なぜ経営者自身がAIを使うべきなのか【経営者にとって「今さら聞けない」AIの話4】

ここまでの連載では、
・AIとは何か
・何ができて、何ができないのか
・なぜ経営者が使うべきなのか
・失敗する会社の共通点
といった視点で整理してきました。
そして多くの方が、今この段階でこう感じているはずです。
「結局、何から始めればいいのか」今回はこの問いに、できるだけ現実的にお答えします。
■ 「準備」はいらない
まず最初にお伝えしたいのは、「準備は必要ない」ということです。
AI活用というと、
・勉強してから
・体制を整えてから
・ルールを作ってから
と考えがちですが、これは逆です。
AIは、「使いながら理解するもの」です。
したがって、最初にやるべきことは一つです。
触ることです。
たとえば、ChatGPTを開いて、何かを入力してみる。
これだけで十分です。
■ 最初は「仕事に使おう」としない
ここで、多くの方がつまずきます。
「仕事にどう使うか」を考えすぎてしまうのです。
しかし最初の段階では、“仕事に使わなくていい”のです。
むしろ、
・自分の考えを整理する
・気になっていることを聞く
・文章を書かせてみる
といった、“軽い使い方”から入る方が定着します。
■ 最初におすすめの使い方
では、具体的に何をすればよいのか。
最初の一歩としておすすめなのは、「自分の頭の中を言語化する」ことです。
たとえば、
・今考えている経営課題
・迷っている意思決定
・整理できていないアイデア
これをそのまま入力してみる。
すると、
・論点が整理される
・別の視点が提示される
・自分の考えの曖昧さに気づく
といった変化が起きます。
これは非常に価値のある体験です。
■ 「うまく使おう」としない
もう一つ重要なポイントがあります。
最初から「うまく使おう」としないことです。
AIは、
・質問の仕方
・前提の与え方
・目的の明確さ
によって、出力が大きく変わります。
しかしこれは、使いながら覚えるしかありません。
最初は、「思った通りに出てこない」。
それで正常です。
■ 小さく試す
AI活用で重要なのは、“いきなり大きくやらないこと”です。
たとえば、
・1つの業務だけ試す
・1つの用途だけ使う
・1日10分だけ触る
これで十分です。
むしろこの方が、
・継続できる
・改善できる
・定着しやすい
というメリットがあります。
■ 「自分専用の使い方」を見つける
AIには、決まった使い方はありません。
業種によっても、業務によっても、役割によっても変わります。
したがって重要なのは、「正しい使い方」を探すことではなく、「自分に合った使い方」を見つけることです。
これは、試行錯誤の中でしか見つかりません。
■ 経営者は“壁打ち相手”として使う
特に経営者におすすめなのは、AIを「壁打ち相手」として使うことです。
・考えを投げる
・返ってきた内容を検討する
・再度問いを投げる
この繰り返しによって、思考の深さが変わります。
これは、単なる効率化とは別の価値です。
■ 「毎日触る」がすべてを変える
ここまでいろいろ書きましたが、最も重要なことはシンプルです。
毎日触ること。
これだけです。
・1日1回でもいい
・短時間でもいい
継続することで、
・違和感が減り
・使いどころが見え
・自然に業務に入り込んでくる
ようになります。
■ 最初のハードルは“心理的なもの”
技術的な難しさよりも大きいのは、「心理的なハードル」です。
・今さら聞けない
・使いこなせる気がしない
・自分には関係ないのではないか
しかしここまで読んでいただいた方であれば、もう十分です。
必要なのは、理解ではなく一歩です。
■ 次回に向けて
このシリーズも次回で一区切りです。
最後は、「AI時代に、経営者が最後まで手放してはいけない仕事」
というテーマで締めくくります。
ここまでの内容を踏まえた上で、「では何が残るのか」
を整理していきます。


