節税メインのマンション経営がうまくいかない理由

仲宗根和徳

仲宗根和徳

テーマ:マンション経営コラム

皆さんこんにちは。
和不動産の仲宗根です。
本日テーマは【節税メインのマンション経営がうまくいかない理由】についてです。

節税は悪いことではないが、それをメインに考えるとリスク

節税は悪いことではありませんが、そればかりを中心に考えていると足元をすくわれることもあります。

今回は、節税をメインとした場合のマンション経営のリスクをテーマについて解説したいと思います。

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相続税対策は評価額だけではない

前回のコラムで相続税、所得税、住民税の節税効果があることはお話ししましたが、その中でも特に相続税の節税効果は非常に大きいことはご理解いただけたと思います。しかし、節税をあまりにも重視しすぎた結果、思わぬ失敗を招くことがあるのです。まずは相続税評価額に注目して、マンション経営の落とし穴についてご説明したいと思います。

まずは相続税についてご説明します。一般的に、亡くなった方から相続できる遺産は非常に多岐にわたります。大きく分けてプラスとマイナスの2種類がありますが、プラスのものは現金、土地、家屋、車といった現物から、著作権や借地権、ゴルフ会員権のような目には見えない権利まで相続の対象になります。一方マイナスの遺産とは借金や住宅ローンがほとんどです。基本的に、亡くなった方が所有しているものという解釈で問題ありません。

しかし、なんでもそのまま無条件で受け継げるというわけではありません。相続には相続税という税金を払わなくてはならないからです。もちろん、課税対象となるものが多いほど税額も高くなります。先ほどもお話しした通り、相続の対象になるものは非常に多いです。人によってはいくらになるか、すべてまとめた金額でいうと想像もできなくなっているかもしれません。その相続税を計算するときの基準となるものが相続税評価額というものです。

中でも、不動産は非常に大きなものです。規模が他の物とまったく違うので、相続税も相当なものになります。しかし、言い換えれば節税できた時の恩恵も大きいということになります。有価証券が100%課税対象なのに対し、不動産投資は大幅に控除されます。

ここからが本題です。金額が金額なため、何が何でもまずは節税と考えてしまうのも無理はありません。しかし、これに対して一言で言うとすれば「目先のことに囚われてはいけない」ということです。相続にはトラブルが付き物です。それを避け、家族全員のために公平な財産分与を明確にしなければなりません。節税はそれからでも十分間に合います。

節税メインでマンション経営をすると?

以前のコラムでご説明したように、マンション経営は損益通算によって節税効果を受けられます。マンションの販売会社も、所得税や住民税の節税効果を積極的にアピールしてくることが多いでしょう。

ただし、マンション経営のメインテーマを「節税」としてしまったら間違った経営となり、うまくいかない可能性があります。3つの理由をベースに確認していきましょう。

まず、ひとつ目ですが家賃に合わない割高な物件を購入する可能性がある…ということがあげられます。
不動産会社の中には、節税のメリットを理由に、わざわざ相場より割高の物件をすすめることもあるので注意が必要です。

割高な分、家賃収入が建物の減価償却を上回ってしまい、赤字が節税になるという考え方ですが、それは大きな間違いです。
将来的に売却する際、中古価格の相場で手放すことになるので、割高で買ってしまうと、ほとんどが損をすることになります。
したがって、部分的な赤字で節税できたとしても、全体として考えると、無意味なこととなります。

マンション経営において、申告上の事業収支が赤字になればなるほど、その節税効果が高まるのは事実ですが、物件価格そのものが割高で、ローンの返済額が家賃を大きく上回ってしまうことがないように気をつけてください。

節税メインでマンション経営をすると?

引き続き、節税をメインとした場合のマンション経営がうまくいかない理由について考えてみましょう。

2番目の要素は、通常より高い金利での借り入れになってしまう可能性がある…というものです。

販売会社により、いかにも節税効果があることを見せる方法で金利の高い金融機関から融資をさせることがあります。

2015年6月の時点での投資物件向けローンの金利は2%前後ですが、「金利が4%近い物件を購入した」といった相談が寄せられるなど、多くの方が業者に節税対策のシミュレーションを提示されて、高い金利が良いと説得されるようです。

金利が高いと、毎月の返済は自ずと増えます。そうなると確かに、収支はマイナスになりやすいので、節税効果が上がることも事実でしょう。
ただし、それがマンション経営のメリットになるかというと、そうとは言えません。

たとえば、同じ35年払いで2,000万円を金利2%で借入した場合と、4%で借入した場合を考えると、総返済額の差額は約900万円になります。
節税のプラス面を考えて購入した結果、900万円という損失を出すことになり、
メリットどころかデメリットになってしまいます。

販売会社がプラスの面ばかりを話しシミュレーション等を見せてきた場合、マイナス面等について質問できるよう知識を持っておきましょう。

ご自身で判断できない場合は、専門家にご相談されることをおすすめします。

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節税対策を手荒にやりすぎると税務署のチェックが入る!

3つ目の理由は、税務署のチェックが入り、ペナルティの対象になる可能性があるという、ちょっと穏やかでないことが起こりえます。

節税方法のひとつとして、経費の計上があります。マンション経営における経費には減価償却費、ローンの利息(建物分)、管理費、修繕費、固定資産税、保険、雑費などがありますが、節税対策として「ついついコントロールしすぎてしまう」ということに注意してください。

特に白色申告の場合、雑費においては領収書の添付義務がないため、マンション経営の業務と無関係の飲食代や娯楽代を計上してしまうことがあるようです。このような手荒な手法により、実際に赤字申告をすることで大幅な節税をされることもあります。

しかし、通常では考えられないケースなので、税務署に目をつけられてしまうでしょう。脱税や申告漏れをすると罰則があり、罰金を支払う羽目になれば、節税どころではありません。

違法な節税は、もちろんNGです。修正申告をすると、7年間、さかのぼって調査されるので面倒なことになります。

このように、節税をメインとしたマンション経営はデメリットの方が多いのでおすすめできません。
節税は、あくまでも補足的なメリットとして考えましょう。

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今回のコラムは、ここまでです。最後までお付き合い頂きましてありがとうございます。次回のコラムもお楽しみに!
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