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【医師監修】 過眠に悩んでいるあなたへ~その原因と対処法~

坪田聡

坪田聡

テーマ:眠気・過眠症

眠気・デスク・パソコン
「いつも眠い」「昼間も眠くてしょうがない」 そんな経験はありませんか? 十分な睡眠を取っているはずなのに、日中も強い眠気に襲われる状態を「過眠」といいます。今回は、過眠の原因となる病気や、その対処法についてご紹介します。

■過眠とは?

過眠は、夜間十分な睡眠をとっているはずなのに、日中に強い眠気が出現し、居眠りしてしまうなど、日中に目覚めていられなくなる状態を指します。日常生活に支障をきたし、仕事や学業の効率低下、さらには事故につながる可能性も考えられます。

■過眠を引き起こす主な病気

過眠の原因となる病気は様々です。代表的なものとして、以下のものが挙げられます。

・ナルコレプシー:突然強い眠気に襲われ、意識を失ってしまう発作が特徴です。
・特発性過眠症:原因不明の過度の眠気が特徴です。
・睡眠時無呼吸症:睡眠中に呼吸が何度も止まり、日中に強い眠気が生じます。
・うつ病:強い疲労感や意欲の低下を伴い、過眠になることがあります。
・甲状腺機能低下症:体の代謝が低下し、だるさや眠気を感じやすくなります。

■過眠以外の症状

過眠以外にも、それぞれの病気で特徴的な症状が現れます。例えば、ナルコレプシーでは、レム睡眠時の現象である入眠時の幻覚や睡眠麻痺などがみられることがあります。睡眠時無呼吸症では、いびきや昼間の頭痛、集中力の低下などがみられます。

■検査方法

過眠の診断には、問診や睡眠日誌の記入に加え、睡眠ポリグラフ検査多睡眠潜伏期検査(MSLT)などが行われます。睡眠ポリグラフ検査では、脳波、眼球運動、筋肉の活動などを測定し、睡眠の状態を詳しく調べます。多睡眠潜伏期検査(MSLT)では、昼間に何度か眠気を誘発し、その時の脳波を測定することで、ナルコレプシーの診断に役立ちます。

■主な治療法

過眠の治療法は、原因となる病気によって異なります。

・ナルコレプシー:神経刺激薬や睡眠薬などが用いられます。
・睡眠時無呼吸症:CPAP(持続陽圧呼吸療法)という装置を用いて、睡眠中の呼吸を補助します。
・うつ病:抗うつ薬や心理療法が用いられます。
・甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモン剤が用いられます。

■自分でできる対処法

病気の治療に加え、以下の点に注意することで、過眠の症状を改善できることがあります。

・規則正しい生活:毎日決まった時間に寝起きし、昼寝は短くする。
・快適な睡眠環境:寝室を暗く静かにして、快適な温度に保つ。
・カフェインの摂取を控える:コーヒーや紅茶、エネルギー飲料などは、睡眠を妨げる可能性があります。
・適度な運動:軽い運動は、睡眠の質を向上させる効果が期待できます。

■まとめ

過眠は、様々な病気によって引き起こされる可能性があります。もし、日中に強い眠気に悩んでいる場合は、一人で悩まずに、医療機関を受診することをおすすめします。


雨晴クリニックでは、過眠の方の診療を行っています。どうぞお気軽にご相談ください

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坪田聡
専門家

坪田聡(医師)

雨晴クリニック

不眠症など睡眠障害の治療に30年以上携わり、快眠に関する正しい知識の普及に力を入れています。コーチングによる生活習慣の見直しから枕の選び方までサポート。メディア出演や著書、セミナーの実績も豊富です。

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