オワハラ問題から考える「働く」とは何か
9月は「障害者雇用支援月間」です
9月は「障害者雇用支援月間」です。
障害のある人が働く機会を広げ、職業的な自立を支援することを目的として、さまざまな取組が行われています。
「障害者雇用」と聞くと、自分には直接関係のない話だと感じる人もいるかもしれません。しかし、少し視点を変えてみると、このテーマは障害のある人だけの問題ではありません。
それは、
誰もが自分らしく働き続けられる職場とは、どのような職場なのか。
という、すべての働く人に関わるテーマでもあるからです。
同じ仕事でも、働きやすさは人によって違う
ある人にとっては簡単なことでも、別の人にとっては難しいことがあります。逆に、誰かが苦手としていることを、別の人は得意としているかもしれません。
仕事の進め方、人との関わり方、集中しやすい環境、得意なことや苦手なこと。
私たちは一人ひとり違います。
それにもかかわらず、職場では「みんな同じようにできること」が前提になってしまうことがあります。
もちろん、組織として一定のルールや役割は必要です。
しかし、すべての人に同じ方法だけを求めることが、本当に最も良い働き方とは限りません。
「できないこと」だけで人を見ない
障害について考えるとき、「何ができないのか」に注目されることがあります。
もちろん、仕事をする上で困難なことを理解し、必要な配慮を考えることは大切です。
しかし、それだけでは、その人の一面しか見ていません。
大切なのは、
「何が苦手なのか」
だけではなく、
「何が得意なのか」
「どのような仕事なら力を発揮できるのか」
「どのような環境なら働きやすいのか」
という視点を持つことではないでしょうか。
これは、障害のある人に限ったことではありません。
誰もが、得意なことと苦手なことを持っています。
自分に合わない仕事や環境の中では、本来持っている力を十分に発揮できないこともあります。
働きづらさは、本人だけの問題ではない
仕事がうまくいかないとき、私たちは「本人の能力や努力の問題」と考えてしまうことがあります。
しかし、本当にそれだけでしょうか。
仕事の内容が分かりにくい。
指示が曖昧である。
困ったときに相談できない。
自分の得意なことを活かす機会がない。
周囲との関係に緊張してしまう。
このような環境では、どのような人でも力を発揮することは簡単ではありません。
働きづらさは、本人だけの問題ではなく、仕事の内容や職場環境、人間関係との関係の中で生まれることがあります。
だからこそ、「本人を変えること」だけを考えるのではなく、「環境を少し変えること」で状況が改善する場合もあります。
配慮のある職場は、みんなにとって働きやすい
「配慮」と聞くと、一部の人だけに特別な対応をすることのように感じるかもしれません。
しかし、例えば、
仕事の説明を分かりやすくする。
役割を明確にする。
相談しやすい雰囲気をつくる。
困っていることを早めに話せるようにする。
一人ひとりの得意なことを活かす。
こうした取組は、障害のある人だけに役立つものではありません。
誰にとっても、働きやすい職場づくりにつながる可能性があります。
職場には、年齢も経験も性格も異なる人がいます。
子育てをしながら働く人、介護をしている人、体調に不安を抱えている人もいるかもしれません。
目に見える違いだけではなく、一人ひとりには、それぞれ異なる事情や働き方があります。
だからこそ、「みんな同じ」であることよりも、「違いがあること」を前提にした職場のほうが、結果として多くの人が働きやすくなるのではないでしょうか。
自分のことを知ることも大切
働きやすい職場について考えるとき、会社や上司に求めることだけではありません。
働く私たち自身も、
「自分はどのような仕事が得意なのか」
「どのような環境では力を発揮しやすいのか」
「何にストレスを感じやすいのか」
「どのような働き方を大切にしたいのか」
を知ることが大切です。
自分のことが分かってくると、仕事で困ったときにも、「何がつらいのか」「どのような工夫があれば働きやすくなるのか」を考えやすくなります。
そして、必要に応じて周囲に相談することもできます。
「誰もが働きやすい職場」は、一人ひとりを知ることから
障害者雇用支援月間は、障害のある人の働くことについて考える機会です。
しかし同時に、私たち自身の職場について考える機会にもなります。
あなたの職場では、一人ひとりの違いが尊重されているでしょうか。
困ったときに相談できるでしょうか。
得意なことを活かす機会があるでしょうか。
そして、自分自身は、自分の働きやすさについて考えることができているでしょうか。
「誰もが働きやすい職場」は、特別な制度だけでできるものではありません。
一人ひとりが違うことを知り、その違いを前提に、仕事や環境、関わり方を少しずつ工夫していくこと。
その積み重ねが、障害のある人にとっても、障害のない人にとっても、働き続けやすい職場につながっていくのではないでしょうか。
9月の障害者雇用支援月間をきっかけに、あらためて「自分らしく働くこと」と「誰もが働きやすい職場」について考えてみてはいかがでしょうか。
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