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外国人材に新しい在留資格? メルマガ第170回、2018.8.1発行

折本徹

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テーマ:過去のメルマガ、85号から

メルマガ第170回
外国人材に新しい在留資格? 2018.8.1発行

行政書士の折本徹と申します。
8月に入りました。
先月は雨の被害もありましたし、酷暑に近い日もありました。
都内では、何日かは、猛暑は落ち着いていましたが
まだまだ、暑い日が続きそうです。
体調に留意して過ごしてください。

今年も、時期に関係なく(古くても)、新聞・雑誌・書籍に掲載された、
外国人にまつわる内容で、興味深い記事を紹介・簡単なコメントや、
このメルマガは、平成14年(2002年)の10月から発行しているので、
過去と現在は、どのように違ってきているのか、の視点で書きたい、
とも考えています。

前回のメルマガでは、
「どうやら、新しい在留資格ができるらしい」
という話をしました。
マスコミのなかには、「ついに、移民の受け入れにかじをきった」
と報道しているところもあるようです。
「新しい在留資格」を得るためには、2つのルートが検討されていて、
技能実習ルートと試験合格ルートになるようです。

尚、6月の段階では、受け入れる業種として、
農業、介護、建設、造船、宿泊が挙げられていましたが、
もっと増えるようで、
7/25の関係閣僚会議では、鋳造や金属プレス、飲食物をつくる食料品製造など
の製造業の一部、外食産業、漁業も検討するそうです。

どのような理由で、業種選定されるの?ですが、
「存続・発展のために外国人材受け入れが認められ業種」が対象です。
「女性・高齢者の就業促進、人手不足の踏まえた処遇の改善などを行っても、
尚、人材の受入が必要」という業種のようです。
この先、不景気になっても、これらの業界の人手不足は解消されず、
不景気を理由とした雇用契約の打ち切りはない、
業種だと思います。

業種のなかには、
技能実習の対象になっている職種(77職種139作業)ではないものも
あるようですが、
改めて技能実習の職種に加えるのか、わかりません。
又、技能実習ルートでは、技能実習生だと誰でもOKなのか?と言うと、
そうでもなく、
技能実習生として5年間終了した人(3年間での検討もしているようです)、
即ち、5年間の技能実習計画を終了し、
決められた技能評価試験の実技試験を受検した人です。

技能実習ルートだと、
職種と作業を決めて技能実習をして知識と経験を積んているので、
技能職として、
仕事の内容や、その人の実務能力が想像しやすいですが、
試験合格ルートだと、想像しにくいですね。

試験は、どこで、何語で行うのか、
受験資格に制限があるのか(実務経験が必要なのか、どうか)、
又、海外で行う場合、替え玉受験は防げるのか、
技能実習ルートより、実務能力や日本語能力に見劣りするのではないか、
という懸念があり、その担保をどうするのか、があると思います。
試験に合格したら、一定期間研修を行うことも必要かもしれませんが、
それに対応できる、研修講師が確保できるのか、
もあると思います。

後、当該の外国人には、「違う業種への転職の自由がない」ということを、
認識してもらわなければなりませんが、
せめて、同一業種では、転職できるような仕組みを作ったほうが良いのでは?
と思います。
勤務する会社の社風に合う、合わない、は、日本人同様、ある、と感じます。

又、受け入れる事業所は、許可制か登録制にした方が良いかもしれません。
低賃金・労働環境が悪くても文句を言わない労働者を雇える、
ということだけで、
受け入れる事業所が出てくるかもしれないので、
そのようなことを防ぐためにも。

この制度については、まだまだ検討中らしいので、追々、色々な情報が、
マスコミを通じて、発表されると思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

尚、11/29現在
入管法改正は参院審議入りしています。
大枠は、下記の内容ですが、細かい内容は、法案成立後の「運用方針」で
定めるようです。
新しい在留資格は、「特定技能1号」「特定技能2号」という名称にするようです。
「特定技能1号」は、一定の日本語能力と技能があれば得られる、
「特定技能2号」は、(1号以上の)熟練した技能があれば得られる、
とされています。

新しい在留資格と言っても、特定技能1号については、
技能実習生からの移行(在留資格の変更)が多いと予想されます。
ですので、施行当初は、外国人労働者の総数が大幅に増加する感じはしないです。
大幅に増加するとしたら、
新しい在留資格「特定技能1号」への移行後の技能実習生の数が、穴埋めできるぐらい増える
又は
試験ルートで、新しい在留資格を得る外国人が増える
だと考えます。
「特定技能2号」については、どのような基準で1号から2号にするのか?は、
わかりません(家族帯同ができ、永住者の在留資格も得られるようにするので、
厳格にするそうです。1号については、家族は、在留資格「家族滞在」ではなく、
「特定活動」で対応することも検討しているようです)。
又、農業と介護については、2号を対象にしないことも報じられています。
後、上限を設けるのか?設けるとしたら、どのような基準にするのか?
それを、どうやって申請者に伝えるのか?例えば、
「50,000人が上限です。あなたは、50,001人目ですので、ダメです」
みたいなことを、どうやってアナウンスするのか?です。

他にも、ブローカー対策を講じる、とのことですが、
人を移動させればお金になる、ということがわかってしまっている現状で、
有効な方法があるのか?です。
当事者たちが口をつぐんでしまえばわからないし、
受け入れる事業者も背に腹は代えられない、ということで
受け入れてしまうかもしれませんし、受け入れる事業者が払うかもしれません。

又、新しい外国人が、都心部に集中しないように、
「地方に何らかのインセンティブを検討する」としていますが、
1号では、同じ職種であれば、転職が自由のようだから、
結果として、縛り付けることになるので、
その兼ね合いをどうするのか?注目したいです。




このメルマガも、平成14年(2002年)の10月から発行していて、
何気に、16年目に入りましたので、今後も引き続きよろしくお願いします。

このメルマガは、まぐまぐを利用して発行しています。
登録は 
http://www.mag2.com/m/0000097197.htm
よりできます。

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折本徹
専門家

折本徹(行政書士)

折本 徹 行政書士事務所

日本に住んでいるフィリピン人コミュニティを開拓し、相談を受ける事からスタートしました。その後、中国人、ネパール人、ベトナム人などの外国人、取扱う分野を拡げ、経験を積み、20年以上になります。

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