力を抜くと見捨てられそうで怖い理由 ― 頑張り続けてきた心が、手放せなかったもの ―

内田梓

内田梓

テーマ:心が大切

力を抜くと見捨てられそうで怖い理由
― 頑張り続けてきた心が、手放せなかったもの ―

「少し休もうとすると、不安になる」
「力を抜いたら、誰にも必要とされなくなる気がする」
「頑張るのをやめた瞬間、関係が切れてしまいそうで怖い」

そんな感覚を、あなたは抱えたことがありませんか。

頭では、
「そんなことは起きない」「考えすぎだ」と分かっている。
それでも、身体の奥や心の深いところで、
強いブレーキがかかってしまう。

もしあなたが、
「力を抜くこと=危険」
そんな感覚を持っているとしたら、
それはあなたが弱いからでも、依存的だからでもありません。

そこには、あなたの心がそう感じるだけの、確かな理由があります。

ここでは、
「力を抜くと見捨てられそうで怖い」という感覚の正体を、
責めることなく、ゆっくりとほどいていきます。

1. 力を抜けないのは、あなたが必死に生き延びてきた証

まず、何よりも伝えたいことがあります。

力を抜けないあなたは、これまで本当に必死に生きてきた人です。

もしかすると、

安心して甘えられる大人がいなかった
弱さを見せると、距離を置かれた
役に立つことで、居場所を保ってきた
頑張らないと、愛や関心がもらえなかった

そんな環境や関係性の中で、
心はとても大切なことを学びます。

「力を抜いたら危ない」
「頑張り続けていれば、見捨てられない」

これは、
生き延びるために必要だった“心の戦略”でした。

だから、今も力を抜けないあなたは、
「間違っている」のではなく、
今もその戦略を一生懸命使い続けているだけなのです。

2. 「見捨てられそう」という怖さの正体

力を抜こうとしたとき、
ふっと湧き上がる、あの怖さ。

それは、
「今の人間関係が本当に危うい」からではなく、
過去に感じた“見捨てられた感覚”が、今も心に残っていることが多いのです。

心はとても正直で、
一度強く感じた恐怖を、忘れません。

たとえば、

助けを求めたのに、応えてもらえなかった
弱ったときに、冷たくされた
頑張れなくなった途端、扱いが変わった
大切な人が、急に離れていった

こうした体験があると、
心は学びます。

「油断すると、同じことが起きる」
「力を抜いたら、また一人になる」

だから、今は安全な状況でも、
身体や心が、先に反応してしまうのです。

3. 力を抜くことが「自分を失うこと」のように感じる理由

頑張り続けてきた人ほど、
力を抜くことが、
「自分が空っぽになること」のように感じられることがあります。

なぜなら、
これまでの人生で、

「頑張っている自分」=「存在していい自分」

という感覚が、深く結びついているからです。

そのため、力を抜くと、

何者でもなくなる気がする
価値が消えてしまう気がする
誰ともつながれなくなる気がする

そんな恐怖が出てきます。

でもこれは、
あなたが空っぽだからではなく、
これまで“力を入れた自分”しか許されてこなかったから起きる感覚です。

4. 「力を抜いても大丈夫」という感覚は、経験でしか育たない

「力を抜いても大丈夫だよ」
そう言われても、心が納得しないことがあります。

それは当然です。

この感覚は、
頭で理解して変えられるものではないからです。

安心は、
考えて獲得するものではなく、
体験を通して、少しずつ上書きされていくものです。

たとえば、

少し力を抜いても、関係が続いた
弱さを見せても、受け入れられた
頑張れない日があっても、居場所が残った

こうした体験が、
心の中の古いルールを、静かに書き換えていきます。

5. 力を抜くことを邪魔している「心の声」

力を抜こうとすると、
内側から、厳しい声が聞こえてくることがあります。

「甘えるな」
「そんなことで弱音を吐くな」
「もっと頑張れるはずだ」

この声は、
あなたを苦しめるために存在しているのではありません。

むしろ、
これ以上傷つかないように、必死に守ろうとしている声です。

その声に、
「今まで守ってくれてありがとう」と、
心の中で言ってみてください。

否定されなかったその瞬間、
心は少しだけ、緩み始めます。

6. 力を抜くことは、人とのつながりを失うことではない

力を抜くと、
人から離れてしまうような気がする。

でも実は、
本当のつながりは、力を抜いたところから始まることもあります。

頑張っている姿だけでつながっている関係は、
とても脆いものです。

一方で、

疲れている姿
うまくできない姿
何もできない日

そんな自分も含めて関係が続くとき、
心は初めて、深く安心します。

力を抜くことは、
愛を失うことではなく、
本物の関係に近づくことでもあるのです。

7. 力を抜く練習は、「一気に」やらなくていい

いきなり大きく力を抜こうとすると、
心は強く抵抗します。

だから大切なのは、
ほんの少しずつです。

① 完璧にやらない時間を、あえて作る

70点で止める。途中で終わらせる。
それだけでも、心は新しい体験をします。

② 「今日は無理」と認める

言葉にするだけで、身体の緊張が少し下がります。

③ 力を抜いても関係が壊れなかった体験を覚えておく

心は、安心の記憶を何度も思い出すことで、学び直します。

8. やさしいQ&A ― 力を抜くのが怖いあなたへ
Q1:力を抜いたら、誰にも必要とされなくなりそうで怖いです。

そう感じるのは、それだけ長い間、
「必要とされるために頑張る」生き方をしてきたからです。
必要とされる価値と、存在している価値は、本当は別のものです。
その違いを、これから少しずつ体験の中で感じていけます。

Q2:頑張らない自分を、どう扱えばいいのか分かりません。

分からなくて大丈夫です。
これまで頑張る自分しか許されてこなかったなら、
戸惑うのはとても自然なことです。
まずは「分からない自分がいる」と気づいてあげてください。

Q3:力を抜いたら、関係が壊れそうで不安です。

その不安は、過去の体験が今も影響しているサインかもしれません。
今の人間関係が、本当に同じ条件なのか、
ゆっくり確かめていくことが大切です。

Q4:力を抜くと、罪悪感が出てきます。

罪悪感は、あなたの責任感の強さの表れです。
でも、責任を果たすことと、
自分を消耗させ続けることは、同じではありません。
罪悪感が出てきたら、「それだけ頑張ってきたんだね」と声をかけてみてください。

Q5:安心して力を抜けるようになる日は来るのでしょうか。

はい、来ます。
それは、ある日突然ではなく、
「少し楽だった日」「少し緩めた瞬間」の積み重ねの先に、
気づいたら訪れているものです。

9. カウンセリングでできること
― 力を抜くことが怖かった背景を、一緒にほどく ―

Amazing Grace のカウンセリングでは、
「力を抜けない自分」を問題として扱いません。

なぜ、そこまで頑張らなければならなかったのか。
どんな怖さを抱えながら、生きてきたのか。

それを、
評価や正解ではなく、
理解と安全の中で、一緒に見つめていきます。

頑張らない自分でも関係が続くと感じられるようになった
身体の緊張がゆるみやすくなった
力を抜くことへの恐怖が弱まった
安心して人とつながれる感覚が増えた

カウンセリングは、
「頑張らないと生きていけなかったあなた」を、
やさしく迎え直す場所です。

10. 最後に ― あなたへ

力を抜くと見捨てられそうで怖いあなたは、
それだけ、必死に愛を守ってきた人です。

でもこれからは、
力を入れなくても、つながりは残る
そんな体験を、少しずつ重ねていっていい。

あなたは、
頑張っているときだけでなく、
力を抜いているときも、ちゃんとここにいていい存在です。

その感覚を、一人で抱えるのがつらくなったときは、
Amazing Grace は、いつでもあなたのそばにいます。

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内田梓
専門家

内田梓(メンタルヘルスカウンセラー)

Amazing Grace

発達障害、摂食障害、不登校から「やりたいことや気持ちをコントロールできない」といった悩みを抱える方まで、幅広いカウンセリング実績を持つ。数々の現場や理論で深めてきたカウンセリング術に定評がある。

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