あなたが一番無駄に過ごしたと感じる時は何をしてしまった時でしょう?
県立広島大学の井上先生と木村先生と、コーポレーションパールスターの新宅専務と足のムクミについて調査をさせていただいた時のものです。日本看護協会で発表させていただきました。
ご参考になれば幸いです。
看護師、介護士における足のトラブルの実態現状
○井上誠1),飛鳥田由理2),新宅光男3),木村幸生1)
1)県立広島大学2)(有)アスカシステム3)コーポレーションパールスター
キーワード 足,トラブル,看護師
Ⅰ.はじめに
多くの者をはじめ看護師も足のトラブルを抱えている声が聞かれている。しかし、大学生や看護大学生に目を向けた先行研究はあるものの、看護師、介護士自身に目を向けた研究・調査は殆どされていない現状がある1-2)。足のトラブルは歩き回る看護師にとって致命傷となり疲れやストレスを増強させる原因にもなりかねない。そこで今回看護師の下肢、特に足のトラブルに関して詳細に調査することにした。
Ⅱ.研究目的
看護師の足のトラブルに関して詳細に問題点を抽出すること。
Ⅲ.研究方法
1.研究期間:2009年2月~2010年3月
2.研究対象者は1病院、1施設における看護師、介護士を対象とした。
3.研究方法は先行研究を参考に独自に作成した無記名自己式による看護師、介護士の足の実態調査を行なった。調査内容は性別、身長、体重、1日の勤務歩数(万歩計を使用)、看護師、介護士の足のトラブルに関するものとした。
4.倫理的配慮
倫理的配慮であるが病院、施設長に計画書を提出し、研究調査に協力して頂ける看護師、介護士に対して、研究の主旨、内容を対象者に文章で説明した。文書中には研究参加に同意しない場合でも不利益が生じないこと、同意した後でも調査を拒否できること、調査票の個人は特定されず、個人情報は厳重に保護されていることを明記した。また、調査結果の一部は外部の学会などで発表することへの承諾を得た。
Ⅳ.結果
1.看護師、介護士の足のトラブルについてどのようなものがあるか思い当たるものについて
1)足のむくみがひどくてつらい2)角質、タコ、魚の目がある3)巻き爪や爪が割れて黒ずんでいる4)O脚5)X脚6)外反母趾で足が痛む7)靴が不快8)どのような靴を買っても合わない9)靴下が靴の中ですべる10)靴下がむれる11)膝の痛みがひどい
2.足のトラブルを感じていることについて
1)どのような靴下・ハイソックスを履いても足先が冷たい2)タコ・魚の目ができている3)足踏まずがつぶれている4)かかとに角質が蓄積させている5)むくみがひどい6)腰や下肢が痛い7)足の指が伸びていない8)下肢の長さが異なるような気がする9)膝が痛い10)膝がぎくしゃくする11)靴が合いにくい12)靴底の減り方が片寄っている
3.下肢の問題をどのように解決しているか
1)特に何もしていない2)解決方法が分からない3)誰に相談してよいのか分からない4)靴を変える5)下肢を冷やさないようにハイソックスや厚めのストックングを履く6)膝や腰の痛みがひどい時は病院を受診する7)腰痛バンド、膝バンドを使用している8)膝の痛みに関しては塗り薬を使用している9)下肢などのマッサージに時々行く
Ⅴ.考察
1.看護師、介護士の足のトラブルについて
1つや2つではなく3つ、4つと重複して足のトラブルを抱えていた。足のトラブルがあっとしても普段気にしないようにしている。足の痛みがあったとしても働けなくなるまで殆どの者が我慢していたことより、事態が悪化して仕事ができなくなってから病院に行くなどの行動に移している現状が明らかになった。足のトラブルがあったとしても我慢しなくては人員の問題などより病院や施設を休むこともできず働かなくてはならない現状がある以上、いかに早めに足のトラブルを回避させていくか情報意識を高め、自己の身体の関心を持ち続けることが必要である。
1)米山美千代,他:大学生の足や爪のトラブルとフットケアに関する実態調査,富山大学看護会誌6(2),p27-35,2007
2)日野千恵子,他: 勤務前後の看護師の足部愁訴の変
化に関する研究,神戸市看護大学紀13 ,p41-47,2009