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安澤武郎

組織変革コンサルタント・マネジメントコーチ

安澤武郎(やすざわたけろう) / 経営コンサルタント

ペネトラ・コンサルティング株式会社

コラム

組織を見直す好機に変えよう

2020年4月30日 公開 / 2021年12月18日更新

テーマ:マネジメント

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 組織マネジメント組織開発働き方改革

緊急事態宣言が延長されることはほぼ確実で
休業を余儀なくされている方にとっては気が気でない状況だと思いますが、
仕事ができる人は頑張って経済を回し、この危機を乗り越えていくべき時です。
そこでリーダーの方々と一緒に考えたいことを書かせていただきました。


(1)環境の変化を活かす

コロナの影響でリモートワークが促進され、
リモートワークになったことでマネジメントのあり方が見直されています。

これまで動きの悪かった組織変革が一気に動いたり、
何度提言をしても受け入れられなかった話が、逆にクライアントから相談されたり、
(組織を改革したいリーダーにとっては)チャンス到来という感じがしています。

組織変革は危機になる前に先手を打ち、緊急性が生じないようにすることが最上です。
しかし、環境が整わないと多くのメンバーが動けないという現実もあり、
組織変革を環境の変化に合わせて進めることも賢い選択だと思います。

例えば、「女性の活躍できる組織」
総合職が男性ばかりの会社で女性も活躍をできるようにと総合職で採用をする。
営業部門に配属された。
社内ではなんとか活躍できるようにとサポートをしても
業界の中に女性が少なく、顧客が接し方に困ってしまう。
勿論、そのような中でも本当に「女性も活躍する企業」を実現したいのであれば、
創意工夫をしながら実現に向けて進めていくべきだが、
無理をして進めると配属された女性が潰れてしまうかもしれません。
環境に抗って真っ向勝負をするのではなく、
環境が整うまでは営業部門ではなく別部門から進める方が賢明でしょう。

どんなに優れた経営理論や、惚れ惚れするような成功事例があったとしても、
自組織に合致しているかどうかは実践に移して検証をしないと分かりません。
実際の変革活動において、
リーダーのコミットは必要条件ではあっても十分条件ではありません。
メンバーが新たな姿を目指して自ら学習して変化を起こせるように、
「いかに場を立ち上げるか?」試行錯誤をいたします。
しかし、コロナは強制的に状況を作ってくれました。
今やらずしてこれ以上の好機はないかと思います。


(2)コロナと自然回帰を考える

ウイルスとは元来、自然界の中で生まれてくるものです。
長い歴史の中で人類を脅かすウイルスが生まれることは必然であり、自然現象です。
その自然現象によって、経済効率を追求し、
人口を密集できるように開発された都市で被害が大きくなっています。
リモートワークによって分散が進めば、地方での仕事をできる人も増えるだろうし、
通勤(移動)に使っていた時間を家族との時間に変えられる。
それは自然の姿に少し還っているように感じますし、
自然の流れに従った変化なのかもしれません。

少し前では成立できなかった営みもテクノロジーの進歩によって実現できるようになってきています。自然の流れを実現する方向の技術開発・サービス開発をすることが未来を先取りすることになっていくかと思います。

自然循環の話は地球守(https://chikyumori.org)を運営する高田さんから教わりました。
例えば、山に構築する人工物が自然を破壊するメカニズム。
ダムを作って山をコンクリートで固めると、地中の水の流れ(水脈)が滞る。
水脈が滞ると、土が硬くなり雨が地中に染み込まなくなり地表を流れる。
そうなると根は育たず木は瘦せる。
根による保持能力を失った山は土砂崩れを起こしやすくなり、山の麓に住めなくなる。

かつては山の麓に人が住むことで土中の水脈を通し、山を堅固にしていたが、
自然の摂理に反した人工物を構築するようになり、今の状況を招いている。
科学が追いついていなかった。
自然の循環や世界を理解する姿勢や努力が足りていなかった。
家を建てるときに、自然の一部としての家を設計するということをしていなかった。
そういうことだと思います。

「アナと雪の女王2」が、自然回帰を題材にしていたのはご時世にあっています。
(宮崎駿は30年前に描いていた世界だが)
例えば、ダムの建設に依存しない分散エネルギー(マイクロ水力発電)の取り組みも
テクノロジーの進歩によって可能性が高まってきています。
参考記事「地方からソーシャルイノベーションを」


森林


(3)自律分散型の組織の探究

自粛期間は必ず終わるし、コロナの影響も必ず収束します。
(多大な爪痕は残すでしょうが)
リモートワークは一過性の活動で
1年後には以前と同じようにオフィスで働いている人も多いでしょう。

ですが、少なからずリモートワークに挑戦する中で
マネジメントのあり方を根本的に見直してみると良いかと思います。
リモートワークになり、マネジメントの実力がよく見えたかと思います。
「現場の事象や課題が見えなくなる」
「メンバーに日々の目標を持たせられない」
「アウトプットが期待通りに出てこない」
「活動イメージがうまく伝えられない」
「メンバーの心理的なケアができていなかった」
「新たな環境でメンバーに前を向かせることが難しい」
そんな話を耳にします。

これらはハードだけの問題ではなく、
思考スキル、コミュニケーションスキルや
リーダーとメンバーの関係性、
マネジメントに対する思想に真因があったりします。

そういう問題に直面した方は、
メンバーがなすべきことに向けて全てのエネルギーを注いでいる
自律分散型の組織をどう構築すれば良いか
この機会に腰を据えてじっくりと取り組まれると
リモートワークが終わった後も財産として残るでしょう。

自律型の組織はメンバーが自らの関心に従って自然体で活動を進める
自然な形で周りのメンバーとの連携を進めることが基本コンセプトです。
その自然の流れを阻害するものを取り除いていくことで実現していきます。

そのような組織を構築しようとする際に、
まずリーダーが自然体で取り組む姿になることが一歩目です。
人間の親が子供から学ぶことが多いように
リーダーがメンバーと一緒に学びながら自己成長を続けるスタイルが自然です。
最初から完成された理論を持ち合わせている必要はありません。
しかし、少なからず「こういう要素を満たせば、自律型で機能する組織が構築できる」
という姿を描き、仮説検証をスタートさせることは必要です。

そういうリーダーの参考になるように、
年始に「自律型組織へのチェンジマネジメント」についてのコラムを作成しました。

これは、私自身が日々アップデートをしながら
より良い自律型組織を生み出せるように取り組んでいるモデルです。
ベンチャー企業から上場企業まで
ビジネスの世界からスポーツの世界まで数多くの組織を経験してきた中で
結果を残している方法であって、そのエッセンスの中にはヒントがあるはずです。

GW期間に自宅で過ごされる際にお供として活用して頂ければと思います。

また、この期間にもう少し具体的に相談をしたいという方もおられるかもしれません。そういう方向けに5月の間に限り、
無料相談を受け付けることにいたしました。
オンラインで60分程度お話をさせていただき、お役立ちできればと思います。
マイベストプロの問い合わせフォーム、もしくはLINEでの問い合わせをして頂ければ返信をさせて頂きます。

ピンチをチャンスに!
頑張りましょう!!

この記事を書いたプロ

安澤武郎

組織変革コンサルタント・マネジメントコーチ

安澤武郎(ペネトラ・コンサルティング株式会社)

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