都市部の副業人材と地方をつなぎ、地域企業の新たな価値創出を後押し（2/3）

衣類のお直しやリメイクサービスなど、地域企業とコラボしたサービスも

　食品やアパレル、モビリティなど幅広い業種をサポートしてきた神谷さん。岩手県大槌町では、〝害獣〟として狩猟されるシカのジビエ肉の販路拡大、認知度アップのため、WEBサイトやECサイトを立ち上げました。また、福島県の鮮魚店では、これまで捨てていた〝魚のあら〟を利用した、だしを商品化するべくクラウドファンディングの企画運営を担当。目標を上回る支援金を獲得しました。

　「もともと身を置いていたアパレル業界で大量生産・大量消費に疑問を感じ、廃棄物を適切に再利用するサーキュラーエコノミー（循環型経済）の考え方に共感しています。環境に配慮した持続性の高い取り組みに関われることは大きなやりがいです」

　思いを形にした事業の一つが、オンラインで衣類のサイズ調整を請け負う「fitu（フィッツ）」です。岐阜県にある、衣服のお直しなどを手掛ける企業と連携し、ユーザーが他社のECサイトから購入した商品を直送できる体制を整え、利便性を高めました。
　2023年4月には、埼玉県の企業とタッグを組み、個々の要望に合わせて思い出のある衣服をリメイクするサービス「fitu by NINI（ニイニ）」も始動しています。

　「アパレル・繊維産業は、国連貿易開発会議（UNCTAD）から〝世界2位の環境汚染産業〟と指摘されるほど、大量廃棄が問題になっています。『裾上げが面倒でタンスに眠ったまま』『サイズが合わなくなって着られない』などの理由で、捨てられる服を減らしたいですね」

＜次ページへ続く＞

【次ページ】副業・兼業人材と地域の企業をつなぐ橋渡し役としても活動を広げたい

次のページへ