高校生の期末テスト対策 『こころ』(夏目漱石)の解釈はこれで万全!
国語がきらい、苦手、もしくは文章を書くことができない、というお子さんが、たくさんおられます。言問学舎創業期である十年前とくらべても、その割合は増えているように思われますし、不得手、得手の区別なく、子どもたちの「読んで、書く」ことに対する姿勢が、大きく変わっていることを感じています。
原因(と思しきことへの仮説)は後述しますが、ひと言で言うと、文字(文)を読み、その背後にあるものを想像しておぎなう力が、著しくそこなわれているように見受けられるのです。
もちろん、子どもたちの想像力がひとしなみに欠如しているわけではありません。言問学舎名物の「しりとり作文」(授業時間の冒頭15分程度、テーマを決めてしりとりをし、後半は自分の挙げた言葉をつなげて、作文を書く授業)では大喜びで、空想の世界を広げる生徒が多いです。物語・小説を読んだ後の感想も、刺激的な、あるいは瞬間芸的な?反応は、活発に見られます。
ただ、人物の背景や心情を想像し、自分の気持ちをそこに重ねるという「情緒的な想像力」については、ここ何年かの間で、かなり大きく変わって来ているように思うのです。主人公がなぜそうした行動をとったのか、あるいは涙をこぼしたのか、その意味を類推することに気持ちは動かず(つまり素通りして)、表面的、刺激的なストーリー展開の方に引っ張られる傾向が強いわけです。
これはもちろん、「程度」の話です。いつの時代でも「主人公の心情」などわからない、考えない、という子は、いるものです。ただ、現在とみに、前段で述べた傾向が強くなっていることを、「国語を教える」現場にいて、私は感じています。
こうした傾向が強まって来たことの理由の一つに、私は「視覚化・デジタル化の著しい進行」があるのではないかと考えています。
わかりやすい例が、カーナビです。今のカーナビは、ただ道順を地図で示すだけでなく、ものすごい機能がついていますね。大きな交差点では、車線が分かれる手前から親切に指示が出て、右折が2レーンあるとか、曲がり方が直角ではなく斜め右だとか、指示された通りに進めばだれでも間違えないと言っていいほど、懇切丁寧な案内が出て来ます(価格と機能にもよると思いますが)。
カーナビがない時代は、出発前にあらかじめ地図を頭に入れ、長い信号待ちで再確認する間などに、地図から想像して来たルートと実際の様子とを頭の中で突き合わせて、いろいろとプランを修正したものです。また、それでも実際に曲がる場所では予想外の展開や大きな勘違いがあったりしましたが、それが予測・修正の繰り返しの上にストーリーを組み立てる仕組みになっていたのです。
このカーナビの例と同じような状況が子どもたちをも取り巻いていることは、疑いありませんね。むろん、だから昔のような世の中に戻すべきだ、などと言うつもりはありません。そうではなく、きちんとした言葉、文章を、しっかり受けとめる環境さえ整えれば、子どもたちも(もちろん大人も)文章を読むことから様々なことを学び、想像する力を養うことができるということを、みなさんにお伝えし、また実践して行きたいと、言問学舎では考えております。
その時、鍵となるのはやはり、「心」です。「心」からのアプローチによってこそ、言葉を受けとめる力、国語力は、大きく伸びるはずなのです。
こうしたことを、これから段階的にお伝えして行きたいと思います。
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