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コラム
表現者の魂を思う‐令和元年10月16日
2019年10月16日 公開 / 2021年3月1日更新
今日は10月16日。日本にハワイアンの種を播き、根づかせて下さった灰田有紀彦先生のご命日です。例年のならいとなりますが、言問学舎塾長プログの記事を転載させていただきます。常体のままの文章であることをおゆるし下さい。
今日10月16日は、灰田有紀彦先生のご命日である。先生が作曲なさった『森の小径』『鈴懸の径』などの稀有にして美しいメロディーが多くの日本人のこころをなぐさめ、私も青春時代から大いに救われて来たということは、例年語っている通りである。
今年は、言問学舎で国語教材の出版という新しい道に踏み出した。今月末の出来をめざして、夏休み明けから新刊の準備を進めて来たが、ちょうど今日、その原稿がすべて出来上がったのである。先週末は台風への備えもあり、もくろみよりわずかに遅れたが、何とか今月中には製品がそろい、販売を開始できる見通しが立った。
原稿をそろえられる見通しがついたのは、昨夜である。そして今日、生徒が登塾して来るまで作業を進めて、公に発表できる段取りをつけられた(本稿が、公表第一回であるが)。段取りのついたのは今日の午後だが、原稿があらかたできて、その見通しが立ったのは昨夜日付が変わった頃、すなわち10月16日になってすぐのことである。
その時、私は有紀彦先生のご命日に、新刊の準備が整ったご縁を思った。無論、今回の新刊は文語文法(古文の文法)に関するもので、厳密に言えば私の創作物、表現上の作物に属するものではない。しかし言問学舎で国語を教えること、そしてその精神と技術を多くの方たちに広めて行くことは、創業以来私が全力を注いで来た道であり、小田原漂情の生きる道をあらわすものであることは疑いない。その意味で、私はこの10月16日に新刊の準備を終えたことが、灰田有紀彦先生のお導きであり、ご縁なのではないかと強く感じた次第である。
まもなく、日付がまた変わろうとしている。私は今日一日、灰田有紀彦先生の表現者の魂に導いていただきながら、行動していたように思えてならない。
令和元年10月16日
小田原漂情
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