産業カウンセラーという資格をご存じですか?働く人と職場を支える専門家

これまでの仕事を振り返って、自分にどのような強みがあるのか、これから何をしたいのかを考えたことはありますか。
仕事を続けていると、日々の業務に追われ、自分の経験や能力についてじっくり考える機会は意外と少ないものです。
そんなときに活用できるツールの一つが、厚生労働省が普及を進めている「ジョブ・カード」です。
名前を聞いたことはあっても、履歴書や職務経歴書と何が違うのか、転職活動をする人だけが使うものなのか、よくわからない方もいるかもしれません。
今回は、ジョブ・カードの基本的な役割と活用方法をご紹介します。
ジョブ・カードは何のために使うもの?
ジョブ・カードは、これまでの職業経験や学習・訓練の履歴、職業能力などを整理し、今後のキャリア形成に役立てるためのツールです。
厚生労働省がキャリアコンサルティングとあわせて。普及を推進しています。
また厚生労働省の人材開発施策である「教育訓練給付金」などを利用する際に、作成することが求められています。(専門実践教育訓練・特定一般教育訓練において、ジョブ・カードを利用したキャリアコンサルティングを受けることが義務付けられています。)
ジョブ・カードには、大きく二つの機能が盛り込まれています。
一つは、これまでの経験を振り返り、これからの職業生活について考える「キャリア・プランニング」の機能。
もう一つは、資格や職務経験、身につけた能力などを整理し、職業能力を見える形にする機能です。
つまり、ジョブ・カードは単に職歴を書き並べるための書類ではありません。
これまでの自分を振り返り、これからの働き方を考えるための材料を整理するものと考えると、わかりやすいでしょう。
また名称に「カード」とつけられていますが、ジョブ・カードは名刺サイズのいわゆるカードではありません。
実際にはA4サイズのシートの3枚セットを、「ジョブ・カード」と呼んでいます。
ジョブ・カードの様式
様式1:キャリア・プランシート
様式2 :職務経歴シート
様式3:職業能力証明シート
※1 様式1には、職業経験がある方が使うもの(様式1-1)、学生や職業経験のない方が使うもの(様式1-2)があります。
※2 様式3は両面ともに利用者本人が記載します。様式3-1が免許や資格に関する情報を書き出すシートで、その裏面である様式3-2は、学習や訓練などの経験を書き出すシートになっています。
転職を考えていなくても活用できる
ジョブ・カードという名前から、就職活動や転職活動のための書類をイメージする方も多いのかもしれません。
もちろん、応募書類を作成する際に活用することもできます。しかし、活用場面はそれだけではありません。
例えば、次のようなときにも役立ちます。
- 今の仕事で身につけてきた能力を整理したい
- 自分の強みや得意なことを確認したい
- これから挑戦したい仕事について考えたい
- 資格取得やスキルアップの方向性を考えたい
- 将来の働き方やキャリアプランを見直したい
長く同じ仕事を続けていると、自分ができることを当たり前に感じてしまうことがあります。
しかし、日々の仕事の中で培った知識や経験、周囲との関わり方などは、自分の大切な財産です。
それらを振り返って言葉にしてみることで、自分では意識していなかった強みや、今後取り組みたいことが見えてくるかもしれません。
ジョブ・カードには何を書くの?
ジョブ・カードには、職務経歴や学習・訓練の履歴、資格などの情報に加え、自分の強みや今後のキャリアについて考えるための項目があります。
これまでの経験を振り返るだけでなく、将来どのような仕事をしたいのか、そのために何を学び、どのような経験を積んでいきたいのかを整理することもできます。
すべての項目を最初から完璧に埋める必要はありません。
まずは、これまで担当してきた仕事や、仕事を通じて身につけたことなど、書けるところから始めてみるとよいでしょう。
また、ジョブ・カードは専用のウェブサイト「マイジョブ・カード」から作成できます。作成した内容を保存し、後から見直したり編集したりすることも可能です。
ただし入力できる文字数が限られていたり、印刷時にはかなり文字サイズが小さいなど、これらはシステム上の問題だと思うのですが、使いずらい面があります。(この記事を執筆している2026年10月時点)
今後改善されるかもしれませんが、PCで作成したい場合には、マイジョブ・カードに掲載されているエクセルやPDFの書式をダウンロードしてご利用いただく方が、使い勝手は良いと思います。
▼ マイジョブ・カード
一人で書くのが難しいときは、相談しながら考える方法も
自分の経験を振り返ることは、簡単なようで意外と難しいものです。
「自分の強みと言われても思いつかない」
「どのようなことを書けばよいのかわからない」
「今後のキャリアプランを考えようとしても、目標が見つからない」
このように感じることもあるでしょう。
そんなときは、無理に答えを出そうとせず、これまでの経験を一つずつ振り返ってみることが大切です。
自分では特別なことではないと思っていた経験が、実は強みにつながっていることもあります。
また、キャリアコンサルタントとの対話を通じて、自分の経験や考えを整理する方法もあります。
ジョブ・カードは、キャリアコンサルティングの際にも活用されます。厚生労働省の「キャリア形成・リスキリング推進事業」では、ジョブ・カードを活用した無料のキャリアコンサルティングも実施されています。
これからの働き方を考えるきっかけに
キャリアについて考えることは、必ずしも転職や大きな環境の変化を意味するものではありません。
今の仕事をどのように続けていきたいのか。これまでの経験を今後どう生かしたいのか。自分にとって大切なことは何なのか。
そうした問いに向き合うことも、キャリアを考える大切な一歩です。
ジョブ・カードを使って、これまでの仕事や経験を振り返ってみてはいかがでしょうか。
自分自身を理解し、これからの働き方を考えるための手がかりが見つかるかもしれません。
ジョブ・カードの書き方には、改めて別のコラムでお伝えする予定です。
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