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寺田淳

シニア世代が直面する仕事と家庭の問題解決をサポートする行政書士

寺田淳(てらだあつし) / 行政書士

寺田淳行政書士事務所

コラム

繋がる人、離れる人

2022年12月22日

テーマ:50歳からの人生

コラムカテゴリ:くらし


【はじめに】

 早いもので私が早期退職で会社を去ってはや12年余。
在職中最後に共に仕事をしていた「最後輩クラス」のメンバーも
そろそろ定年や早期退職の時期に差し掛かってきました。

 同時期に辞めたメンバーに加えて、後輩クラスの中でも

未だに定期的に顔を合わすレベルの付き合い、
定期的な連絡だけだが頻繁に情報交換を続けているレベルの付き合い、
年賀状や季節の挨拶だけは今も続けているレベルの付き合い、
既に人伝にしか近況が分からないレベル。

 ここまでの差が生じています。

 今回はあくまでも私的な経験からの話題ですが、
人との繋がりについて考えてみました。

【定年後、早期退職後の交流で気付いたこと】

 最初は同じ様に同期会やOB会といった集まりに顔を出すものの
次第に顔を見なくなる、毎回必ず参加する等といった「変化」が出てきます。

 次第にフェードアウトしていくタイプの特徴としては、

  • いつも同じ話に行き着く
  • 目新しい情報や話題に乏しい
  • 会社時代の武勇伝や懐かしい話ばかり
  • 必ず会社への不満や愚痴で終わる



 という傾向が共通して見受けられました。

 同じ話題でもある程度盛り上がりはしますが、
毎回毎回同じ内容では、さすがに辟易です。

 それに比べて、
毎回参加で、こちらも会うことが楽しみなタイプは、

  • 毎回新しい話題を提供してくれる
  • 自身の経験談でも進んで失敗談を話す
  • 新しい職場で得た情報や業界のうんちくを持ち出してくる
  • 仕事以外の話題も豊富



 等といった共通項が見受けられました。

 当然ながら耳新しい新鮮な話題を持ち出してくれたり、
こちらが関心を持つような経験やエピソードが聞けるとなれば
また次の機会にも会おうと思いますし、誘うことに繋がります。

 中には退職後、なかなかいい再就職に巡り合えない方もいます。
だからといってこの立場の方が全員フェードアウトすることはありません。
実際は苦労しているはずなのに、場が暗くなうような内容は避けて
笑えるエピソードとして、自ら話すようなタイプは積極的に参加してきます。

 さらに言えば、
そういうタイプの方は概ね、その後何らかの仕事に巡り合っていました。

【何が差を生じさせるのか?】

 当然ですが、最初は全員退職後も会おうと思った仲間です。
在職中にはさほど個人差や目立った差異などは気付きませんでした。

 ではなぜ会社という共通の入れ物を離れて数年で差が生じてしまうのでしょう?

 ひとつ感じたことは
「仕事と共に社会との接点を手放したタイプ」
は、次第に没交渉になっているという点でした。

 さらにそこから勝手に深堀りした結果として、

  • 自分で決めた価値観に固執するタイプだった
  • 会社員時代はかなり順調に昇進を重ねたようなタイプだった
  • 失敗を恥と思い、なかなか自分の失敗を認めないタイプだった


 要約すれば、自己評価の高すぎる特徴があったと思いました。

 この手のタイプは、事務所を訪れる相談者にも言えることですが、
一度の挫折で致命傷を負いやすいのです。

 傍から見れば高望みの再就職先ばかりを追い求めていることで
二度三度と失敗を続けてしまい、一気に自己否定に暗転するようです。

 そういった姿を、特に昔の仲間には見られたくない、悟られたくないとなり、
自ら交流の場を避ける、情報を遮断する、孤立化まっしぐらとなっていくのです。

 ですから退職直後は顔を出しても現状(=無職)の自分を知られないように
昔話に終始し、当時の成功譚だけを繰り返す。 

 やがてそれも恥と思い始めて、自らフェードアウトしていく…

 却って在職時から仕事一筋で酒・ばくちにも無縁で、全く付き合いがない。

 そういった相手ならこちらも接点が無いわけで無関心で済みまが、
以前は交流のあった仲間が不本意な形で疎遠になってしまうのは、
何ともやるせない話です。

 私の周辺でも、退職後地元に帰郷したり、仕事の関係で遠方に転居したことで
以前より疎遠になった仲間は少なくありません。

 ですが、
たまに仕事の関係で上京した際には、必ず連絡をくれるメンバーも少なくありません。

 他にも現役時には直接仕事で繋がっていなかったようなメンバーが
なぜか退職後の方が頻繁に連絡を取って密な関係になったケースもあります。

 繋がりを深め、長く継続するのは、あくまでも個人の人間性なのでしょう。

 打算や計算づくでの繋がりではないこういった仲間の存在は、
60才を過ぎた今、より輝きを増していることは間違いのないことで、
これからも末永く保っていきたい財産です。

この記事を書いたプロ

寺田淳

シニア世代が直面する仕事と家庭の問題解決をサポートする行政書士

寺田淳(寺田淳行政書士事務所)

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