無差別殺人を考える

飯塚和美

飯塚和美

テーマ:犯罪事件

先日、無差別殺人で、胸の痛む、悲しい事件がありました。時々起こる無差別殺人。今回のように、犯人が自殺願望を抱いている場合も少なくありません。「関係ない人を殺さず、死にたいなら一人で勝手に死ねばいいのに」と思う人は多いと思います。

その心理は、「長い事、自分はこんなに辛い思いをして苦しんでいるのに、幸せそうに笑っている人々が許せない」と、社会への復讐心が行動を起こすと言われます。ずっと孤独な気持ちを抱えていたので、みんなの注目を浴びるようなひどい行動を起こしてしまうというのです。

残念なのは、社会のせいにしてしまった事。多分それまでも、うまくいかない事があれば「○○のせい」と人のせいにする癖が出来ていたのではないでしょうか?人のせいにしている人は、本当は自分の事を否定している場合も多く、そして、自分自身の素直な気持ちを感じる事が苦手です。

皆が幸せに見えて憎らしいのは、自分が孤独だったから、「寂しかったから」
「死にたい」とよく口にしていたのは、本当は「生きたい」という気持ちもあったはず。家族に「そんなこと考えるんじゃないよ」と言われるのではなく、「生きていて欲しい」「あなたは生きているだけで価値のある人間」と言われたかったのではないでしょうか?

もちろん、どんな理由があったにせよ、何の関係もない人を殺していいなんていう事は、許されるものではありません。でも、家族ばかり責めても解決できないと思います。

そして、この犯人が発達障害だとしたら、もしかしたら、家族もまた発達障害、またはグレーゾーンの人かもしれないからです。

もし、今育てづらい子供に悩んでいる方は、自分だけで解決しようとしないで、誰かに助けを求めてください。市で行っている相談や、今はネットで調べる事も可能なので、信頼できるアドバイザーを探してください。たとえ、行ったところが駄目でも、きっと支えになってくれる場所があるはずです。

正しい知識と行動で、発達障害の症状は改善できます。

毎日毎日、悲しい事件が起こっています。人を大切にできない人は、自分自身を大切にしていない証拠です。

生きづらいとか、子育てで悩んだら、孤独にならず、知識を吸収して、やり方を工夫すればいいのです。同じように悩んでいる人も居るので、そういう集まりに参加してみるのも支えになります。

子供を、自分を、あきらめないでください。
こんな悲惨な事件が起こらないように、暗く悲しい事件が無くなることを心から祈ります。


私事ですが、先日、姉がALSで亡くなりました。病気が分かってから,1年半という速さでした。分かってからの1年は、、思い出づくりに会えるだけ会って、今年に入ってからは食事も出来なくなり、入院生活になりました。
ただ歩けるだけ、ただ話せるだけ、食事ができるだけと、誰もが意識せず当たり前にしている事が、どんなに幸せなのか、思い知らされた1年半でした。

病気が分かってからは、旅行に行ったり、今まで以上にみんな笑顔が増えていました。暗黙のうちにそれぞれが「泣くまい」と決めていました。今一緒にいるこの時を「楽しもう」と本人も含めて思っていたからだと思います。

無いものを見れば悲しい事も、あるものを見れば幸せに思えます。

人より出来ないと思っていても、出来ている事もあるはずです。「良いところも悪いところもあるのが人間です」。出来ない所ばかりに目をむけず、出来ている所も認めて心を満たす生活を心がけてください。

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飯塚和美
専門家

飯塚和美(心理カウンセラー)

カウンセリングルーム『大空』

電話相談含め8,000千人のカウンセリング実績。幼い頃からしみついた考え方の癖や枠を取り除き、生きづらさを解消します。リピーターが多く講座を含め日常で壁にぶつかると訪れたくなる、親しみやすさが好評

飯塚和美プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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