『山月記』読解の最重要ポイントは?ここだけきっちり押さえましょう!
かねて本コラムほかでご案内して来た通り、言問学舎では2019年3月より、「真の国語」の理念を体現する『国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力』高学年用(小学5年生以上対象)、中・低学年用(小学2年生~4年生対応)各2巻を刊行してまいりました。途中コロナ禍への対応のため計画より遅れたことは否めませんが、このほど内容としての完結篇となる「小学5年生以上対象3」を刊行した次第です(2023年8月1日発行)。すでに従来配本のある書店へは送られているほか、Amazon等ネット書店での注文も可能であり、言問学舎店頭での販売も開始しております。
今回、特に志したのは、「真の国語」を学んでもらう中で、大切なことを知ってもらうことです。それは、自分たちの国の前世紀、まだ百年に満たぬ近い過去にどのようなことがあったか(本書で具体的に書いているのは広島、長崎の原爆と、「きけわだつみのこえ」が実情を伝えている戦没学徒のこと)を知り、その上で自分たちの将来のために、そうした過去とどうやって向き合うかを考えること、その土台を作ってもらうことであります。
戦没学徒に関しては、文京区本郷5丁目にある「わだつみのこえ記念館」へお邪魔して、理事長先生のお話を伺った上で取材をさせていただきました。大学生として「考えること」に打ちこんでいた方たちが逃れ得ぬ死への道に直面し、考え抜いたこと、そしてその中でも愛する人への思いを深く抱きつづけていたことなどを、子どもたちにわかるように書きつづりました。
広島の原爆については東京書籍版『新しい国語』中学1年用教科書に掲載されている「碑(いしぶみ)」の県立広島二中の1年生のこと、『はだしのゲン』のこと、そして2歳で被爆し、十年後に白血病を発症して、亡くなられた佐々木禎子さんのことを書かせていただきました。8月5日からその文章を使って授業をしていますが、広島の原爆のことをある程度知っていた子も、自分たちと年代の近かった広島二中の生徒たちや禎子さんのことを新たに知り、心に深く受けとめた感想を、つづっています。まずは言問学舎の中から、本書の志す「真の国語を学ぶ中で、大切なことを知ってもらう」営みを実践し、少しずつでも広めていきたいと思います。
また長崎の原爆については、ご自身が白血病であり、さらに原爆投下の際の火傷や原爆症の身をおして被爆者の治療にあたられた永井隆博士のこと、私自身は城山小学校平和祈念館の展示で拝見した、晴れ着姿に薄化粧を施して荼毘(だび)に付された二人の少女のこと(松添博氏の「悲しい別れ-荼毘」)について紹介させていただいた上に、1949(昭和24)年に藤山一郎先生がお歌いになった「長崎の鐘」(古関裕而作曲、サトウハチロー作詞)を、永井隆博士の短歌に藤山一郎先生が作曲された「新しき」とともに歌わせていただいて、DVDに収録してあります(「長崎の鐘」「新しき」の歌唱動画は本年9月19日までYou Tubeで公開しました。いずれもJASRAC、日本コロムビア許諾済みです)。広島、長崎とも、2022年3月10日から12日にかけて取材し、多くの方々のご助力を賜りました。
本コラムでも、「国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力」について、計画段階からお話しさせていただき、多くの方のお目通しを賜ってまいりました。刊行順としては、まだ「小学2年生~4年生対応3」の刊行が来年春に控えておりますが、内容順、学習者の学習順としては、今回の「小学5年生以上対象3」がシリーズの「完結篇」となります。これまでのご注視、ご支援に感謝しつつ、シリーズの一区切りのご報告をさせていただきたいと考えて、この一文をしたためた次第であります。
★本書の概要は以下の通りです。Amazonはじめネット書店からの注文も可能です。言問学舎店頭でもお求めいただけます。
発売日:2023年8月1日発行
言問学舎版
A4判 154ページ
ISBN:978-4-9910776-8-5
目次 はじめに
本を読むということ
生きていてよかった
「わだつみのこえ記念館」をたずねて
藤袴胸に刻むの記
忘れまい、八月六日の広島の朝を
「長崎を最後の被爆地に」
「長崎の鐘」・「新しき」歌詞
あとに
★また、本年8月31日まで、本書と真の国語理念を広めるためのクラウドファンディング 「真の国語力をはぐくみ、大切なことを伝える本を広めたい!」を実施中です。よろしくお願い申し上げます。
https://camp-fire.jp/projects/view/691075?list=projects_fresh
国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師
小田原漂情
文京区の総合学習塾・言問学舎HP
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http://www.youtube.com/watch?v=9d_nMZpDjbY&feature=youtu.be]]
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