外回りの営業社員の労働時間管理について
人事トラブル、特に解雇に関するトラブルは、突然やってきます。
多くの場合、裁判所から通知が郵送されて、経営者はに気づきます。
解雇された社員が、「不当解雇だ」と裁判所に訴えた場合、裁判が終わるまでには、1年以上はかかる可能性があると、考えてください。
ほとんどの中小企業の経営者で、弁護士と顧問契約をしている例は多くないと思います。また、顧問弁護士も契約等の商取引には詳しくても労働問題に詳しいとは限りません。
裁判になった場合には、会社側に立つ労働問題に詳しい弁護士を見つけなければならない、ということになります。
ところが、経営者側に立つ弁護士はそんなに多くありません。
その理由は、労働に関する法律が、労働者側に圧倒的に有利に作られているからなのです。
そして、裁判官もある意味、労働者(公務員)なので、労働者に有利な判断をするという傾向もあると聞いています
法律も裁く人も労働者側、裁判で争っても負けることがほとんどだ、と弁護士の皆さんはわかってらっしゃるのです。
だから、優秀な弁護士ほど、会社側には立たない傾向があるという噂もあります。
訴えられた会社の社長は、裁判を引き受けてくれる弁護士を、必死に探さなければならないのです。
そして、必死に見つけた弁護士には、着手金などの弁護士報酬を前払いをする必要が有ります。
ここから、裁判に向けて、さまざまな書類を作成したり、それの基づく証拠を集める作業が発生するのです。
しかも、裁判所への出頭の日は2週間後だったりします。
社長は本業の合間に、この作業を弁護士と一緒になって行います。
そして、裁判が始まると、弁護士に任せることが多くなるのです。
ところが、上司や同僚が証人として出頭しなければならないこともあります。
裁判所に出廷している間、社員が仕事をする時間が削られます。
会社の本来の業務に影響を与えることも考えられます。
そうして、約1年後には、裁判の判決が出るのが一般的です。
多くの場合、会社に不利な「不当解雇により解雇無効」という判決がでます。
「解雇無効」の判決が出た時点で、訴えをおこした従業員に対して、不当解雇のため、過去一年分の賃金を支払いなさいという命令が出ます。
1年の裁判中、全く働いていない従業員に対して、1年分の給料を支払支払わなければならないのです。
しかも利息が年利5%つきます。
たとえば、月給30万円の労働者を解雇し、裁判で1年争って負けたら
30万円×12カ月=360万円を、金利をつけて支払わなければならないのです。
さらには、判決の内容によっては、自社の弁護士費用だけでなく相手の弁護士費用も負担することも現実問題としてあります。
これだけでも、数百万円位の費用が、余分にかかることになります。人事トラブルが経営に与える影響は大きいのです。
人事トラブルを甘く考えていると、後になって大きな負担が生じることになります。
トラブルを未然に防ぐよう、規定類を整備すると共に日頃から労務管理には気をつけることです。
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