国語のアクティブラーニング 「真の国語」のありようについて

小田原漂情

小田原漂情

テーマ:国語

 令和6年能登半島地震でお亡くなりになった方々を衷心よりお悔やみ申し上げます。地形の問題などで救援、復旧が思うにまかせないという報を見るにつけ、胸が痛むばかりですが、一日でも早く被災した方々のお身の回りが安全なものとなるよう祈念致します。 


 言問学舎を経営し、「真の国語」を教えて来て二十年。「真の国語」とはいかなるものか。それは端的に言えば、正解の見つけ方を学ばせるのでなく、文章の本質を読みとる力を育み、さらに学習者自身の人間性をその本質と向き合わさせ、その上で自分の考えをまとめて表現できる力を育てることです。このことと、受験で高い得点を取ることは別のことと考える人が多いかも知れませんが、言問学舎では創業当初からそれを両立させ、多くの卒業生が感謝の言葉を寄せてくれています。一人の言葉をご紹介させていただきたいと思います。

<私は小学校時代から、ずっと言問学舎に通いました。言問学舎の真価はひと言でいうと、大学受験の勉強をしていながら、「受験勉強オンリー」ではなく、真の学力、教養が自分の身についたと感じることです。大学受験の評論文の勉強をする時でも、先生は、大学進学後の勉強を見すえて、いろいろな考え方や基礎知識も、教えてくれました。もちろん受験勉強としても、ここで国語の勉強をすれば、国語は平均して点が取れるようになるので、志望校合格を強力に後押ししてくれるようになりますよ。>

 また、先述した「真の国語」を実践するための教材として、『国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力』シリーズを2019年3月から出版しており、新たなシリーズ化の可能性を持つものとして、昨年、2023年5月に『スーパー読解「舞姫」』を出版しました。「スーパー読解」シリーズとして刊行することをまだ正式決定してはいませんが、構想として、まず来年あたりに『スーパー読解「山月記」』をやってみようかというプランを持っております。

 『音読で育てる読解力』、『スーパー読解』シリーズいずれにも共通することは、①文章を音読し、「音韻」から文章の本質をつかむこと、②学習者(読者)が自身の人間性を向き合わせる手がかりを、「(スーパー)読解シート」によって差し出すこと、の2点であります。

 ここでいう「音韻」とは、一つ一つの言葉が持つイントネーションやリズム、手ざわりを総合したものであり、すべての言葉が固有の「音韻」を有している上、また文章ごとに異なる言葉の組み合わせが異なる「音韻」を生み出しているわけですから、その「音韻」から生まれる力が、それぞれの文章が持つ「強弱」や「訴求力」となっているのであって、音読によってその「音韻」をつかむことができると、それぞれの文章の持つ力がよりよく理解できることとなります。それが音読の効用の最大のものでしょう(ほかに誤読の防止、文学的文章なら作中の人物の気持ちを知ることができる、などいくつかの効用があります)。

 そして、音読によって文章を味わうことができても、文章の内容を自分に引きつけて自分のこととしてとらえるためには、手がかりが必要です。多くの子どもはその手がかりを自分で見つけることができないため、読解、もしくは感想文が苦手だと思っているのですが、それは適切な手がかりを差し出してあげることで解決できます。そのために大きな効果を発揮するのが「(スーパー)読解シート」であります。

 言問学舎ホームページ「ひろく一般のみなさまへ」で先日お知らせしましたが、『スーパー読解「舞姫」』で勉強した今年の高校3年生の一人は、大学入学共通テストで200点中173点をマークしました。また高校2年生の一人は『スーパー読解「舞姫」』で勉強し、200字×20枚の読後レポートを書き上げたほか、冬期講習ではじめて挑んだ大学受験用「ターゲット現代文」中堅私大用の一つの問題で50点中50点、もう一つの問題で50点中46点という結果を出しました。スーパー読解シートで『舞姫』を深く読みこんだ経験は、「共通テスト型」の、読者の考えについて正答を選ぶ問題や複数の生徒の意見から適切なものを選ぶ問題などを苦にしませんし、『舞姫』を深く読みこめば論説文の読解力も向上させることができるという当方のねらいを、高2の生徒もきちんと実証してくれたのです。

スーパー読解『舞姫』

 今年4月を目標に、『国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力』の中・低学年用完結編「小学2年生~4年生対応3」を刊行し、同シリーズの高学年用3巻、中・低学年用3巻を発行し終えて、シリーズを完成させる計画です。言問学舎の「真の国語」が、その主たるコンテンツの第一弾『国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力』を完成させ、さらにステップをすすめていく、ことし令和6(2024)年であることを、1月の終わりではありますがお伝えさせていただく次第であります。



※言問学舎で国語ほか(小学生4科、中・高生5科)の勉強をしたいとお考えのみなさまのための入塾説明会を、2月も随時開催致します。詳細は下記リンクよりご確認下さい。次回開催は2月3日土曜日(09:45~/18:45~の2回)です。
2月期説明会・前半日程のご案内


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 03‐5805‐7817 舎主・小田原漂情までお願いします。
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http://www.youtube.com/watch?v=9d_nMZpDjbY&feature=youtu.be

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小田原漂情
専門家

小田原漂情(学習塾塾長)

有限会社 言問学舎

自らが歌人・小説家です。小説、評論、詩歌、文法すべて、生徒が「わかる」指導をします。また「国語の楽しさ」を教えるプロです。みな国語が好きになります。歌集・小説等著書多数、詩の朗読も公開中です!

小田原漂情プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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