高校生の期末テスト対策 『こころ』(夏目漱石)の解釈はこれで万全!
昨日ご案内した「行間を読む」ことと、きわめて密接な関係を持つ要素に、「音読」があります。よく言われる、音読が脳を活性化させるという知見のほかに、以下のような具体的な効用が「音読」によって得られます。
①正しい抑揚で正確に読むことが、内容を正しく理解することに直結する。
→この対極に、抑揚のない「棒読み」があります。これでは文章の内容をつかむことはできません。
②「ことば」「日本語」のうつくしさを知り、身につけることができる。
→正しい「読み」なくして、ことばのすばらしさを知ることはできません。ことばのすばらしさ、うつくしさは、「心」にもさまざまな栄養を与えてくれます。
③①②を通して、文字や言葉で直接書かれてはいないところにまで、思惟をめぐらせ、自分自身の「ことばの世界」を持つことができるようになる。
→すなわち、「行間」を読み、さらに「書く」ことへと進んでいきます。
◇夏の海 魚が海をかがやかせる 海が太陽を おどろかせる A.K
言問学舎で、昨年小学5年生の女子が書いた短歌です(2学期)。本人の資質、感性の中にある「感覚」が、ことばと対峙することによってすっと引き出された、良い例です。
また、山村暮鳥という詩人に、『風景 純銀もざいく』という有名な詩があります。第一連のみ、引用させていただきます。
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
かすかなるむぎぶえ
いちめんのなのはな
詩は全部で第三連まであります。「いちめんのなのはな」が各連とも7行繰り返され、8行目が、第二連では「ひばりのおしやべり」、第三連では「やめるはひるのつき(病めるは昼の月)」となっています。
以前は中1、今は小6の国語の教科書に掲載されているので、「あー、知ってる」という生徒は多いです。
ところで、せっかくのこの詩、「どのように読んだか」が、きわめて重要です。ただ「いちめんのなのはな」が繰り返される、という印象しか残らなかったら、それは「勉強の機会」として、非常にもったいないですね。
言うまでもなく、各連の8行目の違いに、大きな落差があり、それがこの詩に独特の味わいをまとわせているのですから、そこを押さえた読み方を、して欲しいものです。
とはいえ、「解釈」は百人百様。何かひとつだけ「これが正しい」という読み方があるわけではありません。ただ、各連の8行目を意識して、7回+1回繰り返される「いちめんのなのはな」の読み方に、工夫をして欲しいのです。それで各連ごとに何かが立ちあらわれることを感じられたら、「純銀もざいく」という副題の意に添えるでしょうし、国語の大きな勉強(のひとつ)になることでしょう。
「解釈」は、「音読」の仕方にあらわれます。成長期・発展期のお子さんたちには、ぜひきちんとした「解釈」と「音読」のもとで、国語を学んで欲しいと思います。
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国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師
小田原漂情
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