思考は現実化する
新年あけましておめでとうございます。久しくコラムを書いていなかったのですが、最近の取り組みを踏まえた内容をこれから10回くらいのシリーズで発信させていただきます。
テーマは「自律型組織」です
2019年4月から働き方改革関連法案が順次施行され、企業は組織運営のあり方を見直し始めました。しかし、三菱電機のパワーハラスメントの問題など、まだまだ本質的な改革は実現できていません。改革には「制度の改革」と「精神の改革」の両面が必要で、後者の改革にこそ本質があります。
ブラジルのセムコ社の「奇跡の経営」が話題となり、「ティール組織」というキーワードが広まり、「自律型組織」なるものを目指す企業が増えました。一方で、付け焼き刃の急な方向転換によって混乱を招き、業績を落としている企業の話も耳にします。流行りの言葉に流されず、地に足のついた変革を推進し、その企業にあった自律型組織を構築することが大切です。
本シリーズで記載する「自律型組織」は一つの体系です。外部コンサルタントとして、役員として、複数の企業の組織変革で実証し、確立してきたものです。完全に確立できた理論ではありませんし、まだまだ探求をし続けていきますが、多くの企業で効果を発揮している内容です。もし、自社の組織運営が時代にそぐわなくなってきていると感じている経営者がおられれば、参考にできることは沢山あるはずです。これからの時代に通用する組織を構築するために、これまでのマネジメントのあり方に関する考え方を見つめ直し、自らのマネジメントスタイルを変えるきっかけにしていただければ幸いです。
本シリーズでは、「自律型組織とは何か?」「自律とは何か?」「どうして自律性を失うのか?」という本質、考え方を共有した上で、自律性を失った組織からどのように自律型組織に転換させていくと良いか?という方法論(3つの原則と7つのアプローチ)を説いていきます。読者の皆様の組織改革の一助になれば幸いです。
(1)組織はなぜ自律性を失うのか? 組織ライフサイクルの観点で俯瞰する
(2)自律型組織を構築する3つの原則
原則①:自律とは何か?
原則②:外的コントロールから自由になる 小欲ではなく大欲
原則③:人ではなく、課題に向き合う 性弱説と6つの壁
(3)自律型組織を構築する7つのアプローチ
アプローチ①:安全な場を作る
アプローチ②:目的を構築する
アプローチ③:役割教育を施す
アプローチ④:目標を体系にする
アプローチ⑤:フィードバックサイクルを回す
アプローチ⑥:相互支援ネットワークを築く
アプローチ⑦:成長の階段を作る
(4)まとめ