信頼をもう一度あたため直す 言葉よりも伝わる“まなざしの信頼” 沈黙が育てる安心の関係。

内田梓

内田梓

テーマ:職場の人間関係

信頼をもう一度あたため直す
言葉よりも伝わる“まなざしの信頼”

沈黙が育てる安心の関係。

はじめに

人と向き合うとき、
私たちはつい「何を言えばいいのか」を考えてしまいます。

でも、信頼を育てるのに
いちばん大切なのは“言葉”ではなく“まなざし”かもしれません。

あたたかい視線、うなずき、静かな沈黙――。
それらは、相手の心を安心させ、
「この人は私を受けとめてくれている」と感じさせてくれる大切なサインです。

今日は、言葉を超えて伝わる“まなざしの信頼”について、
ゆっくりと一緒に考えてみましょう。

1. 信頼は「話す」よりも「聴く」中で育つ

信頼関係を築こうとするとき、
私たちはつい「きちんと話さなきゃ」と思ってしまいます。

けれど、人の心が安心するのは、
「話す内容」よりも「聴いてもらえた実感」です。

うなずき、まなざし、黙って寄り添う姿勢――
それらのすべてが「あなたの話を大切に聴いています」という
無言のメッセージになります。

沈黙は、冷たさではなく“受けとめの時間”。
相手の気持ちが自然に言葉になるまで待つことは、
何より深いやさしさなのです。

2. “目を合わせる勇気”が関係を温める

人は、言葉だけでなく“目”を通して心を感じ取ります。

目をそらさず、穏やかに見つめることで、
相手は「ちゃんと聴いてもらえている」と感じます。

反対に、忙しさや照れで視線を合わせないままだと、
「興味がないのかな」「話しても無駄かな」と
相手の心が少し閉じてしまうこともあります。

長く見つめ続ける必要はありません。
大切なのは、“安心して見つめられる一瞬”を持つこと。
その一瞬に、信頼のぬくもりが宿ります。

3. 沈黙の中にある“理解の時間”を大切に

会話の中に沈黙が生まれると、
気まずくなって何かを話さなければと思うことがあります。

けれど、沈黙は「言葉が途切れた時間」ではなく、
「心が整理されている時間」でもあります。

人は、言葉の合間で感情を消化し、
理解を深めています。

沈黙を怖がらずに、
“ただ一緒にその場にいる”ことを選ぶと、
相手の心に静かな安心感が広がっていきます。

沈黙こそ、信頼を深めるためのやさしい呼吸のようなもの。
言葉よりも確かなつながりを育ててくれる時間です。

4. “否定しないまなざし”が人を癒やす

誰かが話しているとき、
「それは違う」「でもね」と口をはさみたくなる瞬間があります。

でも、相手が本当に求めているのは、
“正しさ”よりも“受けとめてもらえた感覚”です。

どんな意見や感情であっても、
「そう感じたんですね」「それは大変でしたね」と
否定せずに受けとめるだけで、
人の心は安心してほどけていきます。

言葉よりも、まなざしの中に“安全”がある。
その安心の空気が、信頼をやさしく包み直します。

5. “見守る”という信頼の形

ときには、何もできないこともあります。
励ます言葉も、答えも見つからない――。
それでも、「そばにいる」ことに意味があります。

見守るとは、“信じて待つ”ということ。
相手の力を信じ、必要なときに手を差し伸べられるように
静かに寄り添っている姿勢です。

「あなたなら大丈夫」と、
言葉ではなく目で伝えられること。
それが、最も深い信頼の形です。

よくある心のQ&A
Q1. 「沈黙が怖くて、ついしゃべりすぎてしまいます。」

沈黙を「気まずい」と感じるのは自然なことです。
でも、沈黙は“安心してもらえる時間”でもあります。
一度、意識して3秒だけ黙ってみる――そこから慣れていきましょう。

Q2. 「相手の話を聴いているつもりでも、上手く反応できません。」

相手が何を言ったかより、「どんな気持ちで言ったか」に意識を向けてみましょう。
「それは嬉しかったんですね」「驚いたんですね」と感情を返すだけで十分です。

Q3. 「視線を合わせるのが苦手です。」

ずっと目を見続ける必要はありません。
ときどき優しく視線を合わせて、うなずく。
それだけで十分に伝わります。
相手を“見ようとしている”気持ちが大切です。

Q4. 「相手が黙ってしまうと、不安になります。」

沈黙は“拒絶”ではなく“考える時間”かもしれません。
「ゆっくりで大丈夫ですよ」と一言添えると、
相手は安心して言葉を探せるようになります。

Q5. 「言葉が出てこないとき、どうすればいいですか?」

無理に言葉を探さなくても大丈夫です。
相手の目を見て、そっとうなずくだけでも伝わります。
“何を言うか”よりも、 “どう在るか”が信頼を育てます。

おわりに 〜沈黙の中に、信頼の灯をともす〜

人との関係において、
言葉はとても大切です。
でも、言葉の奥には、もっと静かな“ぬくもりの会話”があります。

それは、まなざしや表情、沈黙やうなずき。
言葉よりも深く伝わる“安心のサイン”です。

焦らず、急がず。
相手の心に寄り添いながら、
信頼の灯を静かにともしていきましょう。

もし今、「どう関わればいいかわからない」
「うまく言葉が出てこない」と感じている方がいたら、
どうぞそのままの思いを話しに来てください。

Amazing Graceのカウンセリングでは、
言葉にならない思いを、まなざしと静けさの中で受けとめています。

安心できる沈黙の中で、心をやさしくほどいていきましょう。

Amazing Grace 内田梓
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内田梓
専門家

内田梓(メンタルヘルスカウンセラー)

Amazing Grace

発達障害、摂食障害、不登校から「やりたいことや気持ちをコントロールできない」といった悩みを抱える方まで、幅広いカウンセリング実績を持つ。数々の現場や理論で深めてきたカウンセリング術に定評がある。

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