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小田原漂情

国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師

小田原漂情(おだわらひょうじょう) / 学習塾塾長

有限会社 言問学舎

コラム

10月16日、灰田有紀彦先生に

2018年10月16日 公開 / 2021年3月1日更新

テーマ:小田原漂情

コラムカテゴリ:スクール・習い事

本日も私にとって特別な一日ですから、言問学舎ホームページのブログの文章を、そのまま転載させていただきます。


 今年もこよみが十月の半ばをすぎて、今日16日を迎えた。故灰田有紀彦先生のご命日である。私のように、戦後おそくに生まれ、勝彦先生が六十を過ぎていらっしゃるあたりから灰田メロディーに親しんだ享受者としては、まず<灰田勝彦>という光り輝く存在を知り、そしてお兄様の<灰田有紀彦>というみなかみを知るという経緯をたどったのが普通であろう。

 戦前のオールドファンの方たちは、まず「灰田晴彦(戦後、有紀彦と改名なさった)とモアナ・グリークラブ」の活躍からご兄弟に親しみ、弟の勝彦先生のことは「トシ坊、トシ坊」(本名、稔勝=としかつ)と愛称したらしい。私の手もとにも、お名前も名のられぬ勝彦先生の古いファンの女性からいただいた、一通の長いおたよりが残っている。その方は三重県の御在所岳の麓にお住まいで、私が1992年に刊行した『遠い道、竝に灰田先生』(画文堂版)を、中日新聞に出した広告を見てご購入下さり、十年前に泉下に旅立たれた勝彦先生への淡い清らかな思いを私に託して、長い手紙をお送り下さったのであった。

 今にして思えば、少年時代にハワイから日本へやって来て(父の死に伴う帰郷)、ふるさとのハワイを思う気持ちをハワイアンの調べに乗せた若き日の有紀彦先生(晴彦先生)のお気持ちこそが、勝彦先生を音楽の道にいざない、御在所岳の麓のご婦人など多くのファンを勝彦先生のもとにみちびいた。そしてさらに年月を経て、ご兄弟の美しい音楽(灰田メロディー)とその大きな存在は私のような若年者をもひきつけて下さって、こんにち私がこのような文章を綴る流れへと、みちびいて下さったのである。

 そして、灰田有紀彦先生、勝彦先生ののこして下さった『森の小径』ほかの美しいメロディーは、青春期の私をささえてくれ、こんにちまで長く、真っすぐ歩む道へとみちびいて下さった。このような出会いこそ、表現者である私にとって自分自身の念願とするべきところであるし、また今日のような日は、文字通りそのみなかみである灰田有紀彦先生に、心から感謝の思いを捧げたい。これからも有紀彦先生、勝彦先生のすばらしさを伝えることで、ご恩返しにつとめたいと願う今日一日である。


平成30年10月16日
小田原漂情

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