住宅ローンを組むのに悪影響が。
長い期間で住宅ローンを組んでいるとリストラ、離婚、病気など
色んなことが起こるリスクがあります。
保険などで担保できるものもありますが、全てのリスクをカバーできるものではありません。
さて、万が一にもお金が払えなくなるどうなるのでしょう。
まず、住宅ローンの支払いが遅れると銀行から
入金が遅れてるので払ってくださいとの書面による通知が送られて来ます。
この時点ですぐに入金したら特には問題ありません。
ただし、そのまま支払わず滞納が数か月続くと内容証明などで督促状が届きます。
督促状には、滞納分をいつまでに全額払いなさい。
支払いをしないと「期限の利益」を喪失することになります。
期限の利益がなくなると、一括返済請求となります。
などと書いているでしょう。
期限の利益の喪失とは
通常、住宅ローンは25年とか35年など長期にわたり
一定金額の支払いで返済できます。
借金を長期間で分けて返済できる権利を
「期限の利益」といいます。
お金を借りる方は分割返済する時間を得られる代わりに、金利を金融機関に支払うことになります。
この「期限の利益」というのは、ちゃんとお金を支払い続けるのが条件となってます。
民法では「期限の利益」が失われる事由というものが記載されています。
また、ローンを組むときに金融機関と交わす「金銭消費貸借契約書」にも
「期限の利益喪失事由」が記載されてます。
契約書や民法には難しい言葉で記載されてますが
ローン滞納が続くと信頼関係が失われることで
「期限の利益」が喪失することになります。
その場合借り手は残金を一括で支払わなければいけません。
保証会社の代位弁済
毎月のローン返済が遅れてきているのに、一括返済なんて出来る方はほぼいません。
実は金融機関は契約時からローンの一括返済を出来るようにしています。
住宅ローンの契約時に保証会社の保証料を支払っていると思いますが
これはローンを債務者が支払えなくなった場合、保証会社に代わりに一括で払ってもらいますというものです。
その為の保証契約で、これを「代位弁済」と言います。
代位弁済が実行されると、債権者は銀行から保証会社に変わります。
代位弁済された後はお金を返す先が銀行から保証会社になります。
競売申立て
返済先が保証会社に変わっても一括返済しないといけないのは変わりません。
出来ない場合は、保証会社は裁判所に「競売の申立て」を行います。
裁判所はその後、申し立てのあった物件に差押え登記を行います。
差押え通知がその後、債権者に届くことになります。
差押え登記がされた物件は所有者でも勝手に売却出来なくなります。
差押えをすることで債権者(この場合は保証会社)の権利が守られることになるのです。
その後、裁判所の民事部から「期間入札通知書」が入札の1.5ヶ月前くらいに届きます。
また、入札の前に物件評価の為に執行官と不動産鑑定士が家に調査に来ます。
これは法律に基づいて行われるので拒否できません。
調査項目は物件に不具合はないか、土地の広さなどは登記簿と合っているかなどを確認し
物件内の状況写真の撮影などが行われます。
入札から退居まで
現況調査が終わり競売日程が決まると「競売の期間入札通知書」が住宅ローンを
組んでいる債務者に届きます。
入札の開始の2週間前までには競売情報が裁判所で「公示」され誰でも見ることができるようになります。
徳島では徳島新聞にも掲載されますし、インターネットでも見ることが可能です。
http://bit.sikkou.jp/app/top/pt001/h01/
入札期限が終わると1週間後に「開札」が裁判所で行われ1番高い入札者が買受人になります。
その後何日かして「売却許可決定」が確定したら、落札者が残代金を裁判所に納付し
所有権の移転が行われます。
昔は落札した物件に変な輩がいて追い出すのに苦労したということもあったのですが、
今は法律に従って引き渡し命令の申し立てを行い、強制執行が出来ます。
昔みたいに落札後も不法占有するということはできません。
よって、引っ越しはこの頃には遅くてもする必要があります。
また、競売で家を取られた後も、債務が残っていればその分の支払いは続きます。
保証会社に債権が移り、裁判所の競売になると事務的に進んでいくので交渉は
なかなかできません。
実はそうなる前に任意売却という方法があります。
任意売却が間に合えば引っ越し費用も貰えるなど競売よりメリットがあります。
任意売却についてもまた、コラムに書いていこうと思います。