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菅又蒼圭美プロは山梨日日新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

現場スタッフのモチベーションを上げるには

菅又蒼圭美

菅又蒼圭美

テーマ:モチベーションは内側から

こんにちは。ホスピタリティコンサルタントの菅又蒼圭美です。

現場スタッフを多く抱えるオーナー様、
人事教育担当者様にとって、
スタッフのモチベーションを維持し、
良いサービスを提供して貰う事は
切実な願いです。

モチベーションとひと言で言っても、
何によってモチベーションが上がるのか、
人により、状況により千差万別です。
ここで、1つヒントになるのが
モチベーション理論です。
作家でありビジネス思想家の
ダニエル・ピンクが提唱した
モチベーション理論に

「モチベーション3.0」

があります。以下に簡単にご紹介します。

3.0、というからには、1.0、2.0があるのでは?→その通りです。
1.0は「生存」です。生存するためのモチベーション、つまり、
食事をする、外敵から身を守る、子孫を残す、ためのモチベーションです。
2.0は、報酬や罰による「外発的動機付け」です。給与を得るために仕事する、
叱責されないように作業を急ぐ、
などがこれにあたります。

それでは、3.0を見ていきましょう。
従来の外発的動機付け(報酬や罰)を
重視した「モチベーション2.0」
に代わり、
内発的動機付け(自分自身の内なる欲求によって行動を促進するもの)
に焦点を当てた新しいモデルです。
モチベーション3.0は、特に知識労働や
創造的な仕事において
効果的とされていますが、接客サービスにも応用できるポイントがあります。
それぞれを具体的に見ていきましょう。

モチベーション3.0の3つの要素

1.自律性(Autonomy)
自分の仕事や行動において
選択の自由や自主性があること。
つまり、どう仕事を進めるか、
どのように目標に到達するかを
自分でコントロールできることが人の
モチベーションを高めます。
2.熟達(Mastery)
自分のスキルや知識を向上させ、
専門性を高めることに喜びを感じること。
成長し続けることや、
できなかったことができるようになる
プロセスが人をやる気にさせます。
3.目的(Purpose)
自分の仕事が、他者や社会にとってどのような意味や価値を持つのかを
理解すること。
自分の役割が大きな目的に貢献していると
感じることで、
モチベーションが高まります。

接客サービスにおけるモチベーション
3.0の応用

接客サービスにおいて、
この理論を応用することで、
スタッフのやる気や顧客対応の質を
向上させることが可能です。
以下の具体的な方法で、
モチベーション3.0の要素を
取り入れることができます。

1. 自律性(Autonomy)を与える
接客業では、スタッフがその場で
状況を判断し、
柔軟に対応できることが求められます。
自律性を与えることで、
スタッフはより責任感を持ち、
主体的に行動することができます。
お客様として利用した時にも、
スタッフさんの裁量が感じられると、
心地良いし、楽しいですよね。

柔軟な接客スタイル:
一律のマニュアル対応だけでなく、
顧客に合わせた柔軟な対応を許容し、
スタッフが自分の判断で最良のサービスを
提供できるようにします。
スタッフさんにより、ばらつきは出ますが、優秀なスタッフさんが周囲に際立ち、
一目置かれる存在となるでしょう。
彼らをつなぎ止める為にも得策であると
言えるでしょう。

シフトの柔軟性:
シフトや勤務時間について、
可能な範囲でスタッフに
選択肢を与えることで、
仕事への自律性を感じてもらいます。

2. 熟達(Mastery)の機会を提供する
接客マナーは比較的、熟達は早く、
効果も絶大です。
スタッフが自分の接客スキルを向上させ、
成長を実感できる環境を整えることで、
短期的・長期的なモチベーションを
引き出します。

スキルアップ研修:
接客技術やコミュニケーションスキルの
向上を目的とした
研修やトレーニングを定期的に提供し、
スタッフがプロフェッショナルとしての
能力を高められるようにします。
目標設定とフィードバック:
個々のスタッフに明確な目標を設定し、
それに対する定期的なフィードバックを
行うことで、成長の実感と
達成感を感じてもらいます。

3. 目的(Purpose)を明確にする
スタッフが、自分の仕事が企業や
社会にどのように貢献しているかを
理解することは、
日々の業務に意味を見出すために
重要です。
特に接客業では、
自分の仕事が顧客の体験や
幸福感に直接影響を
与えることを実感できると
モチベーションが高まります。
会社の業績や、経営情報を開示して、
自分事として考えてもらう事も
効果的でしょう。

会社のビジョンやミッションの共有:
企業がどのような社会的意義を持ち、
顧客にどのような価値を
提供しているのかを、
スタッフにしっかりと
伝えることで、仕事に対する
目的意識を高めます。
また、業務マニュアルや作業手順に、
経営理念の行動化を盛り込むことも
大切です。
スターバックスコーヒーの研修は、
お客様との会話や、
心遣いについての研修を、
バイトさんにも実に
80時間行っています。
手順を徹底的に簡素化しているので
その分、対人研修に時間を割けるとも
言えます。

顧客のフィードバックを共有:
ポジティブな顧客の声やレビューを
スタッフと共有し、自分の仕事が顧客に
喜ばれていることを感じてもらいます。
レビューは、ネガティブレビューの
分析に時間を割くと言うよりも、
お褒めに見えても、
もっと出来ることがあったのでは、
と言う視点で見ることが大切です。

以上のように、
モチベーション3.0の理論は、
接客サービスにおいてこそ効果的に
応用できます。

●自律性を高めることで従業員に
柔軟性を持たせ、
●スキルアップの機会を提供することで
成長を促し、
●目的を明確にすることで
仕事の意義を感じさせることが、

スタッフのモチベーションを持続させ、
顧客に質の高いサービスを提供する
基盤となります。
このアプローチは、
結果として顧客満足度の向上や、
スタッフのエンゲージメントの強化に
つながるでしょう。

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菅又蒼圭美
専門家

菅又蒼圭美(研修講師)

株式会社グリーンフォレスト

27年間ANA国際線チーフパーサーとして培った接遇ノウハウを伝える。内容が分かりやすく実践的と好評。お客さまの反応がみるみる変わる「接遇&おもてなし研修」やCAの経験に基づく「女子力アップ研修」が人気

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