本日、DLMO手術、外反母趾の骨切り日帰り手術を受けた婦人を電車でお声をかけてお話を伺いました。
皮膚は本来、外界からの刺激物や物質の侵入を防ぎ、内部の諸器官を保護する役割を持っています。(バリアゾーン)
バリアゾーンがないと全部入ってしまう恐ろしいことになります。
問題:化粧水は肌の奥に届かないの?
答え)バリアゾーンによって、肌の奥にまで届く事は難しい。
でも
問題:化粧水で栄養を届けないといけないのか?
答え)生き物は栄養補給していかないと干からびます。当然お肌も栄養補給しないと干からびます。身体の中から栄養補給はできますが、足りない部分はお肌のお手入れで補います。
肌の奥にまでなんとか、栄養を届けたいですが、化粧水をつけただけではアカである角質層を保湿しただけで、肌の産まれる場所の基底層にまで届けないといけません。
バリアゾーンは角質層と顆粒層の中間にある透明層に5~10ミクロン程度の厚みをもった層の事を言います。
さらにバリアゾーンのあたりは上層が酸性を帯び、下層がアルカリ傾向にあります。そこにプラス極とマイナス極の電気の層が2つ重なって存在しています。
通常の化粧品はバリアゾーンにはじかれます。
化粧水が全く入らないかというとそうでもありません。
前述しましたとおり、皮膚には表皮、真皮、皮下組織の3層からなり、表皮は5層に分かれています。(上から角質層、透明層、顆粒層、有棘層、基底層)
また、死細胞の角質層には毛嚢口やエクリン腺などの穴が開いており、通常の皮脂線は毛嚢口に開いています。
顔だけで20万個の穴があると言われていますので皮膚は穴だらけと言えます。
皮膚からの吸収経路は簡単に言うと2つあります。
一つは表皮に開口している穴、もう1つは表面の角質層を通して、透明層、顆粒層、有棘層に次第に侵入していく経路ですが、バリアゾーンの問題が解決しない限り、死んだ細胞の角質層を潤すだけで終わってしまいます。
しかし、バリアゾーンの特性を使うと、肌の奥にまで保湿することは可能です。
【吸収されやすい物質】
1、肌の細胞が脂で出来ているため、油溶性の物質が吸収されやすく、水溶性のものは吸収されにくいと言われています。(例え アロマオイルは血液にまで入ると言われています)
2、しかし、皮膚表面を覆っている皮脂は、脂であっても親水性をもっているので「長時間の接触」があれば水溶性物質も吸収されるということになります。
3、金属では水銀、ヒ素、鉛は皮脂に存在する脂肪酸と結合して吸収されます。
硫黄も皮膚から吸収されるもののひとつなのです(例え 温泉 硫黄泉などにつかると硫黄が補給されます)
4、有機物ではフェノールやサルチル酸がよく吸収されますが、塩化ナトリウムになると吸収されません。
5、ビタミンではA,D,Eなどの油溶性は容易に吸収されますが、Cなどの水溶性は吸収されないようです。
6、ホルモンに関しては、ステロイド系のホルモンはいとも簡単に皮膚を通過し、吸収されます。
7、合成界面活性剤、簡単に肌に入り、バリアゾーンを壊します。肌が荒れます。
8、油性の基剤にあっては、空気の通りの悪いものほど、吸収を高める働きがあります。(例え:ワセリン)
したがって、粉末より液剤、液剤よりもクリームタイプ、つまり乳化されているものがもっとも浸透力が強いということになります。
『今すぐに実践できる肌の奥にまで保湿させる方法』
皮脂が侵入物に対し、好選性を持っていることから、次の措置が考えられます。
1、皮膚表面の皮脂膜を取り除く
よく洗顔して、皮脂を取り除く。
2、マッサージ、パッティング、温熱でつよく刷り込む
この方法は一時的にバリアゾーンが緩み、そこへ有用成分を押しこむ形です。
化粧水をばしばし叩きながら入れるのは、バリアゾーンを意識した行動です。
スチームや入浴後、パック等の使用により角質細胞が軟化し、細胞間隙にゆるみができます。また角質の中にあるケラチンが水によってその吸着能力が低下します。
3、密封包帯法(ODT法)
これは温度が経皮吸収を増進させることを利用した方法。
皮膚表面から蒸発されるべき水分を、1枚の膜で閉じる事によって皮膚のバリアを弱体化し、有用成分の浸透を容易にします。
ODT法は有用成分を塗布した上からラップなどで通気性のない物で覆い、その上から包帯で覆う方法。乾燥のひどいふくらはぎの表面にボディローションを塗って上からラップをするのが効果的。
4、イオン化
イオンフォレーゼは直流電流で、皮膚内に有効成分を届けやすくなります。
普通に化粧品を使った時の約70倍有効成分を届けやすくします。
お手頃なものから本格的なイオン導入の機械があります。
5、粒子をナノ化して保湿
化粧品の粒子が細かければ肌の奥にまで入り込みやすいです。(ロート製薬が得意)
6、脂溶性物質に変える。
皮膚は一般には脂溶性物質は吸収され、水溶性物質は吸収されないとされています。
そのため、ビタミンなどの水溶性ビタミンは吸収されないので、脂肪と結合させ脂溶性ビタミンに変化させます。(例え ビタミンCを脂溶性に変えてイオン導入)
ぜひ、お試しくださいね。
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