以下にその対策内容について説明します。
(1)作業環境測定;屋内作業場における作業環境測定
①振動がどのように周辺に影響しているか確認する。
(振動影響の確認)
②どこで、どの振動が、何時ごろ、どの程度発生しているかを確認する。
(振動状況の確認)
③複数の振動源がある場合は、どれが大きな影響を与えているかを確認する。
(振動源の確認)
(2)振動防止対策;
騒音防止対策と同様に、以下の3つのいずれかの対策、または組み合わせの対策が必要です。これら3つの対策のうち、一般的には、振動発生源対策が最も効果的です。
①振動発生源対策
②伝搬経路対策
③作業者側の対策
①振動発生源対策:振動の発生を低減させる。
・低振動の機械を使用する。
・機械の振動が原因になっている場合、作業台や機械の下に防振ゴムを敷 く。
②伝搬経路対策:発生した振動の伝搬を低減させる。
・距離による対策地層や土質などにより影響を受けるため、騒音の距離減衰に比べて複雑です。距離が2倍になると約6デシベル減衰します。
・障害物の設置による対策建物などの大型重量物を振動源と受振点との間に設置します。一般に、大型である方が効果があるといわれています。
③作業者側の対策
・振動の出る機械を遠隔操作する。
以上、実際の振動対策の方向性について、支援・指導することを生産技術コンサルティング対象とします。
(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/vibrationcountermeasures