やさしさでつながる職場へ 一人ひとりの心が息づく関係づくり やさしさは、空気のように広がっていく。

内田梓

内田梓

テーマ:職場の人間関係

やさしさでつながる職場へ
一人ひとりの心が息づく関係づくり

やさしさは、空気のように広がっていく。

はじめに

人と一緒に働くということは、
それぞれの思いが交わりながら、日々をつくっていくこと。



ときには意見がぶつかることもあるし、
誤解やすれ違いで心が少し疲れてしまう日もあるかもしれません。



けれど、そんな日々の中にも、
お互いを思いやる“やさしさ”はいつも息づいています。



それは派手な言葉や行動ではなく、
ちょっとしたまなざしや、うなずきや、待つ姿勢。
その小さな積み重ねが、信頼という空気を生み出していくのです。



今日は、シリーズの最後として、
“やさしさでつながる職場”のためにできることを、
やさしく振り返っていきましょう。

1. “心理的な安心”がある場所は、人がのびやかに育つ

人が力を発揮できるのは、安心して話せる環境があるときです。



「間違えても大丈夫」「意見を言っても否定されない」――
そんな空気があると、人は自然と創造力を発揮し、
お互いに助け合えるようになります。



安心は、ルールではなく“関係”から生まれます。
誰かが誰かを見守り、認め合い、
言葉よりも深く伝わる“まなざし”がある。



その安心の輪が広がっていくことで、
職場全体がやさしく呼吸を始めます。

2. “思いを同じ方向に合わせる”とは、違いを尊重すること

同じゴールを見ていても、
進み方や感じ方は人それぞれ違います。



思いを合わせるというのは、
意見をそろえることではなく、
「違いを認めながら一緒に進む」という姿勢。



対立ではなく、対話を。
説得ではなく、共感を。



お互いの“違い”を大切にできるチームは、
やがて同じ方向に自然と歩き出します。
そこに生まれるのは、
強制ではなく“信頼から生まれる調和”です。

3. “思い込み”をほどくことで、心は軽くなる

「こうあるべき」「こうすべき」――
その思いが強くなるほど、関係はぎこちなくなります。



思い込みは、過去の経験や自分の優しさから生まれることも多いもの。
だからこそ、それを“悪いこと”と責める必要はありません。



「もしかしたら、別の見方もあるかもしれない」
そう思える瞬間に、関係の風通しがふっとよくなります。



思い込みをほどくとは、相手を変えることではなく、
自分の中に“余白”をつくること。
その余白が、人を受け入れるやさしさを育てます。

4. “信頼”は築くより、あたため直すもの

信頼は、一度築いたら終わりではありません。
日々のやりとりの中で、何度でもあたため直していくものです。



小さな言葉のすれ違い、思い違い、
それらを丁寧に見つめ直すことで、
関係は以前よりも深く、しなやかになっていきます。



「もう一度話してみよう」
「またここから始めよう」



その一言にこそ、人の信頼の温度が宿っています。

5. “役割”をやさしく見える化することで、お互いが生きやすくなる

チームの中では、それぞれが違う立場と責任を持っています。
けれど、その“役割”が曖昧なままだと、
「自分ばかり頑張っている」「なぜ理解してもらえない」と感じてしまうことも。



役割を見える化することは、境界を引くことではなく、
お互いの安心を守るためのやさしい工夫です。



「ここまでは私」「ここからはあなた」――
そうやって役割を丁寧に分け合うことで、
支え合う関係が自然と育っていきます。

6. “感謝”を伝える小さな習慣を持つ

信頼は、感謝の言葉とともに深まります。
「ありがとう」「助かりました」「嬉しかったです」
そんな一言が、心にあたたかい灯をともします。



感謝の言葉は、相手の存在を肯定する魔法の言葉。
そしてそれは、言った人自身の心もあたためてくれます。



日常の中で、たった一言でも伝えてみましょう。
その優しい習慣が、やがてチームの文化になります。

7. “やさしさ”は、伝わって広がる

やさしさは、見えないけれど確かに伝わるもの。
一人のやさしさが、隣の人の心をほぐし、
また次の人の笑顔を生み出します。



「やさしい職場」とは、
特別な取り組みや制度がある場所ではなく、
一人ひとりの“思いやる力”が自然に循環している場所。



今日も誰かが、誰かの小さな変化に気づき、
声をかけ、見守り、支え合っている――。
そんな温度のある職場こそ、
人が本来の力を発揮できる場所です。

よくある心のQ&A
Q1. 「やさしくしようとしても、疲れてしまいます。」

やさしさは「無理をして与えるもの」ではなく、
「自然にあふれるもの」です。
まずは自分にやさしくすることから始めましょう。
自分が満たされると、他者への思いやりも自然に生まれます。

Q2. 「職場の人間関係を変えたいけれど、何から始めればいいですか?」

まずは“小さな行動”から。
挨拶、感謝、ねぎらいの一言。
その積み重ねが、確かな変化を生みます。
無理に変えようとせず、「自分ができること」を大切に。

Q3. 「相手に優しくできないときがあります。」

誰にでもそういう日があります。
優しさは“常に完璧であること”ではなく、
「もう一度やさしくなりたい」と思える心です。
その気持ちがあれば、関係はいつでもあたたかく戻れます。

Q4. 「人の目が気になって疲れます。」

評価を気にしすぎると、心が固くなります。
“自分らしい誠実さ”を軸にすれば、
他人の目はゆるやかに遠ざかります。
信頼は“印象”ではなく“安心”から生まれます。

Q5. 「優しい職場なんて本当にできるのでしょうか?」

はい。すぐには変わらなくても、必ず育っていきます。
やさしさは、一人の心の中から始まり、
少しずつ広がっていくものです。
あなたの小さな一歩が、職場全体の空気を変えるきっかけになります。

おわりに 〜やさしさが、空気のように広がっていく〜

信頼も、安心も、やさしさも――
どれも、特別な誰かだけが持っているものではありません。



日々の中で、少しずつ育てていくもの。
ときには揺らぎながら、それでも「また話してみよう」
「もう一度信じてみよう」と思える心の温度。



その小さな灯が、職場をやさしく照らします。



もし今、人との関係に疲れていたり、
「どうしたらもっと心地よく働けるだろう」と感じている方がいたら、
どうぞ安心してお話しにいらしてください。



Amazing Graceのカウンセリングでは、
人との関係を整え、自分らしいやさしさを取り戻すお手伝いをしています。



やさしさは、与えるものではなく“巡るもの”。
あなたの心が穏やかになることで、
そのぬくもりは、自然とまわりにも広がっていきます。



Amazing Grace 内田梓
「人が人を思いやる職場」を育てる、心のカウンセリングを行っています。

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内田梓
専門家

内田梓(メンタルヘルスカウンセラー)

Amazing Grace

発達障害、摂食障害、不登校から「やりたいことや気持ちをコントロールできない」といった悩みを抱える方まで、幅広いカウンセリング実績を持つ。数々の現場や理論で深めてきたカウンセリング術に定評がある。

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