3年生の読書感想文・『100万回生きたねこ』

テーマ:国語

 だいぶ前にも書いたことがあるのですが、佐野洋子さんの『100万回生きたねこ』について、今年の小学3年生の1人が、夏休みの読書感想文を書いています。

 『100万回生きたねこ』は、1977(昭和52)年初版発行ですから、お母様方の多くはおそらくご自身も読んでおられ、書名をあげると知らない方はまずないと言っていい、ポピュラーかつ不朽の名作です。

 また、やはり多くのお母様が、3年生にこの本で読書感想文を書かせるというと、「え、あれはもっと小さな子が読む本ではないのですか」とおっしゃいます。未就学のころ親子で読むのに良い本ですから、そう思われるのも当然ですね。

 もちろん、3年生の子が読書感想文の対象として取り組む際、その子が小さい時に読んでいてもいいのです。いや、むしろ読んでくれていた方がいいでしょう。あらためてこの本を読み、大事なところに気がついてほしいから、3年生というこの時期に、『100万回生きたねこ』に向き合ってもらうのです。2年生や1年生には、やらせません。

 小学3年生だから気づいてほしいこと、それは何でしょう。内容をご存じの方が多いと思いますのでかいつまんで述べます。

問.王様や船乗りやどろぼうなどのねこだった時は100万回生き返ったねこが、白いねこと幸せに暮らし、先に死んだ白いねこのあとを追うように死んだあとは、なぜ生き返らなかったのだと思いますか。

 大人が考える模範解答は、次の通りです。

<100万回生き返ったころはいつもだれかの飼い猫だったけど、のらねこになって自分の好きなように生き、白いねこと幸せに暮らして、自分の人生をせいいっぱい生き切ったから。>

 当然ながら、3年生の子たちに、「人生を生き切った」などという答えは求めません。一人一人の子が、その子なりに自分の言葉で、白いねこと幸せに暮らして、幸福だったからだということを表現してくれれば、それでいいのです。

 そして、今年の3年生男子の、その部分の読解シートの記述内容は、次の通りです。

「ずっと二人でいっしょにいたいから、生き返らなかった。」

 すばらしい考えですね。このようなことを考えられるのは、やはり3年生だからです。そしてこの機会がなかったら、この子はこうした読書の味わいと、自身の成長を知ることはなかったでしょう。

 このような経験を重ねることで、本を読む楽しさ、本の世界の深さを知ることができ、国語の力は伸びていきます。これも本当に深い「真の国語」の学びです。こうした機会を持てる読書感想文指導を、夏期講習の小学生の国語の柱として、小6受験以外のすべての子に、取り組んでもらっています。

 小学1年生から6年生、すべての学年のお子さんに、これから夏期講習を受けていただくことが可能です(1年生は絵日記などにも対応します)。無料体験授業も、1教科につき1コマ受講できます。日程、空き状況等、ご関心のある方はお気軽に、言問学舎舎主・小田原漂情までおたずね下さい。メールでも電話でもけっこうです。

夏期


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小田原漂情
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小田原漂情
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小田原漂情(学習塾塾長)

有限会社 言問学舎

自らが歌人・小説家です。小説、評論、詩歌、文法すべて、生徒が「わかる」指導をします。また「国語の楽しさ」を教えるプロです。みな国語が好きになります。歌集・小説等著書多数、詩の朗読も公開中です!

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