相模原殺傷事件で思う事

飯塚和美

飯塚和美

テーマ:出来る事

 先日、障害者施設での大量殺人事件がありましたが、心がとても痛みます。この事件は障害を持つ方やその家族にどれだけの心の傷を残したか分かりません。

 障害を抱える家族の苦労はなかなか想像しがたいものだと思います。でも、だからと言って勝手に命を絶っていいという理由にはなりません。犯人が勝手な理由をつけて抹殺したかったのは、本当は弱い自分だったのではないでしょうか?

 自分が、誰か(世の中?)から否定された気持ちになっていたから人を否定したかった。この場合弱者と思われた障害者。彼から見た障害者を持つ家族を助けたと思ったようですが、その殺された家族を生きがいにしていた家族もいるかもしれないし、重度の障害を持っていたって「自分は不幸だ」と思っていなかったかもしれない・・・

 自分が生きている狭い世界で他の人の事を判断できるわけはありません。
彼の犯行は、薬や大学時代の交友関係が原因ではないかと言われていますが、一番問題だったのは何かの挫折があった時「逃げてしまった事」だと思います。自分の弱さを認めないで他の物を批判する事でごまかしてしまった、自分を強い存在だと認めて欲しかった。それが一番の原因なのではないでしょうか。

 人は誰でも弱い部分を持っています。
弱いのが悪いわけではありません。弱くてもいいからそれを認める事が大切なのです。「弱い自分を否定しないで認めてあげる」そして1度や2度の挫折があったって人生が駄目になったり終わったりするわけじゃありません。

 最近、人の許容範囲が狭くなっているような気がします。他人に対しても自分に対しても、何かあると「駄目だ」とすぐに決めつけてしまいます。でも、人生は簡単には終わらないし、生き方だって一つだけじゃありません。狭い視野で物事を判断してはもったいないと思います。いろんな道があっていいし、いろんな人がいてもいい(人を傷つけるような人は論外です)、だからこそ人生は面白いのです。

 自分の「こうじゃなきゃいけない」と思う枠は取り外してもさほど困らない枠だと気付くと、もっと他人も自分も許せるのではないでしょうか。こんな自分勝手な事件が二度と起こらない事を願いたいと思います。

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