なぜイーロン・マスクは "家を捨てた" のか? ──住まいの常識が崩れる時代に、私たちは何を選ぶか

生成AIの進化は、本当に目覚ましいものがあります。
私自身も経営コンサルタントとして、資料作成や文章の整理、アイデア出しなど、日々の業務でAIを活用する機会が増えてきました。
しかし最近になって、「AIの本当の価値はそこではないのではないか」と感じる出来事がありました。
それは、話題となっているAIモデル「Claude Fable 5」を試したときのことです。
私がAIに投げかけた「問い」
今回AIに依頼したのは、
「経営の万有引力を探してください」
という、一見すると意味の分からないテーマでした。
長年、経営コンサルタントとして多くの中小企業と向き合ってきましたが、私の中には以前から一つの疑問があります。
経営学には数多くの理論があります。
ドラッカー、ポーター、SWOT分析など、どれも現場で役立つ素晴らしい考え方です。
一方で、「会社が成長する」「組織文化が生まれる」「事業承継がうまくいく」といった現象には、もっと根本的で、もっと普遍的な法則があるのではないか。
ニュートンが万有引力という一つの法則から惑星の運動を説明したように、企業にもそのような基本法則が存在するのではないか。
そんな長年頭の片隅にあった問いを、そのままAIに投げてみたのです。
AIは文章を書かなかった
正直なところ、私は「経営理論を整理したきれいな文章」が返ってくることも想像しました。
ところが、AIが最初に始めたのは文章を書くことではありませんでした。
企業を一つのシミュレーションモデルとして構築し始めたのです。
信頼、現金、知識、情報といった要素を定義し、それらがどのように相互作用するかをモデル化し、仮説を立て、何百回ものシミュレーションを繰り返しながら、自ら結果を検証し、モデルを修正していきました。
私はその様子を見ながら、「これは文章生成ではなく研究活動だ」と感じました。
AI時代に変わるのは、人間の役割かもしれない
今回の体験で最も印象に残ったのは、AIの性能そのものではありません。
AIとの関わり方が変わり始めているということです。
これまで生成AIは、「答えを教えてくれる存在」として語られることが多かったように思います。
しかし今回のAIは違いました。
問いを受け取り、仮説を立て、実験し、失敗し、修正し、その限界まで含めて報告する。
まるで共同研究者のような振る舞いを見せたのです。
もちろん、その結果をそのまま現実に当てはめることはできません。
最終的に判断するのは、現場を知る人間です。
だからこそ、人間の役割は「AIに答えを求めること」ではなく、「どんな問いを立てるか」、そして「返ってきた結果をどう解釈するか」へと移っていくのではないでしょうか。
AIが進化するほど、「問いを立てる力」が重要になる
経営コンサルティングという仕事には、正解がありません。
企業ごとに状況は異なり、同じ手法がそのまま通用することもありません。
だから私たちが行っているのは、答えを教えることではなく、本質的な問いを一緒に探し続けることです。
今回の実験を通じて改めて感じたのは、AIはその探究を支える非常に優秀なパートナーになりつつあるということでした。
AIの進化によって、人間が考えなくてよくなるのではありません。
むしろ、AIが優秀になるほど、人間には「何を問い、何を見極めるか」という力が、これまで以上に求められる時代になるように感じています。
なお、今回の実験では、AIが実際に何百回ものシミュレーションを繰り返し、「経営の万有引力」を探そうとしたプロセスを詳しくまとめています。
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