『山月記』読解の最重要ポイントは?ここだけきっちり押さえましょう!
今日は水曜日ですから、学校によっては、すでに中間テストがはじまっているところも、あるかも知れませんね。ぎりぎり、こちらでお約束した通り、本日(5/21)、高校生の現代文テスト対策『舞姫』完結篇を、「国語力.com」上に掲載しました。
一部分、エリスのいちずな愛の様子が描かれた部分に「現代語訳」を施しましたので、こちらでも、ご紹介しておきましょう。
車はクロステル街に曲がりて、家の入り口に止まりぬ。この時窓を開く音せしが、車よりは見えず。馭丁にカバン持たせて梯(はしご)を登らんとするほどに、エリスの梯を駆け下るに会ひぬ。かれがひと声叫びて我が項(うなじ)を抱きしを見て馭丁はあきれた面持ちにて、何やらん髭のうちにて言ひしが聞こえず。
「よくぞ帰り来たまひし。帰り来たまはずは我が命は絶えなんを。」
我が心はこのときまでも定まらず、故郷を思ふ念と栄達を求むる心とは、時として愛情を圧せんとせしが、ただこの一刹那、低徊踟躕(ていくわいちちう=あちらにしようか、こちらをとるかと、あれこれ思い悩むこと)の思いは去りて、余はかれを抱き、かれの頭は我が肩によりて、かれが喜びの涙ははらはらと肩の上に落ちぬ。
(車はクロステル街に曲がって、家の前に止まった。この時、窓を開ける音が聞こえたが、車からは見えない。馭者に鞄を持たせて階段を上ろうとしたそのときに、エリスが階段を駆け下りて来たのに出会った。彼女が一声なにかさけんで私の首すじに抱きついたのを見て、馭者はあきれた表情で、何やら髭の中でぼそぼそ言ったようだが、聞き取れない。
「よくぞお帰り下さいました。もしお帰りにならなかったら、私は死んでしまっていたでしょうに。」
私の気持ちはこの時もまだ固まっておらず、日本を思う気持ちと、出世を望む心は、時にエリスへの愛の方を押しつぶそうとしたが、ただこの刹那において、どちらをとろうかとあれこれこ思い悩んでいた迷いは消えて、私はエリスを抱きしめ、彼女は頭を私の肩にもたせかけて、エリスの喜びの涙がはらはらと、私の肩の上に散った。)
「国語力.com」においても、1回の文字数の一定の目安は設けてあるのですが、今回は、期日のあることですから、少し長めの記事になりましたが、一挙に掲載しました。『舞姫』についても、全5回をしっかりチェックしていただければ、より良く理解していただくことができると思います。
なお、『舞姫』では「付録」に代えて、ご希望の箇所の部分訳にお応えします。「国語力.com」文末よりアクセスして下さい。
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