子どもが育てづらいと思う時 ~発達障害について~
バレンタインが終わると、私のいるカウンセリングルームには、小さな小さなお雛様が飾られます。3月3日の雛祭りは、雛人形を飾ってお祝いする伝統行事ですが、もともとは女の子のためのお祭りではなく、邪気が入りやすい季節に穢れを払うための儀式だったと言われています。
女の子が生まれると、どんなお雛様にしようか胸をときめかす新米パパさんとママさんも多いのではないでしょうか?「マンション暮らしなのでちょっと小ぶりのオシャレな雛人形にしたいなぁ」などと考えていると、おじいちゃん、おばあちゃんからどーんと届く雛人形にショックを受ける方もいらっしゃいます。
おじいちゃん、おばあちゃんとの関係が良好でフランクなら、一緒に買いに行ってこんなことにはなりませんが、それが出来ない場合もよくあるようです。
この場合の原因は、おじいちゃん、おばあちゃんが「孫の雛人形は自分たちが買うもの」と思っている事。パパとママは「子供のものだし、自分たちの家に飾るのだから自分たちで選びたい」という気持ちです。雛人形に限らず、何かあるごとに、このような行き違いは起こります。以前のコラムでも書きましたが、コミュニケーションのトラブルの原因は「きっとそうに違いない」「こうしてくれて当然」「こうするべきだ」という『思い込み』です。ほんの少しの手間を省くと、溝がどんどん深まります。
「確認作業をしましょう」お雛様が気になるなら、女の子が生まれたら雛人形を買われる前に、その話題を出して事前に自分の気持ちを伝えましょう。「自分たちが用意する」「一緒に買いに行きたい」など、正直に伝えましょう。
「おじいちゃん、おばあちゃんの気持ちを大切にしたい」と思い、譲れるのならそれでもいいし、「どうしても自分の好きなもの」と言うのであれば、ちゃんと伝えて分かってもらう努力をしましょう。何もせず、ずっと恨んでしまうのは、送った方もかわいそうです。はっきり主張しないからそれでいいと思ってしまう事も多いのです。
本当の人間関係を築くのは勇気がいるものです。それでも、ちゃんと相手と向き合って話し合い、多少の摩擦はあっても、お互いの妥協点を見つける事は大切です。相手に好かれたいから我慢して、知らず知らずに舅、姑の愚痴を子供に聞かせて育てるより、ちゃんと向き合い、家族らしくなっていく過程を見せるのも、親が子供に出来る大切な事だと思います。