「正解」を探す思考が、自分の感覚を上書きしている 私はいつから“自分の感覚”よりも“正しさ”を優先するようになったのだろうか?
「期待に応える自分」を生きすぎてきたあなたへ
―― 忙しさの中で、自分とつながる時間が失われている
何もしない時間に、私はどんな不安や罪悪感を感じやすいだろうか?
ふと予定が空いたとき。
やるべきことが一段落したとき。
誰からも求められていない時間が、ぽつんと生まれたとき。その静けさに、ほっとするより先に、
そわそわと落ち着かなくなることはありませんか。「何かしていないといけない気がする」
「この時間を有効に使わなきゃ」
「こんなふうに休んでいていいのだろうか」
何もしない時間は、本来、
心と身体をゆるめるためのものです。
けれど、そこに不安や罪悪感が入り込んでくるとき、
私たちは無意識のうちに、
“存在しているだけの自分”を許していないのかもしれません。
1.何もしない時間が、不安を連れてくる理由
忙しさの中にいるとき、私たちは役割に守られています。
やることがある。
必要とされている。
求められている。
その状態は、ある意味で安心です。
けれど、何もしない時間になると、
役割という鎧が外れます。
すると、こんな声が浮かぶことがあります。
もっと頑張れるはずなのに
怠けているのではないか
このままで大丈夫だろうか
それは、あなたが怠け者だからではありません。
「動いていない自分=価値が低い」
という思い込みが、どこかにあるだけ
なのです。
2.罪悪感は、どこからやってきたのか
少し、過去を振り返ってみてください。
何もしないでいるとき、
どんな言葉をかけられてきたでしょうか。
「ちゃんとしなさい」
「時間を無駄にしないで」
「もっと努力しなさい」
そうした言葉は、
あなたを成長させようとする善意からだったかもしれません。
けれど同時に、
「休むこと」や「何もしないこと」に、
小さな罪悪感を結びつけた可能性もあります。
その感覚は、大人になっても、
静かに残り続けることがあります。
3.何もしない時間に出てくる、本当の感情
何もしない時間は、
実はとても正直な時間です。
忙しさの中では感じにくかった感情が、
静かに浮かび上がってきます。
疲れ。
寂しさ。
不安。
満たされなさ。
それらは、消すべきものではありません。
忙しさの奥に、ずっと置き去りにされてきた感情
かもしれないのです。
4.何もしない時間は、価値がないわけではない
何もしない時間は、
成果を生み出さないかもしれません。
けれど、
あなたを回復させます。
呼吸を整え、
心拍を落ち着かせ、
思考を静める。
それは、次に進むための準備です。
何もしない時間は、
“無駄”ではなく、
“再生”の時間
なのです。
5.不安や罪悪感を、悪者にしなくていい
何もしない時間に出てくる不安や罪悪感を、
無理に消そうとしなくて大丈夫です。
その感情は、
あなたがこれまで責任を大切にしてきた証でもあります。
ただ、こう問いかけてみてください。
「今、この不安は、私を守ろうとしているのだろうか?」
「それとも、ただの習慣だろうか?」
少し距離を置くだけで、
感情の強さはやわらぎます。
6.よくある心のQ&A
Q1.何もしないと、落ち着きません。
A.
それは自然な反応です。
長いあいだ「動いている自分」に安心を感じてきたからです。
Q2.休むことに罪悪感があります。
A.
罪悪感は、責任感の裏側にあります。
あなたが誠実だからこそ感じるものです。
Q3.何もしないと、自分の価値がなくなる気がします。
A.
あなたの価値は、成果だけで決まるものではありません。
存在そのものに価値があります。
Q4.不安が出てくるのが怖いです。
A.
不安は、これまで忙しさで隠れていただけかもしれません。
少しずつ、やさしく向き合えば大丈夫です。
Q5.どうすれば安心して休めますか?
A.
最初は短い時間から。
「3分だけ何もしない」と決めるだけでも十分です。
7.人生の終わりに思い出す時間
人生を振り返るとき、
どれだけ忙しかったかよりも、
どれだけ、穏やかに呼吸できた時間があったかを、
思い出すのかもしれません。
何もしない時間は、
あなたがあなたに戻る時間です。
8.カウンセリングという、安心して立ち止まる場所
もし、何もしない時間が怖いと感じるなら、
カウンセリングという場があります。
そこは、
何も生み出さなくていい場所
何者かでいなくていい場所
ただ、あなたとして存在していていい時間です。
忙しさの鎧を下ろし、
少しだけ、自分に戻る時間を持つ。
どうか、ひとりで抱えすぎないでください。
Amazing Grace
内田梓



