都立高入試・国語<200字作文>は2段落で書きましょう

小田原漂情

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テーマ:国語

 都立高校の一般入試は、今年2月24日に実施されます。あと、およそ1か月半ですね。そして共通問題の国語では、大問四に200字の記述<作文>があり、10点の配点となっています。

 昨年までの自校作成問題では、学校によって字数が異なったり、出ている年とない年があったりしました。今年のグルーブ作成ではどうなるか、注目されます。

 今日は共通問題における200字作文の書き方について、お話ししたいと思います。

 まず「採点基準」ですが、これは当然、一律ではないと考えられます。学校によって、受験生に求める思考段階が異なるためです。従って、ここでは中3生として常識的な、かつ1000点満点で600点~700点の高校の受験生が当然書くべきである、というレベルに照準をあててご説明します。

 標題に、「200字の記述は2段落で」と書きました。起承転結や三段論法でまとめるには、200字では無理があるからです。三段論法(的な書き方)は、やってできないことはありませんが、形をつくるだけのものになってしまい、中身が薄くなります。

 従って、200字では2段落で、最初の段落に、文章を読んで自分が受けとめた(=感じた、思った)内容を書き、あとの段落に、「だから自分はこう考える」という、結論的な内容を書くとよいでしょう。これでまとまりがあり、かつ自分の意思を込めた作文となります。

 分量としては最低限、10行のうちの8行目の後半まで、書くことです。これで、指定された字数の8割超が書けたことになります。理想は10行全部書くことですが、50分という限られた時間内のことですので、できる範囲で考えます。「分量が少ないことによるマイナス」は、高校ごとに線引きがあるはずです。一般的に、8割書いてあれば、「あまりにも少ないから減点」とはされないように思われますので、「最低限8行フルに書く」ことを、目安として下さい。

 次は、原稿用紙の使い方、誤字脱字等についてです。

①文章の書き出し(1行目)と、新しい段落の行頭は、必ず1字下げる。

②句読点は、行の一番上のマスに書かない。前の行の一番下のマスの中か、外にぶら下げて書く。

③漢字は正確に使う。間違えてしまいそうな漢字は、ひらがなで書く。
 
この①~③は、「完全な減点項目」です。誤字・脱字が何か所で何点まで減点されるかは、はっきりとはわかりませんが、これらの点について誤りがあると、間違いなく減点されるのです。気をつけましょう。

④設問の指定どおりに書く。たとえば、「この文章を読んだ上で、あなたがクラスで発表する時に話す内容を、自分の見聞したことや経験を踏まえて書きなさい」などの指定があれば、それに従って、「見聞や経験を盛り込む」こと、また「発表するような語り口で書く」ことが必要です。指定どおりでないと、減点ではなく、はじめから7点、5点などとされ、そこから減点が始まる、ということになるかも知れません。内容が問題の文章に即していない場合も同様です。

⑤その他の注意 理由をあらわす接続詞(的なもの)として、「なので」を使うのは、やめた方がよいでしょう。これは近年、話し言葉が作文の世界に持ち込まれたものであり、ことばとして一つの単語でもないからです(形容動詞の語尾または助動詞「だ」の連体形+準体格の「の」+「にて」が転じた「で」)。公式な見解や基準を目にしたことはありませんが、多くの国語の教師は減点の対象にすると考えられます。

 入試は時間との勝負です。書いている途中で時間がなくなったら、とにかく書きかけの文を「。」で終わらせて提出しましょう。また、文章をきちんと読み、問題を解いて、内容をしっかり理解しているうちに続けてこの200字の記述を書くため、大問四は最後に解くことをおすすめします。記述に時間がかかり、大問五をとくことができなくなってしまうようでは、リスクが大きすぎます。大問五は合計25点、大問四の記述は、満点もらえて10点です。記述が書き切れなくていいというのではありません。一度しかない大事な入試で、できるだけ良い点数を取って合格するための戦術です。そして大問五を終えてから、落ち着いて大問四にかかり、自信を持って200字の記述を書き上げ、合格を勝ち取って欲しいと願います。

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小田原漂情
専門家

小田原漂情(学習塾塾長)

有限会社 言問学舎

自らが歌人・小説家です。小説、評論、詩歌、文法すべて、生徒が「わかる」指導をします。また「国語の楽しさ」を教えるプロです。みな国語が好きになります。歌集・小説等著書多数、詩の朗読も公開中です!

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