外国人材の就労の在留資格を得るまでの流れ「やることリスト」
飲食料品製造業と外国人受け入れ
<お知らせ>
出入国在留管理庁は、,中小・小規模事業者等が必要とする「特定技能外国人」の
円滑な受入れを促進するため,「特定技能」での就労を希望する外国人と雇用を希望
する企業とのマッチングイベント等を全国で開催します。また、制度説明や申請
手続に多言語で対応するコールセンターの設置や,「特定技能」に関する多言語ポー
タルサイトを開設します。
マッチングイベント等は9/30(水)から参加受付の開始が予定されています。
ポータルサイトも同日から開設予定で、コールセンター(03-6625-4702(企業向
け))は既に開設されています。
■詳しくはこちら
⇒ http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri06_00126.html
(出入国在留管理庁HP)
A 在留資格「特定技能」とは?
・「特定技能1号」「特定技能2号」ができる。
・対象の仕事が14業界の職種。
・「特定技能1号」は単純労働よりは技能が熟練していることが必要。
(相当程度の知識又は経験を必要とする技能⇒分野所轄行政機関が定める試験等で確認)
技能実習生からの移行
と
試験合格者への付与
の2つのルートからになります。
試験ですが、
日本語能力と仕事の技能のテストを実施することになっていて、
技能のテストについては、2019年4月に実施されたものもあります。
尚、試験の実施については、外国でも行うとのことです
(実施する国=送り出し国と協定を交わすことになっています)。
・「特定技能2号」については、
1号より日本語能力や仕事の熟練度が優れていて、
1号の付与者に、技能の試験を実施し、合格すれば変更を認め、
何回も期間更新ができ、永住申請も可能にします。
B 飲食料品製造分野の「特定技能1号」
1 業界での人手不足が約34,000人とされています。
2 技能試験は、飲食料品製造業技能測定試験
https://otaff1.jp 一般社団法人外国人食品産業技能評価機構
日本語試験は、日本語能力判定テストで、
現在N4レベルの合格が求められます。
技能実習生の場合は、
飲食料品製造業分野の技能実習2号を修了した者は試験免除です。
3 受け入れる事業所は、
下記の日本標準産業分類に該当する事業者であること
09 飲食料品製造業
101 清涼飲料製造業
103 茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く)
104 製氷業
5861 菓子小売業(製造小売)
5863 パン小売業(製造小売)
5697 豆腐・かまぼこ等加工食品小売業
↓
そして、主たる業務として
・畜産食料品、水産食料品の製造・加工
・野菜缶詰、果実缶詰、農産保存食料品の製造・加工
・調味料、糖類、動植物油脂の製造
・精穀、製粉、でんぷん、ふくらし粉、
イースト、こうじ、麦芽の製造
・パン、菓子、麺類、豆腐、油揚げ、冷凍調理食品、惣菜の製造
・清涼飲料、茶、コーヒー、氷の製造
・菓子類、あめ類の製造小売
・パン類の製造小売
・豆腐、こんにゃく、納豆、漬物、
かまぼこ、ちくわなどの加工食品小売
を行っていることが求められます。
尚、酒類製造業、製塩製造業、医薬品製造業、香料製造業、
飲食料品卸売業、飲食料品小売業は含まれないです。
4 業務内容
飲食料品(酒類を除く。)の製造・加工・安全衛生 です。
「製造・加工」とは、
原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥等の生産行為等
「安全衛生」とは、
使用する機械に関する安全確認、作業者の衛生管理等、
業務上の安全衛生及び食品衛生の確保に係る業務
尚、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えない、とされています。
・原料の調達と受け入れ
・製品の納品
・清掃
・事業所の管理の作業
5 受入れ機関が外国人を受け入れるための基準
①外国人と結ぶ雇用契約(特定技能雇用契約)が適切であること
(例:報酬額が日本人と同等以上)
②受入れ機関自体が適切であること(例:5年以内に出入国・労働法令違反がない、1年以内に非自発的離職者や行方不明者を発生していないこと など)
③外国人を支援する体制があること(例:外国人が理解できる言語で支援できる)
④外国人を支援する計画が適切であること(1号特定技能外国人に対する支援について)
<もう少し詳しく。各分野共通>
(1)外国人に関する基準(各分野共通。分野ごとに定められた基準は除いています)
1 18歳以上
2 健康状態が良好であること
3 従事しようとする業務に必要な相当程度の知識又は経験を必要とする技能があること
4 ある程度の日常会話ができ、生活に支障が無い程度の能力を有することを
基本とし、業務上必要な日本語能力がある
5 現状では、イラン・イスラム共和国の人ではないこと
6 在留可能期間が通算で5年以内
7 保証金の徴収・違約金契約等に関し、不当な徴収などがないこと
金銭その他の財産を管理されないこと
特定技能雇用契約の不履行について違約金を定める契約その他の不当に金銭
その他の不当に金銭その他の移転を予定する契約が締結されず、
締結されない見込みがあること
8 入国前や滞在中に負担する費用について、その意に反して徴収されることを
防止するために、当該外国人が負担する費用の額及び内訳を十分に理解して
合意していること
9 本国において遵守すべき手続きを経ていること
注意 在留資格変更許可申請や更新許可申請をする場合、
入管法に定める届け出義務の履行を果たしている、
納税義務のほか公的義務の履行を果たしている、素行が不良でないことが必要
(2)受入れ機関が外国人を受け入れるための基準
(各分野共通。分野ごとに定められた基準は除いています)
雇用に関する事項
1従事させようとする業務は、相当程度の知識又は経験を必要とする技能であることが必要
2所定労働時間は、雇用されている通常の労働者の所定労働時間と同等である
3報酬等は、同等の業務に従事する日本人労働者の報酬と同等以上である
4一時帰国のための有給休暇の取得については、
取得することができるよう配慮すること
5派遣先に関すること
(3)適正な在留に資するために必要な事項
(各分野共通。分野ごとに定められた基準は除いています)
1 帰国担保措置については、雇用契約終了後に帰国する際の帰国費用は、本人が
帰国費用を負担できないときは、負担をするとともに、出国が円滑できるよう
必要な措置を講ずること
2 健康状況その他の生活状況を把握するために必要な措置を講ずること
(4)受け入れ機関の原則的な基準
(各分野共通。分野ごとに定められた基準は除いています)
1 労働、社会保険及び租税法の遵守していること
2 非自発的な離職者がいないこと
同種の業務について、契約締結日前の1年以内又は締結日以降に離職させていないこと
3 契約締結日前の1年以内又は契約締結日以降に離職させていないこと
4 定められている関係法律による刑罰を受けていないこと
5 特定技能所属機関(受入機関)の行為能力と役員等に適格性が欠けていないこと
6実習認定の取り消しをうけていないこと
7出入国又は労働関係法令に関して不正行為を行っていないこと
8暴力団排除に関して適正な措置を講じていること
9特定技能外国人の活動状況に関する文書を作成し、従事する事業所に保管すること
10特定技能外国人及びその親族等が、保証金の徴収・財産の管理・違約金契約を締結させられている場合には、そのことを認識して契約を締結していない
11支援に関する費用の負担は、1号特定技能外国人に直接又は間接にも負担させない
12派遣形態による受け入れに関するもの
13労災保険法に係る措置等が適正であること
14特定技能雇用契約が継続的に履行できる体制にあること
15報酬の振り込みは口座振り込みにすること
<受入れ機関(特定技能所属機関)の義務と支援>
①外国人と結んだ雇用契約を確実に履行すること(例:報酬を適切に支払う)
②外国人への支援を適切に実施すること
→ 支援については、登録支援機関に委託も可。
登録支援機関に全部委託すれば上記 5③の基準を満たす。
③出入国在留管理庁への各種届出を行うこと
<支援計画の内容>
支援1 外国人に対する入国前の生活ガイダンスの提供
(外国人が理解することができる言語により行う。4,6及び7において同じ)
支援2 入国時の空港等への出迎え及び帰国時の空港等への見送り
支援3 保証人になることその他の外国人の住宅の確保に向けた支援の実施
支援4 外国人に対する在留中の生活オリエンテーションの実施
(預貯金口座の開設及び携帯電話の利用に関する契約に係る支援を含む。)
支援 5 生活のための日本語習得の支援
支援 6 外国人からの相談・苦情への対応
支援 7 外国人が履行しなければならない各種行政手続についての情報提供及び支援
支援 8 外国人と日本人との交流促進に係る支援
支援9 外国人が、その責めに帰すべき事由によらないで特定技能雇用契約を解除される場合において、他の本邦の公私の機関との特定技能雇用契約に基づいて「特定技能1号」の在留資格に基づく活動を行うことができるようにするための支援
支援10 定期的な面談の実施、行政機関への通報
尚、受け入れる事業所は、生活支援などをする社員は求められます。
6 農林水産省が組織する協議会に参加し、必要な協力を行うこと
農林水産省が行う調査又は指導に対し、
必要な協力を行うこと農林水産省が組織する協議会に参加し、
必要な協力を行うこと。
7 現在、在留している留学生、日本語学校生と専門学校生は
日本国内で試験を実施した場合、受験ができるか?
条件付きではあるのですが、留学生も受験することは可能です。
注意 特定技能に関する二国間の協力覚書というものがあります。
送り出し国や日本国内のブローカーなどの介在を排除するため、
円滑と適正な受け入れと送り出しを確保しようと、
送り出し国との間で、協力覚書を作成しています。
今まで、協力覚書を作成した国
フィリピン、カンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴル
スリランカ、インドネシア、ベトナム、バングラデシュ、
ウズベキスタン、パキスタン、タイ
上記の国の人が、
日本に入国して、在留資格「特定技能」の活動をする・活動させるために
受け入れ機関(日本国内の会社や法人)は、
送り出しの国の政府機関などから許可をうけたり、登録を義務付けられたり、
送り出し国の人も、政府機関などに登録したり、募集に応募したりなどの
必要な手続きを定めていて、その手続きに沿う必要があります。
又、出入国在留管理局へ、在留資格「特定活動」の手続きをする際に、
上記の手続きを行ったことを証明する書類を求められることがあります。
例えば、
フィリピンでは、受け入れ機関(日本国内の会社や法人)は、事前に、
駐日フィリピン大使館(POLO)に申請し、審査を受けた後、
フィリピンの海外雇用庁(POEA)に登録される必要があるとのことで、
登録されたら、募集活動ができるみたいです。
ネパールでは、現時点で、上記のようなことは、
受け入れ機関(日本国内の会社や法人)には、求めておらず、
ネパール人本人が、事後に、
ネパールの労働・雇用・社会保障省雇用管理局日本担当部門から、
海外労働許可証を取得する必要があるようです。
詳細は、下記のURLに掲載されています。
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri05_00021.html
C飲食料品製造業と在留資格「技術・人文知識・国際業務」
在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、原則として、専門的な知識が必要な仕事で、
単純労働や現場作業は認めていないです。
専門的な業務であり、製品開発、技術系の製品を説明しての法人営業、システムエンジニア、マーケティング、海外取引業務など、基本的に大学や専門学校などの高等教育機関で学んだ知識が活かす仕事です。
仕事の内容が、上記に該当するか?
仕事の内容が、必要な業務なのか?
充分な仕事量はあるのか?
お給料は日本人と同等以上か?
会社の事業に継続性、安定性があるか?
などが審査の目安です。
自国の高等教育機関を卒業→就職し実務経験を積む→日本で就職
日本の日本語学校→大学や専門学校を卒業→日本で就職
が、かなり見受けられることから、この在留資格を得て働く外国人は多いです。
ですので、専ら製造加工業務は難しいですが、
例えば、下記のような業務
製造加工品の開発、検査
日本の大学を卒業している者の集客拡大のマーケティングリサーチ、
小売業や卸売業向けの法人営業向けにホームページの作成などの広報業務
小売業や卸売業向けの法人営業向けの製品プランの企画立案業務
外国人従事者の採用などの人事業務
などは認められるかもしれません。
D 飲食料品製造業と在留資格「特定活動」(留学生就職支援)
在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、原則として、専門的な知識が必要な仕事で、
単純労働や現場作業は認めていませんでした。
在留資格「特定活動」(留学生就職支援)は、仕事の内容を緩和しました。
専門的な知識が必要な仕事に単純労働・現場作業も併せて認められことになりました。
法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて、
当該機関の常勤の職員として行う当該機関に従事する活動
(日本語を用いた円滑な意思疎通を要するものを含み、
風俗営業活動及び法律上資格を有する者が行うとされている業務に
従事する者を除く)
箇条書きでまとめると下記のとおり。
1 本邦の大学(短期大学を除く。以下、同じ。)を卒業し又は大学院の課程を修了して学位を授与されたこと
2 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること
3 日常的な場面で使われる日本語に加え、論理的にやや複雑な日本語を含む幅広い場面で使われる日本語を理解することができる能力を有していることを試験その他の方法により証明されていること
4 本邦の大学又は大学院において修得した広い知識及び応用的能力等を活用するものと認められること
→今回決まった趣旨をざっくり紹介すると、
例えば、製造業務等が主たるものである場合は、製造・加工業務での就労目的の在留資格が認められていない。
しかし、本邦大学卒業者について、日本語能力を生かした業務に従事する場合は、
その業務内容を広く認めることになりました。
在留資格「特定活動」により,当該活動を認めることにしたようです。
・日本人が従事する場合と同額以上の報酬
・日本語能力N1又はBJTビジネス日本語能力テスト480点以上を有する人
・日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務
・本邦の大学又は大学院で修得した広い知識及び応用的能力等を活用するものと認められること
しかし、日本語が話せなくても大丈夫な業務ではなく、
日本語での双方向のコミュニケーションを要する業務でもあるので、
全くの単純労働は不可。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」の仕事をしながら、
単純労働も、制限付きながら認めよう、という感じです。
例えば、製造・加工業務では、
工場のラインにおいて、
日本人従業員から受けた作業指示を技能実習生や他の外国人
従業員に対し、外国語で伝達・作業しつつ、
自らもラインに入って業務を行うことは可能。
しかし、ラインで指示された作業にのみに従事することは認められないです。
E 製造業外国人従業員受入事業
製造業の海外生産拠点の従業員を受け入れるためには? 製造特定活動計画とは?
「本邦の公私の機関が策定し、経済産業大臣が認定した製造特定活動計画に基づき、
当該機関の外国にある事業所の職員が、当該機関が当該国に設ける生産施設において、
中心的な役割を果たすための技術及び知識を身につける、
本邦における生産拠点において製造業務に従事する活動」
として、在留資格「特定活動」にて認められています。
1 この在留資格「特定活動」の趣旨は、
日本国内の製造業が、海外生産拠点の従業員を、一時的に国内に受け入れ、
専門技術や管理知識を習得させる。そして、帰国したら、中心的な役割を担ってもらう、
が基本的な考えで、在留資格「企業内転筋」と在留資格「技能実習」の中間にとれるので、
将来の「技術管理職」だと思います。
2 外国にある現地の事業所の従業員を国内に受け入れるためには、
経済産業省から製造特定活動計画の認定が必要です。
認定されたら、入国管理局に在留資格認定証明書交付申請することになります。
3 この計画が認定されるには、
・過去5年間、労働基準関係法令違反により罰金以上を処せられていない
・労働関係法令や社会保険関係法令を遵守
・労働安衛法などに定められている以上の労災防止するための措置がある
・過去5年間、製造特定活動に関し不正行為がない
・特定外国従業員に従事させる業務で、過去3年間に相当な数を、非自発的に退職させていない
・製造特定活動計画の認定を取り消されていたら、その起算日から5年を経過
・過去5年間に認定を受けた製造特定活動計画に反する重大な事実が生じていない
は、最低限の前提です。
4 ポイント
(1) 海外生産拠点の外国人職員を日本生産拠点で受け入れてOJTが可能のことから、
海外生産拠点は、子会社又は関連会社となり日本生産拠点は、親会社又は子会社となります。
(2) 外国人従業員としては、新製品製造などにおいて中心的な役割を果たすことが見込まれる人です。
例えば、新製品を製造のためにラインを一つ増設するとします(もちろん、ラインを増設する理由も必要となります)。
そこで中心的な役割を果たす人です。
又、大卒要件や実務経験要件は、特段必要ではないです。
尚、新製品製造でも、難しい技術である必要ありません。
(3) 海外需要の新規取り込みを目的とする生産活動であるので、
例えば、
・受注条件として現地生産が課せられていること
・地産地消型の産業であって、現時点で日本からの輸出実績がない製品であること
・新規生産拠点の設置により、日本からの部品輸出増が見込まれること
・既存の納入先への納入量の増加などによる工場の新設、ライン改良等を行うこと
が挙げられています。
以上を踏まえて書類作成し、経済産業での事前相談となり、目安がつけば本申請となります。