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コラム
虐待事件からDVを考える
2019年2月8日 公開 / 2021年3月13日更新
先日、父親からの虐待で亡くなってしまった事件は大きく報道されました。
一般の方々からは想像もつかないような事件。「なぜ助けられなかったのか」という気持ちで心を痛めた方も多かったのではないでしょうか。
私自身、幼少期に虐待を受けて心に大きな傷を持ち、生きづらさを感じて大人になった「今も苦しみ続けている方」の相談を受けることもあります。
たぶん、この件にかかわった学校や児相、ご近所の方々も「まさかこんなことになるとは」という思いがそれぞれにあったと思います。この件だけに限りませんが、仕事に対するプライドと想像力があれば、もしかしたら違う結果になっていたかもしれません。
児相の現場で働いている方のお話も以前聞いたこともあり、その大変さもお聞きしています。
今後二度と同じようなことが起きないようにそれぞれが「できること」の認識を高めていくことが必要だと思います。
今回子供を死なせてしまったお父さんの話を聞いて、自分がひどいことをしたという自覚がないと感じた方も多いのではないでしょうか?
実は、DV加害者の多くは、「自分がDVをしている認識がない人」が多いのです。
相手の痛みを理解しにくい性格が多く、自分が悪いと思わずに、相手が自分を怒らせるから「相手が悪いからこうなっている」と思っている場合がほとんどです。
DVを起こす人は自分に自信のない人が多いともいわれます。自分に自信がないから、自分より弱いと思う相手に暴力や大声で必要以上に脅します。
それから、事件にならなくても、DV(言葉の暴力やネグレクトも含みます)にあった子は心に深い傷を負ってしまいます。DVの世代間連鎖も生んでしまうこともあります。
毎日両親が激しいケンカをしている姿を見て育つだけでも脳が縮むと言われています。
それだけ、成長期に受ける心の傷は大きく影響してしまいます。
もし、家族にDVをされていたら、疑いがあったら、できるだけ一人で抱え込まずに誰かに相談してください。
最初は友達でも構いません。自分一人で抱えこむと、冷静な判断ができなくなります。今はいろいろな相談機関もあるので一人で悩むのではなく、誰かに話したり助けを求めてください。
DVは共依存になることもあります。優しい部分だけを見たり、「自分は駄目な人間、この人がいなくては」と思い込こまずに、第三者の目に自分はどう映っているかを聞いてみてください。
客観的に見ることが何より大切です。
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