<決定版!読書感想文の書き方>を公開致します!<後篇>
文語文法を実際の文章の中で読みこなす、使いこなすことを、「文語文法実戦編」としてご案内し、来る5月3日には「特別体験学習」として、受講生(高校2年生または3年生)を募集しております。本日は「予告篇」として、そのあらましをご紹介します。
『大鏡』‐頼忠伝‐「三船の才」
ひととせ、入道殿の大井川に逍遥(せうえう)せさせ給ひしに、作文(さくもん)の船・管弦の船・和歌の船と分かたせ給ひて、その道にたへたる人々を乗せさせ給ひしに、この大納言殿の参り給へるを、入道殿、「かの大納言、いづれの船にか乗らるべき」とのたまはすれば、「和歌の船に乗り侍らむ」とのたまひて、詠み給へるぞかし、
をぐら山あらしの風の寒ければもみぢのにしき着ぬ人ぞなき
<現代語訳>ある年、入道殿(道長公)が大井川で散策・学芸の集まりを催しなさった折り、「漢詩を詠む船」、「音楽を奏でる船」、「和歌を詠む船」とお分けになって、それぞれの道にすぐれた人々をお乗せになりましたが、そこへ大納言殿(藤原公任卿)が参りなさいました。入道殿が、「あの大納言殿は、どの船にお乗りになるのだろう」と仰せになると、(大納言殿は)「和歌の船に乗りましょうか」とおっしゃって、歌を詠まれました。
美しく彩られた小倉山から吹き降ろして来る風が寒いので、紅葉が人々に降りかかり、みな錦の衣をまとっているようだなあ。
(『大鏡』本文は旺文社「古典解釈シリーズ 文法全解「大鏡」より引用、訳は参考)
ここでまず注目したいのは「二重敬語」です。順に抜き出すと、「逍遥せ”させ給ひ”」「分かた”せ給ひ”」「乗せ”させ給ひ”」「のたまはす(のたまふ+す、または一語の最高敬語とも)」で、前の三つは、尊敬の助動詞「す」「さす」に、補助動詞の「給ふ」が合わさっています。
これに対して、「この大納言殿の参り給へるを」、「のたまひて」「読み給へるぞかし」は二重でない一般の敬語表現で、大納言=公任卿の行為を述べたものです。ちなみに「参り給へる」は「二方面への敬語」と呼ばれるもので、「参り」は公任が参上する行為の受け手である道長への、「給へる」は動作主の公任への敬意をあらわすものです。
この例は、敬語表現から動作主を特定できる、わかりやすい例です。古文では主語が明示されない場合が多いので、敬語表現から動作主が特定できるのは、ありがたい文章でもあります。また敬語表現は、とりわけ古文では重要ということですね。
もう一つ、「参り給へる」の「る」の品詞は何か、と聞かれて、即答できますか。答えは完了(存続)の助動詞「り」の連体形で、「給ふ」(四段活用で尊敬)が已然形であることから判断できます。
ほかにも文法のポイントはたくさんありますが、スペースに制約がありますから、このぐらいにしておきます。「文語文法実戦編」の授業(特別体験学習会)では、このように読解と文法の実戦をフルにお教え致します(さらに深いところ、また「古文の常識」も含めて)。
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