【リーダーシップ】管理職が持つべき「情熱」とは何か?エネルギー言語化の6要素 [リーダーシップ②]

弥左大志

弥左大志

テーマ:リーダーシップ

エネルギーがあるリーダーになりたいが、うまく伝えられない…

管理職や経営層としての責任が増す一方で、「メンバーを引っ張っていきたい」「月末に無理をさせたい」「高い成果を出したい」という想いはあっても、エネルギーをもってそれを伝えるのが難しいと感じる場面は多いのではないでしょうか。
また、「自分のエネルギーをどう言語化してよいか分からない」という声も現場で頻出しています。
会社の目標を、自分の目標として重ねることができていない管理者・リーダーが多いのです。
リーダーシップに必要な“情熱”や“推進力”は、属人的な要素と捉えられがちですが、実は再現可能な要素です。
多くの管理職が失敗するのは、エネルギーを言語化できず、自らの価値観や目的意識が曖昧なままチームを動かそうとするためです。

本質的な考え方・再現性あるフレームワークの提示

フレーム1:ENERGY(エネルギー)とは?

理想的なリーダーとは無限とも思えるエネルギーを持ち、強い行動欲を備えた人物であり、変化を歓迎し、ゲームのスリルを愛する存在です。 —— ジャック・ウェルチ


フレーム2:エネルギーの言語化

エネルギーの高い管理職は、自分自身に問いかけ、メンバーへ発信をしています。

  1. あなたが目指す山の高さは?
  2. なぜ、その山を登るのか?
  3. 登頂した日の情景は?

この問いに答えられることが、エネルギー言語化における再現性の第一歩となります。

フレーム3:エネルギーの信憑性

「高い目標を達成したい」と口にしても、周囲が本気と感じなければ動きません。だからこそ、過去と未来のストーリーを語ることが「本当に達成したいんだな」と思わせる力になります。

(参考)エネルギー言語化サポート:今までの人生をどう捉えるか(ルーツ・転換点)

過去の人生を振り返り、嬉しかった出来事・嫌だった経験を曲線化するライフウェイクを通じて、自身のルーツや転換点を言語化します。

  • ★:人生を変えた経験(価値観の転換)
  • △:嫌だった経験(葛藤・反発)
  • ◯:嬉しかった経験(成功・喜び)

過去の経験の中で、★の数が多いほど、管理者・リーダーとしての原体験が強固になります。

(参考)エネルギー言語化サポート:人生の目的を考える(個人ミッション)

自分の葬儀を想像し、どんな人に何を語ってほしいかを考えることで、個人としての使命や価値観を明確にします。

実践ステップ(具体的事例を使って読み解く)

Step1:あなたが目指す山の高さは?

  • 「教育によって、人の人生が大きく変わる瞬間に立ち会い続けたい」

その人物が目指しているのは、単なる部署目標の達成ではなく、社会的に影響力のある教育モデルの確立です。本人にとっての“山の高さ”とは、自分のチームや会社だけでなく、「人の可能性が広がる仕組みを世の中に定着させること」。その視点に立つと、日々のマネジメントも“仕組みを担う一手”として意味づけられます。

Step2:なぜ、その山を登るのか?

  • その動機の源泉には、「悔しさ」と「救われた経験」があります。かつて、ある指導者に“人として真正面から向き合ってもらった”ことで人生の方向性が変わった経験。今度は自分が、誰かにとっての「転機」となりたい。

だからこそ、「一人でも多くの人を変える教育」を仕組みとして持ちたいという願いに繋がっています。

Step3:登頂した日の情景は?

  • 「仕組みで人が変わる」「本人も気づいていなかった可能性が引き出される」そんな教育モデルが自社内だけでなく、他企業や教育機関にも活用され、多くの人の“人生の転機”になっている情景。本人はそこに立ち会い、支援者として、ファシリテーターとして全国各地を飛び回っているイメージを描いています。

「社会の仕組みに影響を与えられている」――これが、その人が“登頂した瞬間に見ている世界”です。

Step4:ルーツ(幼少期~思春期)

  • ルーツは、「野球がうまくできなかったこと」や「病気で試合に出られなかった経験」。

結果だけで判断される悔しさ、自分の存在価値を問われるような感覚を通じて、「努力しても報われない人の気持ち」に寄り添える力が培われました。また、部活動で技術力に劣るチームを率いた経験は、「周囲を巻き込みながら成果を出す」という、後のリーダーシップの原点になっています。

Step5:転換点(人生を変える出会い・経験)

  • 大学時代に出会った教育事業が大きな転機でした。理念に惹かれて飛び込んだ世界で、「教育によって、人の未来が変わる現場」に何度も立ち会うことで、「自分の人生は“誰かの人生を変える”ためにあるのかもしれない」と確信。

以来、単なる職業や業務を超えて、「生き方」として“教育”にコミットし続けています。

Step6:個人ミッション(使命の言語化)

  • 「人の可能性を信じ、その変化を支援する仕組みをつくる」

これが、本人が掲げている個人ミッションです。
ただ一人で変えるのではなく、「仕組みで変える」ことを大切にしているため、組織づくり、マネジメント、育成においても再現性・汎用性を強く意識しています。「人が変わる瞬間に立ち会いたい」その情熱が、日々の言葉と行動に宿っています。
このような言語化がされることで、自らのエネルギーを言語化でき、自らの価値観や目的意識を鮮明に持った状態でチームを動かすことができます。

実践に向けた7つのチェックリスト

  1. □あなたのエネルギーは、言語化できていますか?
  2. □目指す山の高さを言葉にして、日々の言動で伝えていますか?
  3. □なぜその山を登るのか、過去の原体験を語れますか?
  4. □登頂した情景が、目に浮かぶほど具体的に描けていますか?
  5. □過去の「転機」や「葛藤」を、今の支援や使命に結びつけていますか?
  6. □チームや部下に、自分の情熱が届いている実感がありますか?
  7. □メンバーのエネルギーを引き出す「問い」や「対話」ができていますか?

最後に

「成果を出したい」と思うことは、どの管理職にも共通する願いです。
ただし、成果を出すマネジメントとは、「相手を変えようとする力」ではなく、「自分の内側から湧き上がる情熱を、言葉と行動で伝え続ける力」です。
エネルギーは、言語化と行動化によって初めて、相手に伝わります。
それは、管理職としての“人望”や“推進力”の源泉であり、チームの文化や雰囲気すら左右します。
情熱を、語れる言葉に変える。目的を、共感と共鳴を生むメッセージにする。
そんな“言語化力”が、リーダーとしての本質を形づくります。

本コラムを通じて、あなた自身のエネルギーを見つめ直すきっかけになれば幸いです。

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本コラムは、主に管理職・リーダー層に向けて構成しています。
ただし、プレイヤー層や中堅社員、これからリーダーを目指す方々にとっても、“エネルギーの言語化”は非常に有効です。

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