言葉を上手に使う事で相手の態度や関係性が変わってきます
カウンセリングの相談でお話を聞いていると、その方の考え方の癖が見えてきます。たいてい自分自身への評価が低いための思い込みが多いのですが、冷静に事実と思い込みを分けてみると、悩みの本質が見えてきます。
例えば
『人とかかわることが苦手で、子供の学校に行っても自分だけ仲間はずれになってしまう。いつも一人ぼっち』という相談。よく聞いてみると一対一では話ができるようです。そこで「本当に仲間はずれされちゃうの?」と聞いてみると、「自分は好かれていないから話に入ることができない」と言うのです。
・思い込み、感情→自分だけ仲間はずれにされる。いつも一人ぼっち。好かれていない。
・事実→誰とも話せないわけではない(一対一なら話せる)、何人かで話していると自分から離れてしまう。自分から人と距離を置いてしまう。
問題は誰からも好かれていないと思う自己肯定感のなさで、それを克服するためにはカウンセリングで改善していくことが必要ですが、表面上の対処法としては「輪から離れず、話している人の方を見ながらうなずいたり、相槌をうったりするといいのです。輪が嫌なら、周りをよく見まわしてみると、同じように苦手に思っている人もいて、一人でいる人もいるはずなのでその人に話しかけるという手もあります」
『何をやってもうまくいかない。子育てもうまくできず子供は言うことをきかない。子供が好きになれない』という相談。話を聞いてみると、理想が高いことが分かります。
・思い込み、感情→何もかもうまくいかない、子育てもうまくいっていないと思い込んでいる。子供が好きでないと思っている。
・事実→何もかも一人でやろうとしている。うまくいっていることもあるのにできない事ばかりに目を向けている。子供は、お母さんの言うことは聞かないこともあるが、学校の勉強やクラブ活動などさぼらずにできる。子供が好きになれないと言っても、子供のためにしていることが多い。
何かも完璧にできる人はいません。「こうなったらいいな」と思うことがあっても「こうならなければいけない」ということはほとんどないはずです。いうことをきかない子供に手を焼いて自分の子供でも「嫌い」と思うことは誰にでもあります。でもそう思いながらも子供のことを思い、行動するのは愛情があるからです。お母さんの言うことをきかないのは、子供が「お母さんは自分のことを分かってくれない」と思って反抗しているからかもしれません。教えようと頑張るより、まずは子供の味方になることが先だと思います。
このように自分の思い込みで悩みを深くすることも多いので、冷静に事実だけを取り出して考えて、思い込みを修正すると悩みやすい性格が改善できると思います。
「子供が許せない、腹が立つ」という場合、自分の感情に焦点を当てると、結構自分に似た部分があって、自分がそれで損したことや嫌だった感情がフラッシュバックしていることもあるものです。
自分の性格に悩む人も多いと思いますが、それは今まで身についた考え方や行動の癖だと思います。癖だと考えれば治せるような気がしませんか?別の癖になるように繰り返し修正していけば自然と性格が変わります。