信頼をもう一度あたため直す “信じたい”と“疑う気持ち”の間で揺れるとき 自分の安心を守りながら関係を見つめる。

内田梓

内田梓

テーマ:職場の人間関係

信頼をもう一度あたため直す
“信じたい”と“疑う気持ち”の間で揺れるとき

自分の安心を守りながら関係を見つめる。

はじめに

人を信じることは、勇気のいることです。
一度でも裏切られたり、期待を裏切られた経験があると、
「また同じことが起きるかもしれない」と心が構えてしまうことがあります。

「信じたい自分」と「もう傷つきたくない自分」。
この二つの気持ちの間で、心が揺れ続けている人は多いものです。

でも、その揺れは悪いことではありません。
それは、あなたが誠実に人と向き合ってきた証でもあります。

今日は、信頼と疑いのあいだで揺れるとき、
自分の安心を守りながら、関係をやさしく見つめ直すためのヒントを
一緒に探していきましょう。

1. “疑う気持ち”は、あなたを守るためのサイン

「疑ってしまう自分が嫌だ」と思う人もいます。
でも、疑いは決して悪い感情ではありません。

それは、あなたの心が“これ以上傷つかないように”と
自分を守っている自然な反応なのです。

人は、信頼と同じくらい“慎重さ”を持って生きています。
「信じたい」と思うからこそ、
「本当に大丈夫かな」と確かめたくなるのです。

そのバランスを大切にしながら、
“疑う自分”を責めるよりも、「今は少し怖いんだね」と
心に寄り添ってあげてください。
それだけで、気持ちは少しずつ穏やかになります。

2. “安心の基準”を自分の中に持つ

信頼が揺れるとき、
「相手がどうするか」に心が大きく揺さぶられます。

でも、本当の安心は、
“相手の行動”ではなく、 “自分の基準”の中にあります。

「どんな関係が心地いいか」
「どんな距離感なら安心できるか」
その感覚を少しずつ言葉にしてみましょう。

たとえば――
・約束を守ることを大切にしたい
・言葉よりも態度で信頼を感じたい
・お互いに無理をしない関係でいたい

自分の中に“安心の軸”を持てると、
相手に振り回されにくくなり、
疑いの感情とも穏やかに付き合えるようになります。

3. “疑い”を言葉にするタイミングを選ぶ

信じたいのに不安が消えないとき、
その気持ちをどう伝えたらいいか迷いますよね。

タイミングを間違えると、
「責められている」と相手が感じてしまうこともあります。

伝えるときは、相手を責める言葉ではなく、
自分の気持ちを中心に話してみましょう。

「最近、少し心配になることがあって…」
「私、もう少し安心できる関係にしたいと思っているの」

穏やかなトーンで伝えることで、
相手も防衛せずに耳を傾けやすくなります。

“疑う気持ち”を隠さず、でもやさしく伝える。
その姿勢が、信頼を深める種になります。

4. “完全に信じる”必要はない

ときどき、「信じるなら100%信じなきゃ」と思ってしまう人がいます。
でも、人間同士の関係に“完全”はありません。

信頼とは、「相手を完璧に信じること」ではなく、
「たとえ不安があっても、関わり続けること」。

疑いながらも、「それでもこの関係を大切にしたい」と思えることが、
本当の意味での“成熟した信頼”なのです。

完璧さを求めすぎず、
揺れながらも関係を育てていく自分を
そっと励ましてあげてください。

5. “自分を信じる力”を取り戻す

人を信じる前に、まず大切なのは“自分を信じる”ことです。

「私は、間違ってもやり直せる」
「私は、傷ついても回復できる」

そう思えると、相手を信じることへの怖さが少しずつ和らぎます。
信頼とは、相手だけでなく、
“自分の選択を信じる”勇気のことでもあるのです。

信じる力は、あなたの中にちゃんとあります。
それを少しずつ思い出していきましょう。

よくある心のQ&A
Q1. 「信じたいのに、心が拒否してしまいます。」

無理に信じようとしなくて大丈夫です。
心は、時間をかけて整っていくもの。
「今はまだ怖い」と正直に受けとめることから始めましょう。

Q2. 「相手を疑う自分が嫌いです。」

疑うのは、あなたが誠実に関係を大切にしたい証です。
「失いたくない」「もう少し確かめたい」――
その気持ちは、信頼への入り口でもあります。

Q3. 「信じていた人にまた裏切られそうで怖いです。」

その怖さは、あなたが深く関わってきた証拠です。
すぐに人を信じ直さなくてもいいのです。
“自分の感じ方”を尊重しながら、一歩ずつ心を整えていきましょう。

Q4. 「相手の言葉と行動が一致しません。」

言葉よりも、行動を静かに観察してみましょう。
“信じたい”気持ちに押されて判断を急がず、
あなたの安心が続く関係かどうかを見極めることが大切です。

Q5. 「信じるって、どこまで信じればいいのでしょうか?」

“信じる”とは、相手を神様のように見ることではありません。
人間だからこそ、間違いもある――その上で、
「それでも関わってみよう」と思える気持ちが、信頼の本質です。

おわりに 〜揺れる心に、やさしいまなざしを〜

信頼と疑いのあいだで揺れるのは、
人を大切に思うからこその葛藤です。

信じたいと思う気持ちも、怖いと感じる気持ちも、
どちらもあなたの中の“誠実さ”のあらわれ。

その揺れを否定せず、やさしく抱きしめてあげましょう。
心は揺れながら、少しずつ落ち着く場所を見つけていきます。

もし今、「信じることが怖い」「誰にも話せない」と感じている方がいたら、
どうぞ安心して、そのままの気持ちを話しにいらしてください。

Amazing Graceのカウンセリングでは、
“信じたい気持ち”と“疑う気持ち”のあいだにある
繊細な心のバランスを一緒に整えていくお手伝いをしています。

あなたの心がもう一度、安心して人を信じられるように。
ゆっくりと、やさしく寄り添っていきます。

Amazing Grace 内田梓
“人との信頼をあたため直すカウンセリング”を行っています。

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内田梓
専門家

内田梓(メンタルヘルスカウンセラー)

Amazing Grace

発達障害、摂食障害、不登校から「やりたいことや気持ちをコントロールできない」といった悩みを抱える方まで、幅広いカウンセリング実績を持つ。数々の現場や理論で深めてきたカウンセリング術に定評がある。

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