社長の力量が足りないと社員は育たないのか? (3/3)
適切に機能している家族が持っていて、そうでない家族が持っていない特質を一つだけ特定することはできなかった・・・・(それぞれの変数が存在し、互いに影響し合っているために)
適切に機能している家族のスタイルとパターンは目を見張るほど多種多様だった・・・家族がどの程度うまく機能するかを左右するのは、一つの糸ではない・・・家族の強さは、(いくつもの糸が織りなす)タペストリーのようなものと考えるべきである。
マネジメントは様々なジレンマを乗り越え、状況に合わせた解、状況を先回りする解を導き出していく営みで、成功に決まったパターンはない。
昨晩、会食でとある地方ゼネコンの営業マネジャー研修の話を聞いた。
その研修では「その企業の宝を探す」ことがテーマになっているそうだ。
創業以来の歴史を紐解き何が競争力の源泉だったのか?
成功できたのはどのような競争力を持っていたからか?
なぜその競争力の源泉を生み出すことに取り組んだのか?
どんな背景があり、当時の人はどんな気持ちでその取り組みを進めたのか?
という議論を進めているそうです。
歴史を紐解いていくと、そのゼネコンが発展した時代には、
各地域の課題を分析し、「これからのこの地域にはこのような建物が必要だ」
という提案をして街をデザインしていたそうです。
それが今や競争入札での受注がほとんどになってしまっているということです。
同じことをして今の時代に必ずしも通用するとは限りませんが、
自分のルーツを知り、そこから発想していくということはとても重要です。
ユヴァル・ノア・ハラリの「ホモ・デウス」などを読んでも感じるのですが、
歴史を知ることは未来を変える力になります。
最近読んだ本で、
「民主主義のつくり方」
面白かったです。
これも現代の自律型組織のルーツを辿っていくと巡り合った本です。
リカルド・セムラーがなぜあのような企業の形を描いて取り組んだのか?
セムラーの自律型組織の本質は、「自治」であり、
移民が新大陸で開拓生活をする中から生まれてきたデモクラシーそのものです。
現代社会で「民主主義」という言葉は、議会政治のようなイメージを連想させ、
民主主義に幻滅をしている人も多くいるかと思います。
しかし、デモクラシーの本質的な姿はもっと人間的であり、
人間が新たな大陸で新たな経験をする中から生み出したものです。
今の企業生活に企業経営に息苦しさを感じるからは読んでみても良い本かと思います。
歴史を紐解き、自分たちを振り返る営みはタペストリーを織りなす多様な糸の一つに過ぎませんが、間違いなく重要な糸ですので、トライをしてもらいたいと思います。
マネジメントをされている方であれば、「組織ライフサイクル」の観点を知った上で紐解かれるとより正しく歴史を理解できるかもしれません。ご参考までに。
『組織ライフサイクルの観点から考える自律性を失う落とし穴』
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