子供のためにならない「毒親」について

飯塚和美

飯塚和美

テーマ:子育てで悩んだら

あまり良い言葉とは思えませんが、「毒親」と言う言葉をご存知ですか?

「毒親」とは、その名の通り「子供にとって毒になる親」のことです。
「自分は違う」と思う人も多いと思いますが、子供について何か気になる場合は、少しその関係を見つめなおしてみましょう。

私の所にカウンセリングにいらっしゃる方も「毒親」と言われて戸惑っている方や、「もしかして、私の親は毒親なのでしょうか?」と不安に思っていらっしゃる方も時々います。

一般に虐待などは分かりやすいのですが、子供のためを思って愛情深く育てたつもりでいたのに、良い大学、良い会社に入り、人からうらやましいと言われるほど立派な人間に育てたはずが、孫も出来た今になって「あなたは毒親だった」と言われたというケースもありました。

子どもを思い、転ばないように、少しでも良い人生にしてあげたいと思う気持ちは親として当然の気持ちです。
でも、それが過ぎると子供を支配したり、子供の気持ちを置き去りにして、取り返しのつかない状況になってしまう事もあります。

人から見たらうらやましいと思われている人生も、親の影響で人間関係がうまく築けないと苦しんでいる方も多くいます。

大切なのは「転ばせないこと」ではなくて「転んでも立ち上がれる心を育てること」です。
愛情があるからこそ、習い事をさせたり、塾に行かせたり、高い授業料の私立に行かせたりという親の思いも、子供からすれば「自分は愛されている」と感じられる要素にはなりません。

子育てに大切なのは、「生きる力」を与えてあげることです。
それには「自分が愛されている」と実感する事が基本です。
ほんの少しの言葉の選び方でそれを伝えることも出来ます。
例えば、「何時まで遊んでるの?子供のくせに!」と言う言葉を「早く帰って来て。あなたが心配だから」と言うように、愛されていると感じる言葉に変えてみましょう。

そして、社会に出て役に立つのはコミュニケーション能力です。
小さい頃に遊びを通して培う人間関係は、大人になって生活するうえで何より大事な経験になります。子ども同士のケンカも時には見守り、自分たちで解決する経験を積ませましょう。

子どものすることに、つい口出ししてしまいたい気持ちを少し抑えて、子供が何を考え、何を本当は望んでいるかに耳を傾けて下さい。
決して、「黙って親の言う事を聞いているから大丈夫。」などとは思わないでください。

子どもは親が喜ぶことを選んでしまう傾向があります。
親に気に入られたくて・・・
親の喜ぶ顔が見たくて・・・
黙って親のいう事をきいているのはやさしいからです。
その無理をしている気持ちに気付くためにも、子供の気持ちをちゃんと聞いてあげられる環境を作りましょう。


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