教育専門家が否定した当会を国際ジャーナリストが評価(前編)
国際ジャーナリストを装った詐欺師か?
当会の英語プレゼン大会を取材し、AERAに執筆下さった、ジャーナリスト大野和基先生と初めてお会いしたのは、ウォール・ストリート・ジャーナル・ジャパン主催のトランプ大統領政権下における外交についてのセミナー後の懇親会でした。
正直、第一印象は、失礼ながら、「怪しいオジサン」でした。
欧州の知の巨人とされ、今でもフランス政権に影響を与え続けているという思想家、ジャック・アタリに「3日前にパリで取材したばかりでしてね。アタリ氏には何度か取材してて、もう友人みたいな関係なんですがね。」とおっしゃるのを、にわかには信じられせんでした。
トランプ政権と外交に関するセミナーの課題について感想を交わし合った時も、
「僕が首相だったら、石破首相よりトランプとずっとうまく交渉できますよ。トランプが喜びそうなブラック・ジョークを英語で飛ばしながら、自然とより国益にかなう交渉に持って行く自信があります。」
という大言壮語に、「もしかして、この人、国際ジャーナリストを装った詐欺師かも。」という猜疑心が沸き上がってくるのを押えることができませんでした。
しかし、その疑いは、「大野先生ですね!」「ご著書は、全て読んでいますよ。」と、数人の参加者が割り込んで来た時に晴れ始めました。
その場で、スマホで調べてみると、大野和基氏は、アメリカで医学を学んだ後、ジャーナリストに転身。以来、世界各地の要人を単独インタビュー、著書、翻訳本を多数執筆している、正真正銘の国際ジャーナリストであることがわかりました。↓
https://www.kaz-ohno.com/profile
ジャーナリズムだけでなく、英語に関する書籍でも「英語の品格」というベストセラーも出していました。
更に、下記写真にあるように、石破首相が日米会談向かう前夜の、TBSの日曜夜報道番組、有働Timesにてゲストとして出演し、石破首相はトランプ大統領にどうアプローチすべきか解説されるのを見て、「僕が首相だったら」発言も、あながち大言壮語ではなかったのだと納得しました。
トランプ通といわれる、知識人、特に大学教授の先生方が、報道番組などで、ただ海外メディア情報から引用したかのようなコメントをしているのに遭遇することがあります。
私自身、米国政治の熱心なフォロワーで、それをレッスンの教材にもしているので、日々事細かに海外メディアをチェックしているだけに「それぐらいのコメント、私でも言えるかも。」などと穿った見方をしてしまうことも時にあります。
しかし、大野先生は、トランプ政権の日米安保のキーパーソン、エルブリッジ・ゴルビー氏に直接インタビューし、情報を得た上での見解を述べていたのです。↓
それは、どこかの情報の引用のまた引用などではない、長年自身の足で実際に稼いできたグローバルなネットワークを土台に、トランプ政権の要人にリーチし、直接その当事者から言質を取った、まぎれもない第一次情報に基づいた、リアルな、生々しい解説だったのです。
ワクワクすることを最優先に、自由に生きていきたい
AERA発刊後、大野先生のご自宅がある神楽坂の老舗のイタリアンレストランで、記事にも登場する、東大バイリンガル生で当会講師の万代千尋さんと3人で打ち上げランチをしました(トップ写真)。
大野先生ぐらいのジャーナリストなら、報道番組のレギュラーコメンテーターになってもおかしくありません。実際に何度もそうした誘いがあったそうですが、常に断ってきたそうです。
その理由をこう述べられました。
「確かに、テレビのレギュラーになると、出版関係とは桁違いのギャラが出ますし、知名度もグンと上がります。でもそれに縛られて、自由を失う。僕は、幾つになってもワクワクすることを最優先して生きていきたいのです。」
好奇心の赴くままに、関心のあるテーマがあれば、すぐに飛行機に乗って、世界中どこにでも取材にけるような状態でいたい、そのために、スーツケースにはいつでも旅立てることができる用意をしているとのことです。
当会のプレゼン大会は、大野先生のその「世界規模の好奇心」にふさわしかったのでしょうか。
その点についてお伺いすると、
「もちろんです。AERAが新年早々、英語特集やると聞いて、すぐ、あなたのスクールのことを思い出しましたよ。だって、僕の英語に関する知見を披歴するだけじゃ、おもしろくもないでしょう?子どもたちの英語プレゼンの現場の様子を紹介した方が、誌面がよりリアルになる。それにまた、実際に取材したら、これがまた、めちゃめちゃレベルが高いじゃないですか。いや~、国内の取材であんなにワクワクしたのも久しぶりで、新鮮な体験でしたよ。」
と出身地の大阪弁訛りの軽快なリズムで述べてくださり、私も嬉しさが込み上げてきました。
大野先生は、私が、「もしかして詐欺師?」と疑ってしまうぐらいスケールの大きい国際人だったのです。
だからこそ、その業績に決してあぐらをかくことなく、名もない小さな英語塾にある真価に気づき、対等の立場で理解し、実際に足を運び、光を当てて下さったのだと思います。
かつて「俺は公教育が専門なので、あんたのような小さな民間の塾とは関係がない。」とにべもなかった自称「教育改革家」の権威的な態度とは、対局にあるといえましょう。
本日、3月3日のひな祭りが、大野先生の誕生日だそうです。
まさに誕生日の今日も、アメリカのロサンゼルスの、とあるグローバル企業本社で取材中です。
御年70歳なるとは思えない軽やかさです。
国際人として、日英のバイリンガルとして、そして「人生の先輩」として心から理想としたい方です。