文章を書くこと、すなわち自己表現について③

小田原漂情

小田原漂情

テーマ:国語

 昨日は新6年生のクラスで、「しりとり作文」を実施しました。十年間、子どもたちに大好評のプログラムで、この時ばかりは普通の作文で筆が進まない子も、楽しそうに生き生きと、自分の世界を書きつづります。

 実際の進め方を、ご紹介します。

 まず、「その日のテーマ」と、順番を決めます。昨日は「生き物の名前」でした。これに限定して、しりとりをします。対象が決められているので、「ル」などになると、なかなか言葉が出て来ないこともあり、みんな頭をひねります。

 時間を区切っておいて、一人当たり5~7くらいの言葉がそろったら、しりとりは終了です。後半は、それぞれ自分が挙げた言葉をすべて使って、作文を書きます。ルールは次の通りです。

Ⅰ.一文ではなく、ストーリーのある物語形式にする。
Ⅱ.空想、虚構でよろしい。ただし、いい加減に言葉をつなげただけのものはダメ。
Ⅲ.時数は200字詰原稿用紙一枚を目安とする。

 子どもたちは、空想の世界で、自分の感じたことを書いて行きます。はじめは全く荒唐無稽な「文」であっても、何度かやるうちに、まとまったストーリーのものが書けるようになって行きます。メリットとしては、次のようなことが挙げられます。

Ⅰ.しりとり、作文を通じて、発想力・想像力が豊かになる。
Ⅱ.文章を書くことへの抵抗がなくなり、書く力そのものも向上する。
Ⅲ.しりとりの際に作文を想定して言葉を探すなど、「見通す力」が養われる。

 前回は文を書く「きっかけ」についてお話ししましたが、この「しりとり作文」は、子どもから書くことへの抵抗を取り除くためには、非常に大きな効果があります。ひとつには、ゲーム感覚で作文まで進行するので、子どもたちにとっても楽しいからなのでしょう。これを2、3回経験した子は、題材にもよりますが、200字から400字程度の文章を書くことについては、まったく苦にしないようになるのです。

 とはいえ、これはあくまでバリエーションのひとつ、それも年に数回だけの大きな変化球に過ぎません。決め球のストレートは、音読と読解です。この時は独自の読解シートを用い、作品について考えるポイントをまとめるため、感想文がきちんと書けるようになり、文章の読解力もぐんぐんついて行きます。次回はこちらを、ご案内致します。

文章を書くこと、すなわち自己表現について① 
文章を書くこと、すなわち自己表現について②

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小田原漂情
専門家

小田原漂情(学習塾塾長)

有限会社 言問学舎

自らが歌人・小説家です。小説、評論、詩歌、文法すべて、生徒が「わかる」指導をします。また「国語の楽しさ」を教えるプロです。みな国語が好きになります。歌集・小説等著書多数、詩の朗読も公開中です!

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