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コラム

外国人女性との子どもの認知。認知の保護要件とは?

2017年2月1日 公開 / 2023年2月9日更新

テーマ:日本人の実子/外国人の実子/永住申請/日本国籍/認知/嫡出子/非嫡出子

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 行政書士 相談

国際カップルの子ども/外国人の子ども。
認知と非嫡出子。国際カップルの子ども。認知と非嫡出子。
親子関係はどこの国の法律で成立し、認知はどこの国の法律でできるのか?話をしています。


動画でこのテーマの話をしています。テスト配信




https://youtu.be/ICOSxYGHgPA


国際結婚をしていないカップルから子どもが生まれた場合、
その子は非嫡出子又は婚外子と呼ばれています。
では、親子関係の成立については、どこの国の法律で成立するのか?です。
諸外国では、2つに分かれているようです。
1つは、子どもの出生という事実によって直ちに発生するもの。
事実主義又は血統主義と言っています。
2つめは、「認知」という法律行為や手続きに伴って発生するもの。
認知主義と言っています。

結婚してない国際カップルの子ども/外国人の子どもは、
国によって、親子関係の成立とその手続きが違うため、
どこの国の法律によるか?決める必要があります。
日本の法律の「法の適用に関する通則法第29条」によれば、
父子関係は父の本国法、母子関係は母の本国法によります。
又、「認知」という制度がある国と事実主義・血統主義の国によって、
日本においては親子関係の成立が違ってきます。

事実主義の国の場合、日本において認知をしなくても、法律上の親子関係は成立する、
と考えられています。
このケースは、
日本国内においては、母が日本人で、父が事実主義の国である場合が多い、と思います。

一方、「認知」の制度がある国ですが、通常は、父子関係の成立だと思います。
尚、母子関係については、分娩と言う事実によって当然に成立する、
と日本では考えられていますが、諸外国でも共通かもしれません。

それでは、日本国内での「認知」手続きですが、認知する者が父として、
準拠法を、3つ認めています。
1 子の出生当時の父の本国法
2 認知の当時の父の本国法
3 認知の当時の子の本国法
3つのうちのいずれかの要件を満たせば、
日本において、親子関係が成立と認められています。

尚、父の本国法を準拠法にする場合は、
子の本国法上、子又は第三者の同意、承諾を認知の要件としているときは、
その要件を備えなければならないことになっています。
これは、「認知の保護要件」とか「セーフ・ガード条項」と呼ばれています。
子どもが、「あの父親から認知されたくない」ということもあり得るからです。

子どもが胎児のときですが、認知の時は国籍がありませんので、
母の本国法をもって、胎児の本国法としているようです。
又、父の国が事実主義であっても、
子の本国法が日本の法律で、認知の要件が備わっていたら認知は可能なようです。
例えば、事実主義の国の父に対して、日本国籍の子が扶養請求する際に、
認知が前提となるようです。

さて、実務では、日本の市区町村役場は、日本国内で日本人の父が認知するときは、
日本の法律で進めていているようです。
届け出る市区町村役場については、
届出事件本人の本籍地又は届出人の所在地となっています。
又、事前に子どもの国の親子関係に関する法律や提出書類を問い合わせする必要があります。
そして、子どもの保護要件/セーフ・ガード条項があるときは、
それを満たす必要があります。
尚、「子の本国法上の保護要件を満たしている旨の証明書」がなくても、
母親の同意が要件のときは、母の同意書で良い場合もあります。

ところで、胎児認知を届け出る市区町村役場ですが、母が日本人の場合は母の本籍地。
母が外国人で日本に住んでいる場合は、母の住所地となります。

双方が認知要件を満たし、認知届が受付されれば、親子関係が成立することになります。

{民法等の一部を改正する法律について} 法務省のウェブサイトから記載

 令和4年12月10日、
民法の嫡出推定制度の見直し等を内容とする民法等の一部を改正する法律(令和4年法律第102号。以下「本法律」といいます。)が成立し、同月16日に公布されました。
本法律は、同日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行されます(懲戒権に関する規定等の見直しに関する規定は、令和4年12月16日から施行されました。)。

1 嫡出推定制度の見直しのポイント
 ○ 婚姻の解消等の日から300日以内に子が生まれた場合であっても、
母が前夫以外の男性と再婚した後に生まれた子は、
再婚後の夫の子と推定することとしました。
 ○ 女性の再婚禁止期間を廃止しました。
 ○ これまでは夫のみに認められていた嫡出否認権を、子及び母にも認めました。
 ○ 嫡出否認の訴えの出訴期間を1年から3年に伸長しました。


※【重要なお知らせ】無戸籍でお困りの方へ
 嫡出推定制度に関する改正後の規定は、
原則として、本法律の施行日以後に生まれる子に適用されますが、
本法律の施行日前に生まれた方やその母も、本法律の施行の日から1年間に限り、
嫡出否認の訴えを提起して、
血縁上の父ではない者が子の父と推定されている状態を解消することが可能です。対象となる方は、訴えを提起できる期間が限定されていますので御注意ください。御不明の点があれば、
全国の法務局・地方法務局又はお住まいの市区町村の戸籍窓口に御連絡ください。
 なお、法務局・地方法務局の連絡先は、次のリンクを御覧ください。
https://www.moj.go.jp/MINJI/consultation.html

2 懲戒権に関する規定等の見直しのポイント
 ○ 懲戒権に関する規定を削除しました。
 ○ 子の監護及び教育における親権者の行為規範として、
子の人格の尊重等の義務及び体罰などの子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動の禁止を明記しました。

3 その他の改正内容
  このほか、本法律では、子の地位の安定を図る観点から、
事実に反する認知についてその効力を争うことができる期間に関する規定を設けるなどしています。
  

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当事務所のもう一つのウェブサイト
折本徹行政書士事務所「渉外戸籍」     
https://www.toruoriboo.com/syougai_koseki.html
へアクセスしてください。

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